「自己啓発の祖」アドラーが、子育てについて残した言葉。自分に自信のない子どもに対して、取るべき行動とは?

2024年4月12日(金)12時30分 婦人公論.jp


アドラーが教える、教育において大切なこととは——。(写真提供:写真AC)

フロイトやユングと並ぶ心理学界の巨匠で、“自己啓発の父”とも呼ばれるアドラー。アドラーを長年にわたり追い続け、「アドラー」、「アドラー心理学」に関する著書を多く著してきた岩井俊憲さんが、数多ある本の中から選んだ、アドラーの本質を理解するための言葉をご紹介します。今回は、子育てについて。アドラーが教える、教育において大切なこととは——。

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お互いを理解することが基本条件


「子どもを理解できない」と悩む親、「親に理解してもらえることはない」と嘆く子どもの話を聞くことは多い。

しかしながら、人がお互いに協力し合いながら生きるためには、お互いを理解することは、基本条件となる。人をちゃんとしっかり理解することができれば、人はもっとよりよく快適に共生することができる。

私たちは、お互いのことをよく理解せず、上辺だけのことに惑わされ、他人の外見にだまされるような危険性があるがために、共生がうまくいかなくなるのだ。

『人間知の心理学』より

自分に対する適切な信頼をもつ


ためらい、足を止め、自信なさげに周囲をうかがい、疑い、息づまってしまったり、途方に暮れてしまっている子どもがいる。そのような子どもたちは、自分に対する適切な信頼をもっていないのだ。

これは、さまざまな観点から子どもを見ていくとより理解できる。まず、自分に対する評価が他の場面ではどのように表れ、働くのかを見てみたい。

子どもがどのような場面で自信があると感じるか、自信がないと感じるのか。自分に価値があると感じているのか、劣等感をもっているのか。現時点での状況はもちろん、その子どもの過去の状態と比較する必要がある。

このようにして、子どものライフスタイルがどのように発達したかという線を見ていくことが大切だ。

『教育困難な子どもたち』より

他者の幸せに関心をもつ


どうすれば、自分は社会にとって有意義で建設的な存在となりえるのか」の問いに対する答えはシンプルだ。

他者を思いやること。他者に関心をもつことである。

友情、人間への関心、宗教や政治、結婚、愛……これらはすべて対人関係の課題である。これらの分野で、他者の幸せに関心がもてるかどうかが大切だ。

私たちが教育困難だと感じる子どもたちは、他者の幸せに関心がもてない。

こうした子どもたちは、共同体感覚、楽観主義、勇気を欠いている。

『教育困難な子どもたち』より

もって生まれたものをどう生かすか


アドラー心理学の観点からすると、「もって生まれたもの」に、そんなに大きな意味はない。むしろ重要なのは、子ども時代にもって生まれたものを「どのように生かすか」ということのほうだ。

『生きるために大切なこと』より


子ども時代にもって生まれたものを「どのように生かすか」が重要(写真提供:写真AC)

※本稿は、『超訳 アドラーの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです

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