若者から注目集まる温泉街・岐阜「下呂温泉」! "カエルと映えグルメ"だらけの異世界が楽しすぎ

2024年3月16日(土)11時10分 マイナビニュース


日本三名泉の一つとして知られる、岐阜県「下呂温泉(げろおんせん)」。1000年以上もの歴史を誇るこの温泉地に、ある異変が起きているのを知っていますか!?
かつては中高年の姿が目立っていた「下呂温泉」ですが、近年若い世代の観光客が殺到中。そう言えば、筆者が下呂温泉に足を運んだのは、もう7年も前のこと……。その当時と比べて、今はどうなっているのだろう?
ということで、今回は"イマドキの温泉街"として支持される下呂温泉へ、1泊2日で行ってきました!
■温泉街がSNS映えを全力サポート
「下呂温泉」があるJR下呂駅へは、名古屋駅から特急「ひだ」で約1時間半。緑豊かな飛騨の山々や清らかな飛騨川を眺めながら、温泉街へ向かいます。
いつもよりおだやかな時間の流れを感じるのは、今も昔も同じ。でも、明らかに違うのは、すっかり若返った客層です。この日も温泉街は若い世代の観光客であふれかえっていました。
温泉街を歩いていて驚いたのが、「撮った写真は、どんどんSNSにアップしてね」というホスピタリティ精神がちりばめられていたこと。例えば、誰もが写真を撮りたくなる温泉街の中心地「白鷺橋」に、自撮り用のセルフィースタンドが設置されていました。かゆいところに手が届く、楽しい空間づくりに余念がありません。
そして、2022年4月に下呂市観光交流センター「湯めぐり館」がオープン。情報収集からランチスポット選び、おみやげ探しまで、まちなか観光の拠点として活用できます。
また「湯めぐり館」前の広場には、観光客が自由にコメントを残せる大きな黒板が置かれています。のぞいてみるとこれがまた面白い!
「俺参上」「次こそ恋人と……」「給料上下呂」など、思わずクスッと笑ってしまったり、何をいっているんですか的な内容だったり、突っ込みどころ満載。
「湯めぐり館」でゲットしておくと便利なのが「湯めぐり手形」です。これ一つで、対象旅館や日帰り温泉施設に3軒まで入浴できて、1,300円とリーズナブル。有効期限が半年と長いのもうれしいポイントです。※2024年4月1日より1枚1,500円
■2023年登場のSNS映え展望台
続いて向かったのは、2023年4月に誕生した「ふれあい広場」。ここで「映えて楽しい」と話題になっているのが、不思議な形の展望台。これ、何か分かりますか? ヒントは温泉で使うもの。
答えは、そう。風呂おけです。ここで写真を撮れば、温泉街らしい映える写真が撮れますよ。
■観光客に大人気の街ブラを満喫
展望台で写真を撮ったら、次はいよいよ食べ歩きへレッツゴー。今回は、新旧交えて、食べ歩きを楽しみます。
まず向かったのは、老若男女に人気の「湯島庵(ゆしまあん)」。こちらは老舗精肉店が営むテイクアウト専門店です。A5等級の飛騨牛をまるごと一頭買う精肉店直営とあれば、絶対おいしいはず……! がぜん期待が高まります。
注文したのは、一番人気の「珠玉の三種盛り」。お皿代わりのえびせんべいの上に、飛騨牛霜降りにぎり、飛騨牛赤身にぎり、飛騨納豆喰豚(ひだなっとくとん)にぎりがのっています。憧れの飛騨牛と、知る人ぞ知る飛騨のブランド豚を一度に楽しめるとは、なんて贅沢なの!!!!
