興奮・興味・喜びの感情、学習中の記憶力向上に効果
2020年3月26日(木)14時15分 リセマム
実験では小学4年生〜中学3年生123名を対象に、被験者を「怒り」「興奮」「興味」「喜び」「落着き」「退屈」など14の感情をそれぞれ持っている状態に誘導した後、記憶力テストを実施。記憶力テストの結果を比較し、学習前の感情が記憶力に与える影響を検証した。
その結果、学習前に学習とは無関係の「興奮」「興味」「喜び」の感情を持った場合、記憶力テストの得点が高くなることがわかった。
この効果を活用することで、生徒が興味を持ちやすい雑談やミニゲームなど学習内容とは関係のない手段を用いて、学習前の生徒に「興奮」「興味」「喜び」の感情を持たせることで、学習効率の高い状態を作り出すことができる。
実験結果について、実験を監修した早稲田大学教育学部の上淵寿教授は「感情が学力向上に役立つ可能性が示された教育上の意義は大きい。感情を活用した教育の質向上の取組みに今後も期待したい」とコメントしている。
NTTドコモとすららネットは今後、「音声から感情認識できる技術」によって判定した生徒の感情と、個別最適化eラーニングシステムのノウハウを組み合わせて、生徒の感情に寄り添った学習指導、メンタルフォローを行うことで学力向上をもたらす業界初のサービスを開発していく。
実証実験は2020年度中に学習塾や学校で実施予定。さらに、記憶力だけではなく、学習効率を高めるために重要な「注意力」や「自律性」などと感情の関連性についても今後実証を目指すとしている。両社は、実証実験に協力する学習塾や学校を募集している。