来年65歳で、もらえる老齢年金は月20万円程度。フルタイムで働き続ける妻の扶養家族になることはできますか?

2024年2月17日(土)6時10分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は編集部が設定した税金のケーススタディに専門家が回答します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は編集部が設定した税金のケーススタディに専門家が回答します。

Q:65歳以降、もらえる老齢年金が月20万円の場合、フルタイムで働く妻の扶養に入れますか?

●今回は編集部が設定した以下のケーススタディに専門家が回答します。
「来年65歳で定年退職する。もらえる老齢年金は月20万円程度の予定。フルタイムで働く妻の扶養に入ることは可能なのか? 個人年金保険なども積み立てている」

A:老齢年金が年間240万円(月20万円)だと健康保険では妻の扶養に入ることはできないでしょう。ただ妻が配偶者特別控除を受けられる可能性はあります

このケースでは65歳で定年退職後、フルタイムで働く妻の扶養に入りたいとのことですが、扶養には健康保険の扶養と所得税の扶養があり、条件が異なっています。
まず健康保険では、妻の扶養に入ることはできないでしょう。健康保険の被保険者が60歳以上の配偶者を自身の入っている健康保険の扶養に入れるには、「配偶者の年収見込みが180万円未満である」という条件があるからです。このケースでは収入が老齢年金だけで月20万円だとすると、年収としては240万円となってしまいますので、妻の健康保険の扶養には入れないことになります。
妻の所得税の扶養に入れるかどうかですが、年金収入から公的年金等控除額を差し引くと雑所得で130万円となります。所得税で妻の給与所得の配偶者控除の適用は、所得48万円以下となりますので対象にはなりません。
個人年金保険の受け取り状況によりますが、合計所得金額が48万円を超え133万円以下であれば配偶者特別控除の対象になる可能性はあります。
妻が年末調整か確定申告で夫の所得を申告すれば、妻が配偶者特別控除を受けられる可能性はありますので、妻の職場の担当部署に確認してみたほうがいいでしょう。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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