「ウルトラマンになりたい」10歳の我が子、親はどう受け止める?
2018年3月5日(月)9時45分 リセマム
自己肯定感を高めるような声かけが必須
幼い子どもは、全知全能感に支配されています。そのため、
「僕は将来、ウルトラマンになる」
などということを、結構本気で言うことがあります。でも、そこで呆れないでください。それがむしろ当然なのです。
そういった全知全能感や自己肯定感が最も下がるのが10歳前後です。つまり、第2反抗期が始まる時期ですね(一般的には「10歳の壁」と言われますが、それには多少個人差があって12歳、あるいは13歳で訪れる子どももいます)。
将来はウルトラマンになりたいと言っていたのに、そんなことは夢物語だと感じるようになるわけです。
同時に、自分よりずっとできる人間が周囲にたくさんいることもわかってきます。
「もしかしたらお母さんは、自分のことを本当は愛してくれてないんじゃないか」
「自分は拾われてきた子なんじゃないか」
などと勝手に思い込むのも、この頃の特徴です。そういった自信を喪失しがちな時期だからこそ、お母さんは、「あなたはできる子だから」や「かけがえのない大切な子よ」といった、子どもが自己肯定感を高めることができるような声かけをしていく必要があります。それを通じて子どもは、
「このうちの子でよかった」
「この町に生まれてよかった」
と感じ、それがやがては
「日本に生まれてよかった」
という想いに育っていきます。
ところで、自己肯定感や全知全能感が下がることは、マイナス面ばかりではありません。それは、幼い全知全能感から、他者の認知や相対的な自己の認知ができるようになった証拠です。順調に成長していると安心してください。
また、10歳というのは、同時に抽象的な思考ができるようになりはじめる時期でもあります。
ですから、この時期に「考える癖」を身につけることはとても大切です。考える癖がつくと、勉強のなかに深みをつくっていくことができ、このことはゆくゆく、理系脳を育むためにも有効です。
そのためには、小学校の勉強だけではなかなか不十分ですから、少し難しいことにチャレンジしてほしいのです。
その意味でも、受験勉強は一つの選択肢としてあってもいいと思います。受験しない子どもも、1冊の薄い受験問題集や名作文学など、少し背伸びをした勉強に挑戦させてください。
御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方(西村 則康 著/アスコム)より「最強頭脳のベースをつくる23の法則」