カレー激戦区・神保町に本格ミールスが登場! 『三燈舎』の南インドカレーを食べてきた
2020年2月15日(土)10時50分 食楽web
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“古書の街”として有名な千代田区・神保町。実は、さまざまなカレーの名店が軒を連ねる“カレー激戦区”でもあります。昔懐かしいカレーライスから、焼きたてのナンと味わうインドカレー、ココナッツミルクとハーブを使ったタイカレーなど、神保町エリアにあるカレー店は400軒にも及ぶといわれています。
2019年にオープンした『三燈舎』は、そんなカレー激戦区でも珍しい南インドのミールス(カレー定食)が味わえるお店。オープン後、程なくして話題になり、今では営業時間前に待機列ができるほど! カレー好きなら一度は食べておきたい、本場の味を堪能してきました。
南インド・ケララ州の家庭の味が、神保町で味わえる
インテリアの1つ1つがおしゃれな店内。天井から吊るされているのはミールスのお弁当箱
『三燈舎』は日本ではまだ珍しい南インド・ケララ州の家庭料理が味わえると、カレー好きの日本人や、日本に住むインド人の間で話題を集めています。
店名は、マラヤーラム語で“幸せ”という意味の“Santosham”が由来。「お店で働くスタッフも、カレーを求めてやってくる人も、みんなが幸せになれるお店になるように」という想いが込められているそうです。
ケララ州出身のシェフ、トーマスさん
シェフのトーマスさんは、チェンナイの5つ星ホテルで経験を積んだのち来日。長年、八重洲の人気カレー店『ダバインディア』で腕を振るっていました。オーナーの堀さんも、ダバインディアの系列店『カイバル』で6年間サービスを務めた、いわば南インド料理のベテランコンビ。「ケララ州の家庭の味を提供したい」という想いから独立し、三燈舎オープンに至ったといいます。
ミールスは大胆にかき混ぜて食べるべし!
チキンカレー、魚カレー、トーレン、ラーサム、サンバル、バスマティライス、バトウーラ、パパド、マサラワダがセットになった「SANTOSHAM MEALS」1850円
日本ではインド料理というとカレーをつけて食べるナンが主流ですが、インドではナンを日常的に食べている家庭は少ないそう。とくに、ケララ州をはじめとする南インドは、米食文化の地域。油分が少なく水分の多いシャバシャバしたカレーを、お米と混ぜて食べるのが南インド流です。
スパイスの効いたチキンカレーは、体の芯から熱くなるような辛さ!
バナナの葉の上に乗せられたライスと、ライスを囲むように配置されたカトリ(小皿)。「いったいどうやって食べるのが正解?」と戸惑っていると、「カレーをまずライスにかけて、サンバル(ツールダルのポタージュ)やラッサム(トマトスープとタマリンドの酸味のあるソース)を混ぜたり、トーレン(野菜のスパイス炒め)を乗せたりして、混ぜながら食べてみてください」と堀さん。「決まったルールはないので、お好きなように食べてね。本場のように、手で食べるのもアリですよ」
ライスの上にカレーとラッサム、サンバル、トーレンも大胆にかけていただきます
ミールスで提供されているライスは、香り高く粘り気の少ない「バスマティライス」。パラパラとした食感が、水気の多い南インド流のカレーと相性抜群です。思わずライスが進んでしまいますが、バスマティライスとサンバル・ラッサムはおかわり自由といううれしいサービスも。
もちろん、カレーはライスだけでなく、バトゥーラ(揚げパン)をつけて食べても絶品。とくに、ココナッツ仕立ての魚カレー(この日はサバ)のマイルドな口当たりと、バトゥーラのほどよい塩気はたまらない組み合わせです。
カレーのあとは、世界一甘いデザートをどうぞ!
「グラブ・ジャムン」300円
最後はデザートに、雑味の少ないまろやかなチャイと、“世界一甘いお菓子”ともいわれる「グラブ・ジャムン」(ドーナツのシロップ漬け)をいただきます。カルダモン入りのシロップでヒタヒタになったあたたかいドーナツは、たしかに強烈に甘いけれど、どこかほっとする懐かしい味。辛いカレーを食べたあとは、本場で愛される甘〜いデザートもぜひ、堪能してみてください!
(取材・文◎藤間紗花)
●SHOP INFO

店名:三燈舎(SANTOSHAM)
住:東京都千代田区神田小川町3-2 古室ビル2階
TEL:050-3697-2547
営:11:00〜15:30(LO 15:00)、17:30〜22:00(LO 21:00)
休:月曜