食通だけが知っている。横浜中華街でマストバイの絶対ウマい「工場直販＆自家製肉まん」3選

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●横浜中華街で無数のお店で販売されている肉まん。実は横浜中華街に詳しい食通たちが買っているのは、表通りの行列ができるお店ではなく、裏通りにある工場直販＆自家製の肉まん。その魅力をレポートします。

　横浜中華街で、多くの店の店頭で販売されているのが「肉まん」。特に寒い冬場に人気の名物グルメですが、一部の店では大量製造だったり、店で作っていない仕入れ品だったりすることもあるようです。それでも美味しければ問題ありませんが、何度も通っていると「よりコアな横浜中華街の味を知りたい！」と思うのが人情。

横浜中華街

　そこで今回は、横浜中華街にある肉まん製造工場の直販、自家製肉まんの名店を3つご紹介。横浜中華街の魅力を探検しつつ、その味をレポートします。

中華街大通りにある飲茶の名店『大珍樓』の工場直販肉まん

『大珍食品公司』で購入した「肉まん」350円（※価格は全て税込）

　まずは、横浜中華街の名スポット・横浜関帝廟から中山路という道を南に入った路地にある『大珍食品公司』の肉まん。こちらは中華街大通りにある飲茶の人気店『大珍楼』の商品の製造工場で、工場の外には、直販の自販機も設置されています。

工場を訪ねると、親切なお姉さんが直販してくれました

　実はこの自販機でいつでも工場直販の肉まんを購入することができるのです。1万円札しかなかった筆者、工場の中を訪ねると、親切なお姉さんが「こちらでも販売しますよ！」と優しく応対してくれました。「工場」というと、プロ向けのような印象もありますが、業務に迷惑をかけないように気をつければ、こうして親切に応じてくれるのが『大珍食品公司』の魅力。行ってみる価値アリです。

シャキシャキの野菜の食感と肉のバランスが最高です！

　帰宅後に『大珍食品公司』の「肉まん」を蒸して実際に食べてみると、ふんわり膨らんだ生地に餡のシャキシャキとした野菜と肉のバランスが最高で、ものすごくフレッシュな印象。さすが製造後間もない工場直販「肉まん」。横浜中華街のお土産として、ぜひゲットしてほしい一品です。

●SHOP INFO

店名：大珍食品公司

住：神奈川県横浜市中区山下町130-3
TEL：045-681-2280
営：8:00〜16:00
休：水曜

自家製包子＆中華菓子の名店『聚楽』の作りたて「肉まん」

『聚楽』の「肉まん」300円

　続いて横浜中華学院のすぐそばにある『聚楽』。横浜中華街には、自家製の肉まんなどを販売する店が他にも複数ありますが、こちらは香港スタイルにこだわり63年以上もこの地で営業を続けるレジェンド的な存在です。

　横浜中華街ツウの中には、「食事をすべて終えたら、お土産を買いに『聚楽』に立ち寄る」という人もいるほどです。

横浜中華街通の間では、「レジェンド」として知られる包子＆中華菓子の専門店

　お店は、奥に工場があり、店頭に数々の中華菓子が並ぶスタイル。特に月餅やマーライコーなどが人気ですが、もちろん肉まんもあります。

しっかり味付けされた餡と生地のバランスが美味！

　こちらも帰宅後に蒸していただきましたが、しっかり味つけされた餡は、とにかく肉感がスゴい。どことなくクラシカルな味わいです。この香ばしい餡とふわふわの生地のバランスが最高でした。長きにわたって守り抜かれた自家製の味わいです。

●SHOP INFO

店名：聚楽

住：神奈川県横浜市中区山下町143
TEL：045-651-2190
営：11:00〜20:00
休：火曜

『大三元酒楼』の「肉まん」はクラシカルな上海スタイル

『大三元酒家』の「肉まん」300円

　続いて、南門シルクロードの一角にある『大三元酒家』。こちらは上海式中華料理の名レストランとして、地元民の間で有名なお店。ややアクセスが難しい場所に位置しながらも、常にコアな人気を誇っています。

レストランとしても利用できる。自家製の包子はマストバイ

　こちらも自家製の肉まんがイチオシです。店頭には作りたての包子類がズラリ。どことなく家庭的な印象です。

その価格、味わいに良心を感じて泣けてきました

　いざ蒸して食べてみると、生地のふわふわ感は今回食べた3つの中でダントツ。さらに、肉がギッシリ詰まっているのに柔らかい餡も最高で、「これで1個300円？」と疑いたくなるほどの美味しさ。

　価格設定や味わいに、『大三元酒家』の家庭的な良心を強く感じました。横浜中華街の自家製肉まんでは、イチオシしたい一品です。

●SHOP INFO

店名：大三元酒家

住：神奈川県横浜市中区山下町136
TEL：045-641-4402
営：11:00〜21:00
休：不定休

横浜中華街の市場通りと太平道の交差する角にある『萬来亭製麺所』の「ストレート麺」2玉200円を使って作ったラーメン

　実は今回の取材で候補に挙げ、ぜひ行きたかったお店があります。それが『萬来亭製麺所』。その名の通り製麺所で、入り口の奥に製麺機が見え隠れする工場です。

　かつて筆者はここの肉まんが好きでよく購入していましたが、取材時はなんと「今、肉まんやっていない」とのこと。しかし、ここの粉モノはとにかくウマい。自家製麺や餃子、ワンタン、焼豚などが販売されています。

現在、肉まんの製造は休止中ですが、自家製麺や餃子、ワンタン、焼豚などを購入することができます

　ただし、この『萬来亭製麺所』では、店員が常駐している時間が限られているようで、スタッフがいないことがよくあります。しかしご安心あれ。そんな時は『萬来亭製麺所』の目の前にあるレストラン『萬来亭』のスタッフに声をかければ、「はいはい。何がほしいんですか？」と、製麺所のほうに来てくれます。

　この点、慣れないと迷うかもしれませんが、臆することなく目の前の『萬来亭』を訪ね、持ち帰り商品を買いたい旨を伝えると良いと思います。

　ちなみに今回、肉まんは買えなかったものの、『萬来亭製麺所』の「ストレート麺」を購入。ラーメンにしていただきましたが、本格中華でよく使われるコシのある麺で、こちらも美味！ スーパーで購入する麺と大差ない価格なのに、めちゃくちゃウマい。さすが製麺所の直売品です。ぜひゲットしてみてください。

●SHOP INFO

店名：萬来亭製麺所

住：神奈川県横浜市中区山下町127-9 市川ビル 1F
TEL：045-664-0767
営：11:30〜14:30、11:30〜21:00
休：木

　今回ゲットした横浜中華街の工場直販＆自家製肉まんは、各店とも味の方向性はまるで違う一方、いずれも作りたてで美味。中華街大通りの大型店の店頭で販売されている肉まんも美味しいですが、とにかく行列するので買いにくいのが難点。

　より各店の個性を求めるなら、工場直販＆自家製肉まんを買い求めましょう。そして、その工場や自家製の店は、裏通りにあることが多く、探検気分で巡るのもまた楽しいです。

（取材・文◎松田義人）