旨すぎて悶絶! 岐阜・下呂温泉の名物郷土料理「鶏ちゃん」の魅力とは?

2024年1月18日(木)10時50分 食楽web


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●岐阜・南飛騨エリアに根付く名物グルメ「鶏ちゃん」とは一体何か? 南飛騨・下呂温泉まで食べに行ってみた!

 日本のほぼ中心に位置し、風光明媚な山々が連なる一方、農産・畜産も盛んで、陸地では伝統的な地場産業もある岐阜県。「こういったエリアには、県外にあまり知られていない名物グルメがあるはず!」と調べてみたところ、下呂温泉がある南飛騨に「鶏ちゃん」なる郷土料理が存在することを知りました。

 郷土料理と言うと、なんとなく渋い料理を想像しますが、この「鶏ちゃん」は、味噌や醤油タレに漬け込んだ鶏肉をキャベツと一緒に焼いて食べるもので、ジンギスカン鍋のような卓上の鍋で自分で焼くスタイルとのこと。郷土料理というよりカジュアルでB級グルメ的な料理に感じますが、とにかく気になります。

 今回は、東海エリア滞在中にちょっと足を伸ばし、この「鶏ちゃん」を食べに下呂温泉エリアまで行ってみました!

「鶏ちゃん」目指して2時間弱! 下呂に着いた頃には日が暮れていた


夜の下呂温泉

 名古屋から車を走らせること2時間弱。岐阜の山々を抜けて、南飛騨の有名な温泉地・下呂温泉エリアに着きました。思ったより時間がかかってしまい、気づけば周囲は真っ暗です。全国にその名を知られる下呂温泉ですが、その中心地となるJR高山線・下呂駅周辺は、極めて静かで、この素朴な感じにかえって好印象を抱きました。賑やかな温泉街も良いですが、静かにしっぽり過ごす温泉街というのも、なかなか風情があって良いものです。


JR高山線・下呂駅周辺は極めて静かな街でした

 この下呂駅のすぐ近くにある居酒屋で絶品の「鶏ちゃん」を出す店があると聞きつけ尋ねてみました。その名は『さんとく』。店内に入ると、清潔に保たれた店内で複数名の客が静かに酒を飲んでおり、良い雰囲気。1人客でも居心地よく過ごせる店で、複数の客が1人での利用のようでした。スタッフの方々も客個々の楽しみ方をしっかり見極めてくれ、喋りたい人には応じてくれ、しっぽり静かに飲みたい人にはあえてそっとするという細やかな配慮を感じます。


「刺身こんにゃく」500円

 この日は下呂に宿泊することにしたので、移動の疲れを癒すべく軽くサワーを1杯。メインの「鶏ちゃん」の前に、「刺身こんにゃく」(500円)をオーダーしましたが、これが絶品。この店のポテンシャルの高さがうかがえました。

鉄板卓上鍋で自分で焼いていただく「鶏ちゃん」が登場!


「鶏ちゃん」500円

「この店、大当りかも」……そう思った筆者は迷わず、目当ての「鶏ちゃん」(500円)をオーダー。ほどなくして筆者のカウンターに鉄板の卓上鍋が設置され、スタッフが丁寧に焼き方を教えてくれました。鍋が温まるまでしばらく放置し、ジュージューしてきたら、ムラが出ないようにかき混ぜながら火入れするのがコツとのこと。そして、辛いものが好きな場合は、焼きながら唐辛子を加えるのも良いそうです。さっそくその通りに「鶏ちゃん」を焼いていくことにしました。


唐辛子を加えながら焼いていきます

 火が入るにつれ、鶏肉とキャベツの良い香りと、唐辛子の香ばしい香りが混じり合い、食欲を刺激してきます。しっかり火が通ったところで、この「鶏ちゃん」をいただくことにしました。

鮮度の良い鶏とキャベツで奥ゆかしい味わいに!


焼き上がった「鶏ちゃん」……これがもう激ウマ!

「鶏ちゃん」を簡単に説明するならば、「鶏とキャベツの炒め物」ということになるわけですが、『さんとく』でのそれは、シンプルながらも奥ゆかしい味わいを楽しませてくれました。

 まず鮮度の良い鶏肉のプリプリ食感と旨みが美味しく、鮮度抜群・甘みたっぷりのキャベツが鶏を引き立てる役割を果たしており、どちらが欠けても絶対に成立しない完成された味わいでした。唐辛子のピリッとした辛さともよく合い、お酒のおつまみとしてはもちろん、ご飯のおかずにもバッチリ。この激ウマな味で、価格はたったの500円。『さんとく』、なんという良心的な価格設定なのでしょう……。激ウマの『さんとく』の「鶏ちゃん」に会うために、「2時間弱かけて、下呂まで食べに来た甲斐があった」と思いました。

店によって味わいが違う「鶏ちゃん」。食べ比べも楽しそう


シメで頼んだ「塩焼きそば」600円

 あっという間に「鶏ちゃん」をたいらげ、最後にシメとして「塩焼きそば」(600円)をオーダー。これまた丁寧に焼きあげられたもので、さきほどの「鶏ちゃん」で採用されているものと同じ絶品キャベツと一緒に炒められていました。

 もちろん、この「塩焼きそば」も絶品。上品な味付けながら、次々と箸を入れたくなるようなヤミツキ感もあり、「鶏ちゃん」同様に激ウマの一品でした。

まとめ

 東京に戻ってからも「鶏ちゃん」および『さんとく』がなかなか忘れられない筆者。ネットなどで改めて検索をかけてみると、「鶏ちゃん」は店によって味付け、構成が異なり、中には鶏肉ではなく、鶏皮やモツを使う店もあるそうです。食べ比べをしてみるのも楽しそうだなと思いました。

 また、『さんとく』には根強いファンがおり、インスタグラムなどでは【某グルメサイトの点数低い小さなお店実はめっちゃうまい説】として紹介される名店でもあったようです。一気に岐阜ファンになってしまった筆者ですが、県内には「鶏ちゃん」以外にもまだまだ名物グルメがある様子。再訪し、さらに岐阜の絶品グルメを食べたいと思いました。

(取材・文◎松田義人)

●SHOP INFO

店名:さんとく

住:岐阜県下呂市幸田1316-1
TEL:0576-25-2229
営:17:00〜24:00
休:火曜

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