「母について歩いていくと、辿り着いたのは車が1台も通らない場所。タクシーを探してたはずなのに...」(愛知県・50代男性)

2022年3月18日(金)11時0分 Jタウンネット

土地勘のない場所を歩いていて迷ってしまう、ということはしばしばある。

愛知県在住のJタウンネット読者・Tさん(50代男性)も、子供のころに家族と出かけた先で道に迷ってしまった。

小学生の時、田舎に住む祖父のお見舞いをするため、母や親戚と一緒にでかけたTさん。

病院には無事辿りつけたが、帰り道はタクシーが見つからず、乗り継ぎのバス停に向かいながら探すことに。

しかしいくら歩いても、タクシーどころか車すらほとんど通りかからなくて......。

そうこうしているうちに、Tさんたちはどんどん見知らぬ場所に迷い込んでしまったという。

「ねぇ、道間違えてない?」

小学生のころ、母と従兄弟2人と一緒に、4人で祖父のお見舞いに行きました。私たちは離島に住んでいたため、病院までは船と、バス2台を乗り継ぐという行程。子供にとっては半分旅行気分でのお見舞いでした。

そしてお見舞いが終わった後、そろそろ帰ろうとなりました。その時点ではバスの時刻まではまだ時間があり、タクシーで乗り継ぎのバス停まで行くことに。

しかし、母がタクシー会社に電話をしても、その日は休日という事もあり空きがなく、仕方なく歩きながらタクシーを拾うことに。

私たちは祖父のいる病院を出て歩きだしたものの、病院があったのは田舎で、タクシーどころか一般車さえほとんど通りません。

さすがに不安になってきた私と従兄弟が「ねぇ、道間違えてない?」と母に訪ねても

「大丈夫、ほら、この墓地来るとき見たでしょ」

と言って、母はどんどん歩いていってしまいます。その内、私たちはとうとう本当に車1台も通らないような場所まで来てしまいました。

「このまま行ったら夜中に山の中ですよ」

するとそこへ、10分ほど前に私たちのそばを通り過ぎた車が折り返してきました。その車の運転手は窓を開けると

「どちらへ行かれるんですか?」

と私たちに声をかけてきました。母が「○○へ行こうと思ってるんですけど...」と目的地を伝えると、運転手の人は

「道間違えてますよ。このまま行ったら夜中に山の中ですよ」

と教えてくれました。私たちはやはり道を間違えていたらしかったのです。

そこで母が「どこまで戻ったらいいですか?」と道を確認しようとしたら、その運転手が

「いいから乗りなさい」

と言って、私たち4人を車に乗せてくれたのです。

「困った時はお互いさまですから」

車に乗っていたのはご夫婦で、話を伺ったところ、この道を歩いている私たちのことを変に思ってわざわざ折り返してきてくれたそうです。

その後、当初向かう予定だった乗り換えのバス停まで送っていただきました。

おかげで、私たちは無事に島を出る船の最終便に間に合うバスに乗ることができました。

母はご夫婦に何度も頭をさげて「とにかく名前だけでも教えてください」と言いましたが

「困った時はお互いさまですから」

とおっしゃって、名乗ることはありませんでした。

それ以来お礼も言えぬままとなってしまいましたが、あれから50年近くたった今でもあの時の御恩は忘れられません。あの時は本当にありがとうございました。

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