森喜朗発言からわかる「日本の不寛容さ」安易なバッシング、最上もがや安藤美姫も…

2021年2月21日(日)7時0分 tocana



 元でんぱ組.incでタレントの最上もがが昨年11月12日、自身のブログで第1子の妊娠を発表した。相手については明かさず、結婚の予定もないという。いわゆる未婚の母である。2月2日のブログでは、出産予定日を公表しないことを明かした。


 発表当時、最上の不倫などを疑う声が続出していたが。これを受けて最上は、昨年11月12日のツイッターで「不倫したことないですし、これからすることもないです。そういう性格です」と明言。「家族や友人たちに相談しつつ、たくさんの協力を受けながら過ごしております」と説明していた。


 昨今では、森喜朗氏の発言によるオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の辞任などもあり、ジェンダーに関する考え方はここ数年で大きく変化している。


 歌手の華原朋美は昨年8月30日、外資系企業勤務の一般男性との間に第1子出産を発表したが、結婚の予定はないという。同年12月3日の自身のYouTubeチャンネルでは「結婚願望も何度かあったんですけど、いつからか、結婚はしたくない、と思っていて」と告白。「ケンカもしますし、(恋愛関係が長く)続いたことがないので、結婚は私には向いてない、と思ってます」と笑顔を浮かべながら話していた。


 歌手の浜崎あゆみも昨年1月2日に会員制ファンクラブサイトで第1子を出産したことを報告した。浜崎は19年11月に出産していたが、同年5月から8月には全国ツアーを実施。出産から約1か月後のカウントダウンライブで復帰している。浜崎も結婚の予定はないという。


 フィギュアスケートの元世界女王の安藤美姫は13年7月1日、報道番組「報道ステーション」(テレビ朝日系)のインタビューで第一子の出産を報告。相手は明かさず未婚の母として生きていくことも明かしていた。同年、フィギュアスケーターとして第一線から退くことも表明した。


 00年には歌手の山下久美子が結婚をせずに双子を出産している。父親は久しぶりに再会した独身の知人。自著「妹たちへ」(日本経済新聞社)によると、結婚しなかった理由は、「別の尊い絆で結ばれているように思える」からとしている


 華原や浜崎、山下は公表の仕方が上手(?)だったのか、批判はあまり見られなかった。しかし、最上や安藤に関しては、SNSに「未婚での出産は有名人としてモラルに反する」「父親がいないのは子どもがかわいそう」など批判的な書き込みが多数あった。



 他人の生き方に対して、よくもまあズケズケと批判ができるものである。この不寛容で一方的な批判は森氏の「女性がたくさん入っている会議は時間かかる」発言におけるマスコミ、ネット上での反応にも通ずるものがあるような気がする。森氏の発言の是非はここでは問わない。ただ、その批判は全文を読んだうえでの批判なのか。“未婚の母”となった経緯、環境を知った上での批判なのかは疑問が残る。


 最上は「家族や友人たちに相談しつつ、たくさんの協力を受けながら過ごしております」と話していたが、そのもう一つ外側、市井の人々がいかに寛容になるか、多様性を尊重できるかにもかかっているのではないか。森氏の発言をすぐさま是非を問う前に一度、飲み込むことも多様性の尊重なのではないかと思う。

tocana

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