幸福感につながるお金の使い方とは?資産を子どもに残すことが、良いとは限らない

2024年3月17日(日)12時30分 婦人公論.jp

人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

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貯金を数字の羅列にしない


低金利が続く現在、貯蓄をしてもそれほど増えるわけではないので、預金通帳を見ながらため息をつく人もいれば、「もっと頑張ろう」と思う人もいるでしょう。たしかに、それなりのお金があれば生活の不安はなくなりますから、貯蓄に励むのも悪いことではありません。

しかし、いくら預貯金が増えても、使わなければ数字の羅列でしかありません。生活を切り詰めて、せっせと貯蓄に勤しんだ末に亡くなってしまい、莫大な資産が残ったとしたら、どうでしょうか。その人は幸せだったのでしょうか。楽しい人生だったのでしょうか。

もちろん、貯めることが人生最大の楽しみという人もいます。価値観は人それぞれなので、質素を旨とする人生もそれはそれでいいと思います。

でも、あえて言わせていただくなら、私は、「お金は使うもの」ではないかと思っています。自分の楽しみのためにお金を使う、暮らしを快適にするための出費を惜しまないという生き方は、幸福感につながるのではないでしょうか。

葬儀費用だけ残せばいい


いくら貯めても、お金はあの世まで持っていけません。だから、自分のためにお金を使い、人生の幕引きに必要な葬儀費用だけ残せばいいというのも、見事な生き方といえます。

いつの世も、親が残した財産をめぐり、子どもたちの間で相続争いが起こるケースは珍しくありません。もちろん「自分は我慢をしても、子どもたちにお金を残したいと思う」という親心も理解できます。

それでも、西郷隆盛のこの言葉を思い出せば、考えを新たにするかもしれません。

「子孫に美田を残さず」

美田(財産)を残すことは、けっして子孫のためにはならないのです。

ただし、残さないために浪費をしましょう、ということではありません。

「自分のお金」を確保して


ある段階で、自分がこれからの人生を過ごすために必要な額を試算してみてはどうでしょうか。

まず、旅行でも、買い物でも、趣味でも、やりたいことをリストアップしてみてください。そして、葬儀費用も含め、どのくらいのお金が必要かがわかれば、資産額に多少の余裕を上乗せして「自分のお金」として確保します。

そのうえで、まだ余っているお金があれば、子どもたちに均等に分けるのもいいでしょう。お金を活かす使い方として、寄付というかたちも、有望な人材に投資するという方法もあるでしょう。

婦人公論.jp

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