都内のアンテナショップが「移住の窓口」になりつつある

2018年2月10日(土)22時0分 Jタウンネット


「北海道どさんこプラザ」、「銀座わしたショップ」、「表参道・新潟館ネスパス」など、人気のアンテナショップにはいつも人があふれている。首都圏に住み、働く人の間で、東京都心にある地方自治体のショップの人気は高い。


現地でなければ手に入らない食品を、定期的に調達に行く......という人がいる。自分の生まれ育った県のショップに行って、故郷の香りにふれると、なんとなく元気になれる、そう言う人も多い。「故郷の訛り懐かし停車場の......」と詠んだ石川啄木の現代版だ。一方、故郷でも何でもないが、とにかく好きだから行く、という地方ファンも多いようだ。


「平成29年度自治体アンテナショップ実態調査報告」が、2018年1月11日、一般財団法人・地域活性化センターから発表された。このレポートの中で、とくに「田舎暮らし・UIJターン」としての役割が注目されている。


「田舎暮らし・UIJターン」......つまり移住促進の比重が、高くなっているようなのだ。


買い物ついでに移住の窓口にも立ち寄れる!?


「自治体アンテナショップ実態調査」の中で行われた開設目的についてのアンケートを見てみよう。「自治体のPR」、「特産品のPR」「特産品の販路拡大」「地域情報発信(マスコミ等)」などに続いて、「田舎暮らし・UIJターン」が入っている。


56店舗中、47店舗が「田舎暮らし・UIJターン」を挙げており、この数字は前年度の16店から約3倍となっている。地方の過疎化が深刻さを増しているなか、東京都心のアンテナショップへの期待が高まっているようだ。


アンテナショップの場合、買い物目的に気軽に入れる。買い物ついでに移住の窓口にも立ち寄れ、「田舎暮らし・UIJターン」に関する情報が手に入るとしたら、こんなに便利なことはない。このハードルの低さがアンテナショップの魅力だろう。


人口減少になんとか歯止めをかけたい地方自治体にとっては、地方出身者や地方ファンが集まるアンテナショップへの期待は限りなく大きい。


また移住への取組についてのアンケートでは、「パンフレット・書籍の設置」を行っているショップが38店舗だった。この数は前回調査(30店舗)から約1.3倍だ。


その他、「相談員の常駐」が6店舗、「交流会・イベントの実施」が10店舗、「検索システムの実施」が3店舗などとなっている。また予約制で移住相談を受け付けたり、自治体が別の場所に設置する移住相談の専門窓口へ誘導したりするなどの取組も行っているという。つまり具体的な取組は、まだこれからといったところだ。


今後ともJタウンネット編集部では、「移住」への取組に熱心なアンテナショップの活動に注目し、積極的に取材を行っていきたいと思う。

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