中学受験の学校説明会はやみくもに参加しない。通塾なしで開成に合格した子の保護者が語る判断基準
2025年4月4日(金)8時25分 All About
中学受験の志望校選びでは、学校説明会にやみくもに参加するのはNG。学校の素晴らしい点ばかりが見え、混乱します。どんな学校に通いたいか、判断基準を明確にすることが大切。『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。
しかし、たくさん学校説明会に参加すると、学校ごとの良さが目に入り、どの学校を志望校にすればいいのか混乱してしまうこともあります。
8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさんは、「まずは志望校に関する判断基準を明確にして」と語ります。
中学受験の志望校選びのため、学校説明会に参加する際はどんな判断基準を持つべきか。合わせて、なかなか勉強しない子どもを叱る方法についてオトクサさんなりの考え方を『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。
志望校選びは判断基準を明確に
オトクサ家では、小学5年生の時に開成中学校の説明会に参加しましたが、それ以外は何も参加していません。学校が開催する説明会や文化祭への参加は、各家庭それぞれの判断だと考えています。実際に足を運べば子どものやる気スイッチにつながりますし、保護者の新しい発見にもなるので、まったく否定はしません。実際、オトクサ家の三男は、長男が運動会で出場した「馬上鉢巻取り」に憧れ、開成中学校を受験したいと言っています。
しかし、受験する可能性があるからと闇雲に説明会に参加するのではなく、何を聞くのか、何が判断基準なのかを明確にして参加することが大切です。判断基準を持たないまま漠然と参加すると、どの学校も素晴らしく見えてしまう傾向があります。よく学校の先生や生徒の印象の良し悪しが話題になりますが、それは偶然の要素が大きいと割り切った方がいいでしょう。もちろん学校としての大きな傾向はありますが、どの学校にも子どもに合う・合わない先生や同級生がいるものです。
「雰囲気がいい!」「インスピレーション!」といった感想は、実際に通う子どもが感じ取るならいいのですが、親が感じる「何となくいい」という印象は意味がないと考えています。
わが家の判断基準はとにかく「学校へ通いやすいかどうか」です。通学時間が短いに越したことはありませんが、たとえば乗り換えて5駅なら、乗り換えずに10駅の学校の方が優先度が高くなります。
実際に通う可能性があると考えていた渋谷教育学園渋谷中学校には、平日の通学時間に長男と一緒に行ってみて、通学がつらくないかの確認をしました。
三男は開成中学校の運動会で心を動かされたため、兄と同じ学校を目標にしていますが、今のままでは到底届きません。2年後に心置きなくチャレンジできるように、受験日が2月1日以外で、通いやすい中学校のピックアップをしているところです。
子どもを叱るポイントは?
「子どもが自分から行動を起こすまで根気よく待ちましょう」というアドバイスをよく耳にしますが、オトクサの場合は以下のように区別して対応しました。1.勉強の「内容」については叱らない
・点数や理解度については叱らない・「自分が源」という考え方を意識
・「理解が悪いのは、私の教え方の問題かもしれない」と一旦立ち止まる
点数が悪い、理解が悪い、何度言っても同じことを間違える、イライライライライラ。これすごくわかります。私も怒り狂ったことが何度もありますが、これはグッと堪えないといけないポイントなんでしょう。
会社で受講したある研修で、「自分が源」という言葉を知りました。「問題の本質を把握し、自分が源と考え、他人や周りや自分を責めずに、目的・目標達成のためにできることを考え行動する」。このような考え方です。なるほどな、これは仕事だけでなくプライベート、そして子どもの受験勉強でもそうだなと思いました。
「理解が悪いのは、何度言っても間違えるのは、私の教え方の問題ではないのか」。一度、このワンクッションを意識するだけで、イライラは軽減されるのでぜひ試してみてください。
2.勉強への「態度」については叱る
・時間を守らない、集中しないなどの態度はガンガン叱る・「中学受験生様」にならないよう注意
・親への反抗と勉強しないことは別物と認識
オトクサの場合、勉強への姿勢については、ガンガン叱ります。「すねて勉強しなくなっちゃうから、叱らないようにしている」みたいなご家庭もあるでしょう。長い受験生活を子どもの機嫌に親が振り回される関係のままで乗り切るのは相当困難なので、親への反抗と勉強しないことは違う! と何とか理解させたいですよね。
注目したいのは、「叱る」か「褒める」かは子どもによって効果が異なるということです。
・褒めると怠けるタイプ
・80点で満足してしまうタイプ
・叱られて闘志を燃やすタイプ
・叱られても根に持たないタイプ
こういう子どもの性格では、「叱る勉強」と「褒める勉強」どちらが正しいでしょう?
「褒めて伸ばしましょう」という言葉はよく耳にしますが、必ずしもそうとは言いきれないと考えています。
子どもの性格や親子関係によって、最適な対応は変わってきます。自分の子どもはどうなんだと見極めることが一番大事ですね。
子どもの叱り方にも判断基準を設けて
勉強しない子どもにイライラ。その勢いのまま、子どもを叱ってしまうこともあるものです。けれど、子どもの叱り方にも基準を設けることで、避けることができそうですね。オトクサ プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子を描いたプログ『オトクサのほったらかし受験』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みや、大家族ならではの日常を発信している。
(文:オトクサ)