飛騨牛の霜降りは、舌の上でとろける至極の味わい。そして赤身は肉の濃いうまみがたっぷり。飛騨納豆喰豚は脂が上品かつ甘みたっぷりなのに、全然しつこくない。「飛騨に、こんなおいしい豚があったなんて!」と目からウロコです。
実は今、スイーツの聖地となりつつある「下呂温泉」。中でも、「ゆあみ屋」は、カラフルな風呂おけのオブジェがかわいい!と話題のお店です。この風呂おけを背景に写真を撮るのが、インスタでよく見かけるシーン。
「ゆあみ屋」の名物は、湯煎されてほかほかになった「ほんわかプリン」。プリンって、冷やして食べるイメージだけど、温めてもおいしいんです! 温められたプリンは、とろ〜り、なめらか。特に冬場は、ハフハフしながらホットプリンを食べると幸せ倍増です。
「ほんわかプリン」のほかにも、プリンの上にソフトクリームをのせた「げろぷりんソフト」や温泉卵をトッピングした「温玉ソフト」など、スイーツのバリエーション豊か。いろんな選択肢の中から、選ぶ楽しさがあります。
2024年2月から姉妹店『湯めかし堂』がオープン。温泉をテーマにしたコスメが大充実です。たくさんの商品の中から、筆者が注目する"推しアイテム"はこの3つ。
・「サボン(サクラ)」(1,540円)
ぷるぷるとしたゼリー状石けん。今までにない、ぷるぷるのとりこになります。保湿力が高く、洗い上がりの肌はしっとり。
・「御守りバスボム‐カエルの形のバスボム」(800円)
炭酸浴で血行促進! 疲労物質・老廃物を体の外に排出し、代謝アップが期待されます。「定時で帰れる御守」パッケージもユニーク。残業まみれの人は、これをそっと上司に渡してみると良いかも。
・「足用アロマシート‐貼る、足湯‐」(500円)
岐阜県伝統の美濃和紙に、天然植物成分を塗りのばした足用アロマシート。原材料に飛騨産エゴマオイル、ミツロウ、美濃和紙を使った本格派。4種類の香りから選べるのもうれしいポイント。
街歩きのお楽しみは、ほかにもたくさん。下呂温泉は、カエルの鳴き声「ゲロゲロ〜」にちなみ、カエルキャラをいたるところで見ることができます。
例えば、道にカエルの絵が描かれていたり、マンホールのイラストがカエルだったり……。隠れミッキーならぬ、隠れカエル探しで盛り上がれるのも、下呂温泉ならでは。
次に行ったのは、2020年3月オープンの「ゲロ ゲロ バター スタンド」。とにかく、ここはどこを見渡してもかわいい。写真を撮る手が止まらなくなるほど、映えに死角なしです。
バターサンドのお店だけど、筆者の推しは焼きおにぎり。こんがり焼けた焼きおにぎりの上には、モ〜、バターがたっぷり(笑)。背徳感という名のスパイスが、食欲を最大限に高めてくれます。
■温泉街の定番がレトロポップな映えスポットに
おなかが満たされたところで、温泉街の定番・射的を楽しむため「下呂観光倶楽部 テルマエ射的」へ向かいます。こちらのお店は、2023年9月にオープンしたばかりの注目スポット。
しかも、射的の景品が豪華。1等はなんと「飛騨牛焼肉orすき焼きセット」や「下呂プリン12個セット」など。うん、これは絶対やるしかないですよね。
料金は、1ゲーム500円。ガチャガチャに500円を入れると、コルク製のタマが出てきます。タマの数も、運次第(8〜10個入っています)。おもちゃの銃にタマを入れたら、ハンターのまなざしでターゲットを狙います。
普通、ターゲットにタマが当たれば、バコッ!と落ちますが、タマがコルク製だけに当たってもなかなか落ちません(笑)。簡単そうに見えて難しいけど、目標をクリアしたときの達成感はひとしお。筆者も何度かトライして、無事ターゲットを撃破しました!

■館内の湯めぐりが楽しい老舗旅館へ
ひとしきり遊んだら、今夜のお宿にチェックイン。お宿は下呂駅からも近い、温泉街の中心地にある好立地の「下呂温泉 小川屋」です。
宿の創業は1949年。老舗旅館ながらも改装を繰り返し、進化し続けているのが面白い!
今回泊まったのは、2016年オープンの「別館ゆらぎ」の洋室タイプ。飛騨川沿いにバルコニーがあり、窓を開ければ飛騨川からのマイナスイオンを体いっぱい浴びることができます。
ひと息ついたら、楽しみにしていた温泉へ。すごいのは、館内に趣の異なる3つの大浴場があること。泊まればそのすべてを楽しめる温泉ユートピアです。
中でも「白鷺(しらさぎ)の湯」は、2022年5月にリニューアルオープンしたばかり。『毎日飛騨川の河原に舞い降りる一羽の白鷺の存在を不思議に思った村人がその場へ行ってみると、温泉が湧いていた』とされる下呂温泉開湯の由来『白鷺伝説』にデザインの着想を得ており、白鷺をモチーフとしたデザインがいたるところにちりばめられています。
ワクワクしながら浴場へ。「白鷺の湯」は約100畳の広さを誇る、畳敷きの内風呂が圧巻。格子の間からはやわらかな光が差し込み、ため息の出る美しさです。
畳敷きだと真冬でも足元がじんわりあったか。すべる心配もありません。
内風呂から続く階段を下りると、露天風呂の「白妙の湯」へつながります。
下呂温泉の泉質は、ph9.18のアルカリ性単純温泉。源泉は集中管理されており各施設へ分配されるため、泉質はどこも同じ……ですが「白妙の湯」は、ひと味違います!
