三井住友カードがMaaSプラットフォームを稼働、総合交通アプリ「Pass Case」も提供開始 - 江ノ電全線の1日乗り放題券からスタート
2025年3月17日(月)13時28分 マイナビニュース
三井住友カードは3月13日、クレジットカード等のタッチ決済による公共交通機関向けソリューション「stera transit」の基盤を展開したMaaSプラットフォームの稼働を開始することを発表した。また、同プラットフォームを活用したサービスとして、総合交通アプリ「Pass Case」の提供を開始した。
○stera transitの概要
同社は2020年7月よりstera transitを展開し、交通システムの利便性向上に取り組んでいる。stera transitは、今年度、全国39都道府県、180の事業者で導入が予定されており、全国各地の交通機関をシームレスに利用できる環境を整えている。
stera transitは、国際ブランドカードの非接触決済機能を活用し、日本中の交通事業者が統一されたクラウドシステムに接続することで、交通乗車を可能にする。
今般、stera transitの基盤を応用し、"事業者や地域を跨る新たな移動サービス"、"移動ニーズの変化に対応した柔軟な乗車サービス"の提供を可能とする、これまでにない全く新しいMaaSプラットフォームを構築した。このプラットフォームを通して、定期サービスや住民割引、回数割引、企画乗車券等の機能を提供し、stera transitでの新たな交通の使い方や、移動の創出を実現する。
○stera transit MaaS プラットフォームが生み出す新たな価値
総合交通アプリPass Caseと、交通事業者のアプリ等に機能提供を行うことにより、利用者が使いやすい形、事業者が導入しやすい形で、地域や事業者の枠にとらわれない、全国共通のインフラ化を目指す。
○1.社会課題の解決
アプリ等での操作と端末でのタッチ決済のみで完結するため、駅構内での乗車券販売手続きや、券売機や運賃箱への現金補充業務などを削減できるなど、交通事業者の「DX化」に貢献する。また、交通事業者だけでなく、すべての地域・事業者のデータを活用することができ、様々な課題の解決に貢献する。
さらに、「日本中の交通事業者と移動にかかわる周辺地域における観光などの消費」を結びつけることができるため、特定の地域に留まらない新たな移動と新たな消費行動を創出することで、地域経済に貢献する。
○2.利用者の利便性向上
Pass Caseや交通事業者等のアプリをプラットフォーム上でつなぎ、交通事業者が提供する各種サービスをアプリ上で決済することができるようになる。決済に使用したクレジットカードやまたは同カードを設定したスマートフォン等(実装予定)で、そのまま複数の交通機関の乗降や施設への入場することができるようになるため、stera transitを導入された事業者はバーコードや紙のチケットを用意する必要がなく、利用者は1枚のカードで決済も、移動も、観光も完結できるようになる。
また、利用者のライフスタイルやニーズに合わせて乗車サービスを選択することができるようになる。回数券や期間指定の定期券はもちろん、住民割引や昼間利用限定での割引等で、多様化する生活様式にも対応していく。今後、交通利用と消費行動を掛け合わせたデータ分析により、利用者の属性に合わせた乗車サービスのを予定している。
○Pass Caseについて
Pass Caseには、パスケース(定期入れ)としてPassを格納して移動できる、さまざまな移動の「ケース」でも対応(パスする)といった意味が込められている。
対象カードはVisaブランドのクレジットカード・デビットカード・プリペイドカード(タッチ決済非対応のカードは対象外)。今後ブランドは順次拡大予定だという。
○江ノ島電鉄との取り組み
Pass Caseで取り扱う販売チケット第1弾として、江ノ島電鉄が販売している『江ノ電1日乗車券 「のりおりくん」』の取り扱いから開始する。江ノ電全線が乗り放題となる1日券で、提携店舗や施設で提示することで割引等のサービスを受けることができる。価格は大人1枚800円。