67歳、貯金1100万円。一人暮らしで月10万円で暮らすのを目標としています

2024年3月10日(日)22時20分 All About

年金をもらいながら働く67歳の会社員の方。一人暮らしなので心配なことがあるとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

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趣味に年間40万円を使います。投資はやってみたいけど怖いです

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。
今回のご相談者は、年金をもらいながら働く67歳の会社員の方。一人暮らしなので心配なことがあるとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

魚座さん
女性/会社員/67歳
東北/借家

家族構成

一人暮らし

相談内容

給料以外に年金をもらっています。年金額は少ないです。介護保険料は年金から差し引かれています。月10万円で暮らすのを目標としています。
70代になっても働けるだけ働こうと思っていますが、どうなるかわかりません。投資は怖くてやっていません。趣味に年間40万円ほど使うことがあります。今後、気を付けることはなんでしょうか。それを知りたいです。

家計収支データ

魚座さんの家計収支データは図表のとおりです。

家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い道
旅費20万円、レジャー10万円、交際費5万円、服飾費5万円。
(2)働き方について
定年はありません。頭がしっかりして身体が動く限り、働こうと思えば勤めることは可能です。退職金は100万円ぐらいだと思います。
(3)趣味について
あるアーティストの熱心なファンなのでライブ代、旅費交通費、グッズなどの購入費です。
(4)今後の生活について
一人暮らしなので、入院の必要がある時の保証人がいないのが一番の気がかりです。もっと深刻なことは孤独死の恐れがあることですが、こればかりは何とも防ぎようがありません。
それと資産の増やし方を模索しています。投資は怖いけどやってみたい気持ちもあります。ただし、勉強が必要ですね。
楽しみは、アーティストを応援する仲間との交流、その他古くからの友人との交流です。
(5)ご家族について
姉と兄がいますが、離れて暮らしています。関係は良好ですが、二人とも高齢です。姉と兄とはつかず離れずの関係だと思います。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:現状維持でまったく問題なし。元気でいることが大事
アドバイス2:地域や職場、仲間など相談しやすいところに頼っていい
アドバイス3:無理に投資はせず、趣味を大いに楽しんで

アドバイス1:現状維持でまったく問題なし。元気でいることが大事

家計に無駄がないだけではなく貯蓄をしっかりなさっていて、このままの生活であれば、まったく問題はありません。
現在、年間210万円も貯蓄ができており、趣味に40万円使っても170万円です。70歳までの3年間で約500万円貯めることができます。今ある1100万円と退職金100万円を合わせると、70歳時点で1700万円です。
70歳以降の収入が年金のみとなった場合、毎月の支出が10万円のままであれば、不足額は2万5000円、年間30万円です。これに趣味の40万円を加えて70万円を貯蓄から取り崩していくことになります。大きな出費がなければ、貯蓄は24年持たせることができます。
現状のままであれば、何の問題もないといっていいでしょう。それでも不安が残るようでしたら、70歳以降も元気なうちは、生活費の補てん程度の働き方ができれば十分です。職場での関係も良好のようですから、特に定年が決まっていないようでしたら、健康維持のためにも、ストレスなく働くのもいいでしょう。

アドバイス2:地域や職場、仲間など相談しやすいところに頼っていい

一番の心配事は、入院が必要になった時とのこと。一人暮らしで頼れる親族がいない場合は、みなさん同じような不安を抱えていますが、あまり心配なさらなくていいと思います。自治体には社会福祉協議会があり、さまざまな相談に乗ってくれる仕組みがあります。地域の民生委員にも状況をお話ししておかれてもいいかもしれません。
また、介護などが必要になった場合は、地域包括支援センターが、介護、医療、保健、福祉など高齢者を支えるサービスの窓口となって、さまざまな申請の相談に応じてくれます。今は元気で特に相談することはないかもしれませんが、いざという時に、どんなことをしてもらえるのか聞いておかれると安心ではないでしょうか。
ご相談者は、趣味の仲間も、古くからのご友人もいらっしゃいますし、職場とも良好な関係のようですから、一人で不安に思われていることをお話ししてもいいのではないでしょうか? 相談しやすいところに頼っていいと思いますよ。
弁護士や司法書士に、万一の時のことを依頼することもできますが、相応のコストがかかります。いずれにしても元気なうちに、最終的にどのようにしたいかを整理しておきましょう。選択肢はいろいろありますから、公的なサービスを利用しつつ、希望をまとめておかれることをオススメします。

アドバイス3:無理に投資はせず、趣味を大いに楽しんで

最後に、投資ですが、興味を持たれることは大変よいことだと思います。勉強しながら始めるのもいいですが、何よりも楽しんで投資できるかが大切です。
資産としては、冒頭で説明したとおり、特に問題はないため、投資で資産を増やす必要はありません。どんな投資であってもリスクはあります。価格が変動して資産が目減りしても耐えられるのか、ストレスを抱えることなく続けられるのか、もう一度考えてみてください。
それよりも、今の趣味をおおいに楽しんでください。それが健康でいるために一番必要なことだと思います。好きなアーティストがいて応援でき、その仲間と交流できるなんてステキなことです。どうぞ、このまま元気でお過ごしくださいね。

相談者「魚座」さんから寄せられた感想

とても安心しました。気分がすっきりしてうれしいです。不安に思っていることに返答をいただき感謝しています。先生のおっしゃる通り、地域や友人知人に頼ること、本当にそうですね。自治体の援助や体制のことも調べておこうと思いました。ありがとうございました。今後も体調に注意しながら、働いて暮らしていこうと思います。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。
取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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