『シルキーバス』が採用されており、空気を圧縮させた超微細な泡を温泉に混ぜることでお風呂全体が白濁、肌触りがやわらかくなり、まるでシルクのようなお湯に……。温浴効果が倍増するだけでなく、気泡のパワーでお湯はやわらか。お肌がしっとり潤います。
ほかにも、「汕(さん)」は日帰り利用NGのプレミアム感が味わえる下呂温泉エリア唯一の温泉スパ。まるで近代的なミュージアムに来ているような、かっこよさがあります。
畳敷きの大浴場は一つかと思いきや、なんともうひとつあるんです。「薬師の湯」は浴槽の一部がヒノキ風呂になっていて、畳×ヒノキが織りなす"日本らしい癒やし"を楽しめます。
「白鷺の湯」同様、内風呂から続く階段を下りると、露天風呂「河鹿(かじか)の湯」にたどり着きます。ここはヒノキ風呂や岩風呂から見渡せる開放感が最高。
■別館ゆらぎ7つの貸切風呂で下呂温泉を独り占め
さらに別館には、選べる貸切風呂が7つもあります。貸切風呂はすべて源泉かけ流し。下呂温泉を贅沢にも独り占めできます。
カップルに人気なのは、畳敷きの「霞(かすみ)」と丸い樽(たる)風呂の「瑠璃(るり)」。デートで使いたい人は、参考にしてくださいね。
ちなみに本館にも「硯(すずり)」「絣(かすり)」の2種類の貸切風呂があり(1グループ45分の利用で3,300円)、貸切風呂の数は下呂温泉エリア最多の計9種類! 3箇所の大浴場と併せて館内で湯巡りができちゃいます。
■夕食は甘くとろける飛騨牛が楽しめる会席料理
今回夕食は個室の食事処で(宿泊プランや人数に応じてレストラン会場、広間、宴会場の用意があります)。A4等級以上の飛騨牛を使用したすきしゃぶをメイン料理に据えた「飛騨牛すきしゃぶ会席」をいただきます。すきしゃぶとは、すき焼きとしゃぶしゃぶの良いとこどり。肉好き垂涎の逸品です。
甘辛い出汁に、飛騨牛をしゃぶしゃぶしていただくのですが、これがうまいのなんの! お肉が、スルスル……とおなかに入っていき、無限に食べられそう。
今回はプラン特典で「飛騨牛石焼」が追加されており、飛騨牛をステーキでも楽しめることに。こちらは石の遠赤外線の効果で、ジューシーな肉汁がギュッと凝縮……。口に入れた瞬間、ジュワ〜とあふれ出る肉のうまみがたまりません!
■幻想的な下呂温泉の夜さんぽ
昼はにぎやかな温泉街も、夜になると静かな雰囲気に。せせらぎの小径周辺がライトアップされていると聞き、夜さんぽにやってきました。
チャップリン像も、夜になると幻想的な映えスポットに一変。横に座れば、フォトジェニックな写真が撮れますよ!
夜さんぽで、ひときわ幻想的だったのがここ。430円というリーズナブルな料金で楽しめる、大正15年創業の共同浴場「白鷺乃湯」。まるで海外に来たような、レトロモダンな洋館風の建物がすてきです。
浴室はヒノキの湯船が一つ。大きな窓の外から、下呂の街並みを見渡すこともできます。
ざぶんと湯につかれば、あまりの心地よさに「ふぅぅぅ〜」と思わず心の声が。体感的にやや熱めだけど、慣れてくるとこの熱さが気持ちいい!

