子宮頸がんの末期一歩手前から生還「健康でないと満足に眠れない」と気づいた。71歳団地ひとり暮らし、現在のライフスタイルとは?

2024年4月26日(金)12時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

内閣府が公開している「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし世帯数は年々増加傾向にあるようです。そのようななか、数々の人生の逆境を持ち前のバイタリティーで乗り越え、歳を重ねてもなお生きることの楽しさを体現しているのは、『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』を著した、ソネ ジュンコさん。ソネさんいわく、「健康でないと満足に眠れないということを知った」そうで——。

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がんになって「健康でないと満足に眠れない」ということを知りました


30代での離婚、40代での実家の倒産と、精神的な苦痛から不眠症を経験した私ですが、61歳でがんになったとき、今度は「身体的な病気で眠れない」という経験をすることになりました。

私は2013年1月22日に61歳の誕生日を迎えています。ちょうどその日に友達がサプライズパーティーを開いてくれたんです。

「ちょっと会わせたい人がいるから、ドレスアップしてきてね」と意味深なことを言われ、オシャレして約束のお店に入ったとたん、クラッカーが鳴らされて親しい友達が勢ぞろいという、とても素敵なサプライズパーティーでした。

とても楽しくうれしくて大騒ぎをしたのですが、実はそのとき、体がすごくつらかったのです。

うれしい、ありがたい、なんて幸せなんだろうと思いながらも、実は体がつらくて一刻も早く家に帰ってベッドで横になりたい気持ちでいっぱいでした。

ぐっすり眠るのにも体力が必要


私はそれを「年齢のせいだろう」と思いつつも、「体の中で何か変なことが起こっている」という直感めいたものを捨てきれずにいました。

というのも、その3か月くらい前から、寝つきの悪さや眠りの浅さなど、睡眠障害の傾向が出てきていたからです。

そのころは仕事も絶好調。なんの悩みもなく、仕事で十分に体を動かしているので、運動不足でもありません。

不眠症になる要素はないはずなのに、なぜかうまく眠れない……。

結局、病院で2回の検査を経て子宮頸がんのステージ3Cという、ほぼ末期に近い状態になっていることがわかりました。

不正出血や腹痛など、明確な子宮頸がんの症状は何も出ていなかったのに、体は「睡眠障害」という形で私に危険信号を発してくれていたのです。

がん治療のための入院中は、寝ているのか起きているのかわからないくらい、夢か現(うつつ)かの状態をさまよっていました。

睡眠の役割は体を休ませることです。だから病気を治すには、十分な休養=睡眠が必要なわけですよね。

なのにいちばん体を休ませなければいけないときに、体調が悪すぎて満足に眠ることもできないとは、なんということでしょう。

眠れないほど弱り切った私が強く感じたのは、「ぐっすり眠るのにも体力が必要」ということです。

若いときはいくらでも眠れますよね。あれは体力があり余っているからなのではないかと思います。

病院のベッドで満足に眠ることもできなくなった自分を情けないと思いつつ、「退院したら気持ちよく眠れる体をとり戻そう」と心に決めました。

生活サイクルは「眠り」から逆算して決めています


入院中の不眠により、睡眠が心や体と深く関わっていることを実感した私は、まずは睡眠を見直そうと考えました。

「何かをするために睡眠時間を削る」などと言いますよね。私もかつては、そういうことをしていました。

何かしたいこと、しなければならないことがあると、真っ先に削るのは睡眠時間という考え方だったのです。

これはつまり「睡眠時間を犠牲にする」ともいえることです。

だから私は、この考え方をやめることにしたのです。

睡眠は削っていいものではなく、「いちばんに確保しなくてはいけないもの」というふうに考え方をあらためました。

そこでまずは「朝起きたときに前の日の疲れが残っていないこと」を目標に、夕食を食べる時間、夕食後の過ごし方、入浴する時間やお風呂につかる長さなど、あれこれと試してみたのです。

寝る4時間前には食事を終えるようにしています


そこでできあがったのが、“毎日快眠”の現在のライフスタイルです。

最初に気づいたのが、眠りに就く4時間前には夕食を終えるようにすると、翌朝の寝起きの爽快感が違うということでした。


(写真提供:Photo AC)

朝起きるとお腹がペコペコになっていて、これがなんとも気持ちがいいのです。

たまに会食などで夕食をとるのが遅くなって、就寝までの時間が短くなると、翌朝起きたときに“体の重さ”を感じます。

胃の中に消化されないものが、残っている感じがするのです。

夕食後はとにかくリラックスします


がんになる前の私は、昼だろうが夜だろうがかまわず、時間があれば仕事をしていました。イヤイヤやっていたのではなく、仕事が好きだからこそ、ついついやっていたのです。

私は自分で動画の編集をしたりブログを書いたりするのですが、それもほとんどが夜にやっていたことでした。

まずは、この習慣をやめてみることにしたのです。

夕食後は安らかな睡眠に向けて、自分を休ませる時間に充てることにして、余計なことは考えないようにも努めました。

以前は夕食後に仕事の続きをしていると、いろんなアイディアが浮かんできて、そこに集中してしまって寝る間を惜しむこともよくあったのですが、そうしたことを一切やめたのです。

仕事のことを考えるのは楽しいのですが、何もわざわざリラックスするべき時間にしなくてもいい。そんなふうに考え方をあらためました。

自分の好きなことを仕事にしてしまったがゆえに、オンとオフの切り替えが難しかったのですが、「夜はプライベートな時間」と決めてからは、時間の使い方にメリハリがつくようになったのもよかったと思います。

用事は朝、気持ちよく目覚めたあとでやればいいのですから。

※本稿は、『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

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