「山川FA流出」も見せた男気 西武・渡辺久信GMの好感度が急上昇の理由

2023年12月31日(日)17時0分 ココカラネクスト

山川の去就は多くの注目を集めた(C)CoCoKARAnext

 プロ野球チームの編成トップとしては、主力選手のFA流出はマイナス材料。しかし、その好感度は上昇の一途をたどっているというのですから、異例の事態といえるでしょう。

 西武・渡辺久信GMです。言わずと知れたライオンズ黄金時代を支えたエース。台湾球界でもプレーし、野球評論家を経て西武でコーチなどを務めると、2008年には監督就任1年目で日本一。13年に監督退任後はシニアディレクター、GMと編成の要職を務めています。

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 かつて西武担当を務めたスポーツ紙の記者は言います。

「一言で言えば“親分”。腹の太い、気配りができるトップなので、球団職員からも人気があります。元選手のスタッフはGMのもと、一致団結している印象です。担当記者からも愛されていて、信奉者も多い。義理人情に厚く、渡辺さんが監督時代、担当記者も人として裏切るようなことを書くのは厳禁でした」

 そんな渡辺GMにとっても、今シーズンは常に「山川問題」と対峙せざるを得ない、苦しい1年だったといわれている。結果的にはライオンズのユニホームに別れを告げ、博多の地へ旅立つことを決断したのです。

 前述の記者は続けます。

「FAは選手が勝ち取った権利。しかし山川は手順の丁寧さを欠いていた印象があります。権利行使に当たって、球団を通じて発表したコメントには『これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました』との箇所があり、これが西武ファンの怒りを買います。『戒め構文』として、SNS上では揶揄する投稿が相次いだのです」

 一方で渡辺GMは男を上げていきます。スポーツ各紙の報道によれば、山川をあくまで前向きに送り出したというのです。本来ならはらわたが煮えくりかえってもおかしくない状況の中、爽やかに別れを告げたその対応には、「本当にいい人」「腹が立つこともあったと思うが山川に感謝したりエールを送ったりできるのは人柄があってこそ」「GMの懐の深い発言は立派」「西武球団の対応コメントは完璧だった」など、称賛の声が相次いでいます。

「組織のトップは窮地に立たされたとき、本物の力が見えるというもの。そういう意味で今回の渡辺GMは正しい対応だったと断言できます。来季のライオンズVSホークスは因縁の対決として、特に西武ファンの応援に熱が入るのは間違いないでしょう」(前述の記者)

 熱パの見所がまた一つ加わった模様です。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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