■種類豊富でおいしいと評判の朝食ビュッフェ
宿に戻り、ぐっすり眠った翌朝。お楽しみの朝食タイムです! 朝ごはんは、景色の良い「食事処 季咲亭」で。飛騨川を眺めながら、優雅なひとときを過ごせます。
ビュッフェ台には、旅館ならではの和洋織り交ぜた豊富なお料理がずらり。目玉料理は朴葉(ほおば)味噌、鶏ちゃん、飛騨牛カレー、飛騨牛乳プリン……など、地元食材を使用した郷土料理の数々。特においしかったのは、飛騨牛カレーです。このカレー、朝にうれしいサラサラ食感でご飯が進む進む。蒸し野菜や揚げ物などをトッピングして何度も楽しみました。
■カエル様のお告げを聞く
チェックアウト後、まず向かったのは、宿から歩いてすぐの「加恵瑠(かえる)神社」。読んで字のごとく、境内にはカエルがいっぱい。
さらに、おさい銭を入れると、「あなたの欲しい物が手に入るでしょう」とカエル様からのお告げが! ちょっぴりハッピーな気持ちになれます。
■下呂温泉合掌村で「さるぼぼ作り」体験
日本昔話の世界にタイムスリップできる「下呂温泉合掌村」。かやぶき屋根の合掌造りといえば「白川郷」が有名だけど、ここ下呂にもあるんです。
敷地内には、白川郷や五箇山から移築した10棟の合掌造り家屋が点在。ノスタルジックな街並みを眺めて楽しむだけでなく、合掌造り家屋の中で、いろんな体験ができます。
今回体験したのは、飛騨地方の有名な御守「さるぼぼ作り」。飛騨に来て知りましたが、さるぼぼって赤色だけじゃないんです。実は、健康運は緑色、金運は黄色、恋愛運はピンク色など、それぞれさるぼぼの色に意味が込められています。
「どれにしようかな〜」と頭を悩ませ選んだのは、黄色のさるぼぼ。物価高で家計も苦しい今のご時世。ここは神頼みならぬ、さるぼぼ頼みです。
さるぼぼをチョイスしたら、体験はとっても簡単。腹当て用の布に好きな言葉を書き、さるぼぼのおなかにのり付したちゃんちゃんこを着せたら、世界で一つだけの"マイさるぼぼ"が完成です。
体験時間は約20分。こういう気軽にできる体験って、うれしいですよね!
■下呂名物「飛騨牛トマト丼」を昼食に
ランチスポットは、岐阜の郷土料理を気軽の楽しめる「宴蔵(えんぞう)」。こちらは、自家栽培のバラ風呂で有名な旅館「木曽屋」が営むお食事処です。
数ある郷土料理の中から選んだのは、下呂名物「飛騨牛トマト丼」。飛騨産のフレッシュなトマトと飛騨牛の相性が抜群です。イタリアンな味わいで、さっぱりおいしく食べられます。
飛騨牛以外に、飛騨のブランド豚を使った「飛騨なっとくトマト丼」(1,430円)もあるので、カップルや友達同士で食べ比べてみるのも良いかも。
■並んでも買いたい下呂プリン
最後に向かったのは、下呂温泉のおみやげリクエスト率No.1の「下呂プリン」。さすが、超人気店! たくさんの観光客が次々と、吸い寄せられるようにお店に入っていきます。
みんなのお目当ては、瓶に入ったキュートなプリン。ショーケースには、定番から季節限定のものまで、バリエーション豊かな魅惑のプリンがいっぱい。「えっ、これってどんな味なんだろう……」というワクワクが止まりません。
しかもこのプリン、かわいいだけじゃありません。プリンは、ショップに併設された工房で、ひとつひとつ、丁寧に手作りで仕上げられています。材料にもこだわりマダガスカル産の高級バニラビーンズや厳選した卵、下呂牛乳を使うなど味もかなりの本格派。
食べてみると、普段食べ慣れてるプリンとは、ひと味もふた味も違う。プレミアム感たっぷりだから、自分用へのご褒美にも買いたくなります。
どこか温泉でリフレッシュしたい方は、ぜひSNS映えの宝庫「下呂温泉」へ。一度訪れれば確実にファンになるはず。だってガチで楽しいところですから!
安藤美紀 あんどうみき 猫好きのフリーライター。2012年より独立し、全国津々浦々、旅をしながら見過ごすのはもったいない+αのワクワクするような旅情報を発信してます。これまで書いた記事の数は、700本以上。温泉ソムリエマスター、健康入浴指導士でもあります。温泉、ドライブ旅、グルメ、ディズニー系が得意。 この著者の記事一覧はこちら

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