池澤春菜が声優界の仕事事情を語る「年齢が原因でオーディションに落ちる」「所内選抜のためにマネージャーに必死にアピール」
2019年2月15日(金)7時0分 キャリコネニュース
かつて声優は、表に出ることはあまりない職業だった。ただ、最近では"アイドル声優"の需要が高くなり、声の仕事であるにもかかわらず、ルックスや歌唱力なども求められるようになった。
「声優を声以外で評価するのって変じゃない?」と疑問を抱くアニメファンも少なくなさそうだが、それはベテラン声優も同じなのかもしれない。2月12日の『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)では、声優歴20年以上のベテラン声優・池澤春菜さんが声優界の変化について語った。(文:石川祐介)
尾崎由香「キャラに近い人が選ばれる可能性が高い。若い人のほうが演じやすい」
まず、最近の声優界で起きている変化として、年齡が原因でオーディションを落とされるようになったことを挙げる。池澤さんは年齡を選考基準にしているのであれば、オーディションに呼ぶ必要があるのかと首を傾げ、「一生、出来る仕事のはずなんですけどね」と実力以外の点でジャッジされることへの不満を口にした。
これを聞いた若手声優の尾崎由香さんは、
「今の声優ってアフレコだけじゃなくて、歌ったり踊ったりとか、キャラクターに近い人が選ばれる可能性が高い。だから、歌って踊れる声優が今は一般的」
と分析。池澤さんは「(自分は)歌えもしない……踊れもしない……」と自虐的なコメントをすると、尾崎さんは「そんなことないですよ」と慌てて言うが、「若い人のほうが演じやすいっていうのがあるから」と現在43歳の池澤さんにフォローになっていないフォローを続けた。
「監督の話を無視した若手声優を注意したら泣いてしまった」後輩との接し方に戸惑いも
次に池澤さんは、「指名の役もありますけど、オーディションが半分以上」と、どれだけキャリアがあっても、基本的にはオーディションで役を勝ち取らなければいけないという、声優の仕事の取り方を解説する。
「事務所にまず『こういう役のオーディションがあります』って来て、事務所の中で『じゃあ、この人を出しましょう』っていうのを決めるんですね。その段階で、(マネージャー間で)事務所内オーディションみたいな」
「大きい事務所だといっぱい役者もいるので、朝に事務所に行ってズラッと並んで(マネージャーに)ご挨拶する。1日、壁際に立っていて、何か買ってくるとかコピーを取るとかあったら『いつでも声をかけてください』って言って待機してる」
オーディションに進むための社内オーディションで選ばれるため、マネージャーにアピールする必要があるようだ。
キャリアの長い池澤さんは後輩との接し方にも戸惑っているようだ。アフレコ中、監督からダメ出しを受けているにも関わらずスマホを触っていたアイドル声優に注意したところ、
「『監督からの指示はちゃんと聞いておかないと、他の方にご迷惑かかっちゃいますよ』と言ったら、『池澤さんにイジメられた』って言って、泣きながらスタジオを出ていった」
と明かした。こうした経験があるため、アイドル声優をうかつに怒れず「悩みます」とも吐露。若者とのコミュニケーションに頭を抱える上司は少なくないと聞くが、それはどの業界でも共通しているのかもしれない。