「20代で年収1000万円」大手・外資以外で目指せるのか
2025年1月29日(水)16時11分 マイナビニュース
20代のうちに年収1,000万円を達成したいーー。それは高学歴だったり大手企業や外資系企業勤めだったりしなくても可能なのだろうか。社員の個性・才能を発掘する"タレントマネジメントシステム"を提供するカオナビのアカウント本部 部長の福田智規氏に解説してもらった。
「高学歴エリート」以外の1,000万円への道は見えて来た?
Q.「私は超ハイスペックでも超高学歴でもありません。そんな私が会社勤めで20代のうちに年収1,000万円を達成する方法はありますか?」(20代前半・会社員・営業職)
A. 福田氏の回答
とても率直な質問、ありがとうございます。私の答えは「YES」です。
ご存知かもしれませんが、会社員の給与所得のみでこの一桁違いの年収に20代で到達できる人は1%もいません。そして、若手にそれだけの高給を出せる会社は、総合商社やコンサルティングファーム等の大手企業、GAFAに代表される外資系IT、外資系証券ぐらいのもの。依然として狭き門です。
しかし、ITの発達によりコンテンツやプロダクトを個人でも企画・制作・販売できる環境が整った昨今では、給与所得以外でも稼ぐ方法が幅広くなってきました。国内の雇用環境も以前では考えられないほど流動的になり、転職が当たり前、副業解禁の流れも広がっています。
さらに、社外活動の知識や技術を本業に活かすことでイノベーションを生み出すような「ユニークパフォーマンス」が社員の評価指標にも入るようになってきたことも大きな追い風でしょう。
こうした状況を鑑みると、「本業を活かせる副業」を行い、本業と副業が相乗効果でどちらの稼ぎも伸ばしていく構造をつくることができればーー若くして1,000万円のプレーヤーになることは、十分実現可能だと私は思います。
副業を加えて1000万円を狙うなら「価値」を考えて
副業選びを考える前に考えておきたいことがあります。それは、「年収1,000万円の価値とは何か」です。
1,000万円稼ぐことは、1,000万円の価値を生み出すことと同義です。どんな内容の仕事に、1,000万円という価値が生まれ得るのかを理解して、それを自分がどう作るかを考えることが、成長し続けていく大事なポイントになるはずです。お金は価値に対する一つのものさし。1,000万円の価値を見極めるため、まずは30代以上で構いませんから、社内や周囲の1,000万円プレーヤーの方々を探して考えてみてください。
組織運営ができるマネジメントスキルを持っている方、平均の2倍以上売り上げるトップセールススキルを持つ方、自分の持つ高い専門能力や知識を社員に伝播できる教育・研修スキルを持つ方、さまざまな内訳が見えてくるはずです。
副業を選ぶ場合にもこの観点が備わっていると、「1,000万円の価値を出せるスキルをどう育てるか」と考えるはずなので、労働集約型の、時間と工数をかけるばかりで消耗するような事態は自然と避けることになると思います。
攻めるべきは、本業に近い領域での副業を展開することです。例えば、営業職の方なら別業種の「セールス代行」を選ぶようなイメージですね。こうした社内で培ったスキルを軸にした副業は、自分の得意スキルを「社外でも通用する汎用性のあるスキル」へと高めてくれますし、社内で閉じられていたノウハウを社外にも出していくという社会のニーズにつながります。さらに、社外の知見を社内に持ち込むことで本業への価値提供も期待できます。これにより、本業と副業双方の収入を上げるのです。
このような本業と副業で相互に価値を創出していく仕事は、決して誰にでもできる類のものではありません。昨今の企業や社会にとって価値の高い、ユニークなパフォーマンスだと私は捉えています。
「1000万円以上」への成長を目指してほしい
先ほどの例で言えば、セールス代行かコンサルかマネジメントか、はたまた企画なのかというのは、その方の強みによって変わるでしょう。ただ、ご相談の方のように20代前半の場合は、外部に出して育てていく「自分の強み」がまだ見つかっていないかもしれません。
そんな場合は、ご自身の目的と意欲に素直になってほしいと思います。「なぜ年収1,000万円を目指したいのか」「挑戦してみたいことは何か」を問い直してみてください。「いずれ起業してプロダクトで成功したい」というなら、エンジニアリングを新たに勉強して身につけ、副業に挑戦していくのも良いでしょう。「飲食店を経営したい」なら飲食業界を学ぶ意味で副業をして良いと思います。いずれその副業が本業になり、今の本業の経験はそのときに必ず活きてくるはずです。
どうか「副業に失敗したら時間を無駄にしてしまうかも」なんて、尻込みしないでください。どれだけチャレンジして、アウトプットの機会を得ているかが30代以降の違いにつながりますから、1,000万円よりももっと上を目指していくという意味でも、ぜひチャレンジし続けてほしいです。
福田智規(カオナビ) ふくだ とものり 株式会社カオナビ アカウント本部 部長 大手メーカー系IT関係会社に新卒入社。主にITインフラ全般のソリューション営業業務に従事。営業企画を経験後、グループ共通サービスの企画、クロスセルなど間接販売業務も経験。大手企業向け営業ノウハウを学ぶ。2019年カオナビに入社しエンタープライズ領域の新規開拓を担当、2024年より現職。 この著者の記事一覧はこちら