"トランプショック"で金相場はジェットコースター状態! 今後価格は上がる? 下がる??

2025年4月11日(金)17時30分 マイナビニュース


近年、上昇の一途をたどってきた金相場。だが、その勢いは2025年春、突如としてブレーキがかかったかのように思える。最も大きな要因は、米国トランプ大統領による一連の政策や発言だ。世界経済に大きな影響を与える発言の数々が、金相場にも大きな波をもたらしているらしい。
今回は、全国展開する大手買取専門店「買取大吉」の鑑定士・木村健一さんに、金相場の現状と今後の動きについて見解をうかがった。
○「過去最高値更新」から一転、金相場は大荒れに
——つい先日まで過去最高値を更新し続けていた金相場ですが、ここ数日間の状況について教えてください。
今年の3月末から4月頭にかけて、ピーク時は金1gあたり1万6,600円くらいまで上がったのではないでしょうか。ところが、一時は1万5,100円くらいまで下がって、わずか1週間程度で1,500円も値を下げました。
予想はしていたことですが、アメリカの動きに世界の金融市場が激しく動いており、金相場もその影響を受けていると言わざるを得ませんね。
——急落の原因はなんだったんでしょう?
やはりトランプ政権の影響が大きいですね。
関税政策の影響で株価が大暴落。通常、株価が落ちると金は上がりますが、半導体などの工業品の需要が一時的に滞ったことや、株やドル安の損失分を金で補填しようと売却が進んだことが金相場急落の要因なんじゃないかと考えています。
——なるほど。
株式市場もそうですが、金相場においてもある日突然スコッと上がったりと、これまであまり見られないような値動きをしています。例えば4月10日は、1gあたり約700円も上昇しています。
○なぜこれほど金相場が不安定なのか
——これまでの金相場の安定感からは、ちょっと想像ができない展開ですね。
リーマンショックやコロナ禍などにおける金相場の値動きには、明確に理由がありました。しかし今回は、アメリカの動きだけではなく、世界のさまざまなインシデントが複雑に絡み合って株式相場も動き、それと連動したり、ある部分では非連動に動いたりしています。
——今後の金相場はどうなると見ていますか?
したがって、正直なところで言えば短期的にはまったく読めません(笑)。ただ、長期的な視点で見れば、金の価格は上昇していきます。
——それはなぜでしょう?
理論的に考えれば簡単です。まず金は"有言資源"であること。金は地球上に存在する量がすごく限られていて、全体で言えばオリンピック公式競技用プールの3.5杯分程度しかないと言われているんです。今後、採掘される量はプール1杯分ほどと見込まれています。
つまり、金はこれ以上"増えない"資源なんです。
そしてもう一つが、需要の拡大。装飾品や投資目的はもちろん、半導体などの工業製品でも金の使用量が増えてきています。だから、50年後、100年後という長期で見れば、ほぼ確実に上がると思います。ただし、そこまで長期的な目線で考えると、"金を墓場まで持っていくのか"、という話にもなってきてしまいますね。
○投資目的なら"ホールド"、使ってないなら"売却"もアリ!
——今金を持っている人は、売った方がいいんでしょうか?
もちろん私の口から「今が売り時!」「今は、売らない方が良い!」などのコメントはできません。先ほどから申し上げているように、非常に見通しにくい状況にあるからです。
しかし、もし10年以上前に購入された金をお持ちであれば、今の価値は"売り時"とも言えるのではないでしょうか。
株式相場の格言に『魚の頭と尻尾はくれてやれ』という言葉があります。
この意味は「一番安いところで買うのも、一番高いところで売るのもあきらめて、ほどほどの利益を確保する方が良い」というものです。
現在の1万6,000前後/gという価値は、10年以上前から比べると相当高い水準です。
ここで利益確定をしておくというのは、とても賢い判断ではないかと思います。
金相場は長期的な視点に立てば上昇するでしょうが、その伸び幅は緩やかかもしれません。他の金融資産に投じる、もしくは実質的な需要のために資金を投じるということを選ぶことも悪くないかと思います。
——実際に売りに来る人は増えていますか?
増えていますね。金をお売りに来られる方は「なんとなく高く売れそう」という雰囲気でいらっしゃるケースが多いですが、実際に買取金額を提示させて頂くと「こんなに高く買い取ってもらえるんですか!」と驚かれる方が多いです。
——逆に、最近になって投資目的で金を買った人は?
直近で買った人は、もう少し様子を見てもいいと思います。でも、たとえば1年前の2024年初頭には金価格が1万円台前半でしたから、そのときに買っていれば、今売っても4,000〜5,000円くらいは上乗せされています、十分プラスです。
○経済が悪化すれば、金は再び価格が上がる可能性も?
——今後、金相場が再び跳ね上がる可能性はないのでしょうか?
その可能性は十分あります。
本来は、金相場は株式相場が下がると上がりやすいんです。ですから今回のように、株価も金相場も下がるというのは珍しいケースと言えるでしょう。
今後、世界経済が良くない方向へ進む可能性もありますよね。そうなると株や不動産といった資産への信頼が徐々に揺らぎ始めます。その時に、金が投資資産として着目され、相場はまた上げに転じるでしょう。
しかし、この30年の上がり幅は相当でしたから、そのボラティリティは何とも言えません。
——最後に、改めて金の扱いについてアドバイスをお願いします!
投資目的の人は相場と相談しながら判断すべきですが、使っていない金を所有している方は、今が"売り時"かもしれません。高いうちに売って、おいしいものを食べたり、旅行したりするのも一つの手だと思いますし、無理に"待つ"必要もないと思います。
また、金もそうですが、関税が世界的に上がっていくとなると、海外のブランド品などの価格が高騰することが考えられます。その時は『ブランド品』が売り時ですね。
いま、『買取大吉』には、すぐに売らないまでも、"いつ売るべきか"の相談を目的として来店される方が増えています。私どもも、「最終的には、買取大吉に売って欲しい」という思いで、お客様の立場に立ち真摯にアドバイスさせて頂いています。
お持ちの品物は今売り時なのか? もう少し持っておいた方がいいのか? 的確にアドバイスさせて頂きますので、是非お近くの「買取大吉」に遊びに来て頂けると嬉しく思います
予測不可能な乱高下を繰り返す金相場。しかし、"金"の背景には、「限られた資源」「高まる需要」という確かな構造もある。短期の変動に振り回されるより、自分のライフスタイルや目的に合った判断が求められそうだ。

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