「パパがいけないお薬持ってます!」宿題をせずに叱られた少年、腹いせに父親を警察に通報

2025年2月1日(土)17時0分 カラパイア


 宿題をやらずに親や先生に怒られていた昭和生まれの私だが、逆らうことはできなかった。だが令和だと事情が変わってくるようだ。というかこの子が特別なのかもしれない。


 中国で小学5年生の少年が、父親に宿題が終わらないことをとがめられ、その腹いせに警察に通報するという事案が発生した。「おまわりさん、この人(パパ)です」ってやつだ。


 実はこの父親、違法なケシの実の殻を所持していたものだから、事態は最悪の展開となる。


「宿題をやれ」と叱られた少年、腹いせに父親を通報


 今回の「事件」の舞台となったのは、中国のちょうど真ん中あたりに位置する、寧夏回族自治区銀川市永寧県だ。


 2025年1月9日、現地の警察署は10歳の少年からの通報を受けた。その内容は何と自分の父親が、アヘンの原料となるケシの実の殻を、自宅に隠しているというものだった。



違法の「アツミゲシ」 image credit:photoAC


 実はこの少年は、宿題が終わらないことを父親にこっぴどく叱られたため、その腹いせに家出をした。


 そして近くの商店で携帯電話を借りると、腹立ちまぎれに警察に電話をし、上記の通り父親が麻薬犯であり、自分はその証拠を握っていると述べたのだ。


地元の公安局・城関派出所は、すぐにその商店に向かい、少年から直接事情を聴取した。少年は泣きながら、自分は全てを知っていると話したという。


自宅を捜索した結果、違法なケシ殻が発見された


 そして彼の案内で少年の自宅を捜索。ベランダの吊戸棚から、ケシ殻を8個発見した。



image credit : X @Tonyliu395995[https://x.com/Tonyliu395995/status/1880435081329930413]


 息子の目の前で、息子の通報で拘束された父親は、後悔と自責の念に満ちた表情を浮かべると、「医療目的で使うつもりだった」と告白。


 法律を破ったことに関しては遺憾の意を表したが、知らずにやったことだと主張した。しかし、それで済まされる問題ではなく、父親はそのまま連行され、証拠のケシの殻と一緒に麻薬取締局に引き渡されたそうだ。


 現地の法律では、許可なくケシやその関連製品を保管・使用することは違法とされている。


 中国と聞くと、麻薬犯罪には非常に厳しく、死刑まであるイメージだが、実は厳しいのは麻薬の製造や密輸、販売に関してで、個人での所持や使用に関してはさほどの重罪にはならないらしい。


 例えば、50g以上の覚せい剤、ヘロイン、アヘンを密輸した場合、その首謀者には「懲役15年、無期懲役、あるいは死刑」が科せられる


 だがこれが個人的な使用となると、15日以下の勾留と2,000元(約43,000円)以下の罰金、薬物使用のための器具の没収といった行政処分で済むんだとか。



父親が隠し持っていたケシ殻 image credit : 中华网 @微博[https://news.china.com/socialgd/10000169/20250117/47880831.html]


 今回、父親が隠していたケシはアヘンの主原料であると同時に、モルヒネなどの鎮痛剤の材料としても知られている。


 ケシの実からアヘンの元となる白い液体を採取した後のケシ殻は、古来より鎮痛剤や咳止めの材料として用いられてきた。


 歴史的にアヘン戦争を経験してきた中国にとっては、アヘンは許すべからざる麻薬であり、医療用のケシは厳重な法的管理のもとで栽培されなければならない。


 宿題をやらなかった少年にも非はあるが、所持が禁止されているケシ殻を父親が隠し持っていた事実は変わらない。


 お互いの腹立ちまぎれの行動が思わぬ結末を招いた。しかし、現在この少年や父親がどうなったのかについての情報は入ってきていない。


追記:(2025/02/01)本文を一部訂正しました。


https://twitter.com/Tonyliu395995/status/1880435081329930413[https://twitter.com/Tonyliu395995/status/1880435081329930413]

References: 大義滅親?男孩未完成作業被批評不滿,竟向警察舉報爸爸藏毒![https://cava.tw/topic/fun-fact/255663.html]

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