南房総サイクリング。東京湾もフェリーを使えば、旅気分が一気にアップ!

2024年5月1日(水)12時45分 マイナビニュース

木々の緑が美しく、シーサイドも静かな5月はサイクリングに最適なシーズン。
都心から、そんなに遠くまで行かずとも、旅に出た気分が楽しめるコースを紹介しよう。
○■自転車とフェリーが旅気分を盛り上げる
いつもよりも遠くに行きたいとなれば、早起きして走行時間を稼ぐのが王道だろう。休憩時間を最少に抑えて、限界に挑戦するのも、それはそれで達成感があっていい。しかし、今回はゆるくツーリングを楽しみたいので、距離を抑えることに。
さて、行き先の候補は三浦半島と南房総の2つ。どちらも捨てがたい。かつて横須賀(神奈川県)に住んでいた頃、三浦半島ではよく練習した。まったく才能がなかったので、強くはならなかったけど、適度な変化があってツーリングに向いたエリアだ。
そして、あの頃、気分転換にフェリーで房総半島にも走りに行っていた。どちらもアレンジ次第で距離を伸ばすのも短くするのも自在にできる魅力もある。
自転車を輪行袋(専用袋)に入れて…とも思ったが、輪行袋を持つのが面倒なので、ルーフキャリアにロードバイクを載せて、友人と三浦半島側の久里浜港へ。
久里浜港と金谷港は40分の船旅。風が強めだったので、白波が立っていたが、大きく揺れることもなく快適だ。本来、東京湾フェリーは運行数が多いが、3月に“しらはま丸”が船尾を損傷したため、現在、東京湾フェリーは2時間に1本。
一隻あたり2輪車の積載は24台らしいので、混雑が予想されるGWに利用するなら、早めに港に着くこと。ただし、輪行袋に入れれば料金も安くなり、台数制限を気にすることもない。ちなみに輪行しない場合は特殊手荷物料金(片道:自転車+ライダー1名)が1700円。旅客運賃のみなら1200円のみで対岸に渡ることが出来る。
○■自転車で国道127号線を南下する
自転車を受け取り、国道127号線を南下する。内房の主要道なので交通量はそれなりにあるし、トンネルもある。保田までの約5㎞は初心者にも走りやすいとは言えないが、トンネルの距離も長くないし、追い越していくクルマも心なしか距離を空けてくれるようで不快感はない。
岩井海岸やインスタ映えポイントで有名な原岡桟橋などを横目に、とりあえず館山駅そばの北条海岸まで休憩せずに走る。
カフェやレストランが並んでいるのは知っていたが、通過するばかりで足を止めたことはなかったので、雰囲気の良さそうなカフェ(SEE DAYS)で一休み。このエリアはヤシの木が連ねているだけでなく、景観を損なう電線等を埋没させている。ゆっくりと時間を過ごしたい気分にさせてくれる。
とはいえ、天気予報によると午後から風向きが変わるらしいので、いつまでものんびりとはしていられない。
道なりに走っていると、一部が日本の道100選にも認定されている“房総フラワーライン”につながる。菜の花やマリーゴールドで有名な道だが、タイミングが悪かったのか、この日は花が少なかった。だが、ここまで来ると交通量が一気に減り、静かにサイクリングを楽しめる。
館山から野島埼灯台辺りまでのフラワーラインは、日本屈指の自転車にフレンドリーな道だ。追い越していくクルマからクラクションを鳴らされることもないし、追い抜いていく地元のクルマも大きく距離を取ってくれる。そんなわけで、初心者とサイクリングをするときの定番コースでもある。
以前、地元の人が「ここいらは昔から競輪選手がたくさん練習していたから…」だと言っていた。なるほど、そういう理解があったのかと納得したことがある。
風の強い日が多いのは玉に瑕だが、平砂浦には防砂林として植えられた
松林が美しく“白砂青松100選”にも選ばれている。以前は海岸線沿いに専用のサイクリングロードもあったが、この日は砂に埋もれて走行不能になっていた。ま、それでも十分に走りやすいのがフラワーラインである。
○■南風に乗って帰途に
目的地であり、折り返し地点の野島埼灯台。ここまで金谷港から約50㎞。トレーニングモードで走れば約2時間というところだろうが、寄り道したり休憩していたせいか4時間弱もかかった。
今日は南風に乗って帰途につけるので、ショートカットコースの効果と会わせて、往路の約半分で金谷港まで戻れた。このコース、ゆるいアップダウンはあるものの、基本的にイージーなコースだ。
金谷港からの往復で考えると約100㎞。初心者には厳しいが、輪行袋に入れれば500円追加で、館山駅前から新宿・東京駅までバスで運ぶこともできる。これなら初心者でも十分に走れるだろう。
○■体力に合わせて、コースアレンジも多彩にできる
東京湾フェリーを使ったライドは、コアなサイクリストでも人気のコースだ。“湾イチ”と呼ばれる東京湾1周コースは約190㎞。ロングライドの定番コースの1つだ。また、金谷から外房の鴨川へ房総半島を横断する“Bay to ocean”コースもある。こちらは鴨川にある亀田病院発着のバスに輪行袋を載せられるので、初心者でも挑戦しやすい。
房総半島から三浦半島側へフェリーに乗るなら、城ヶ島や鎌倉を周遊するコースが一般的だ。およそ70㎞程度のコースになるので初級者や中級者なら問題なく走れるだろう。今回は巡れなかったが、オススメのポイントを2ヵ所紹介しよう。
1つめは久里浜港から反時計回りで半島を一周する際の食事処。松輪、江奈漁港で水揚げされた地魚漁の店“松輪”。昼は行列になるほどの人気があり、特にアジフライが好評だ。
城ヶ島の先、油壺の手前にある諸磯埼灯台。これと言った案内表示板がないので、諸磯神明社を目印にルートを設定する。岩場にある灯台なので足元注意。
文・写真/菊地武洋
菊地武洋 きくちたけひろ 自転車ジャーナリスト。80年代から国内外のレースやサイクルショーを取材し、分かりやすいハードウエアの評論は定評が高い。近年はロードバイクのみならず、クロスバイクのインプレッションも数多く手掛けている。レース指向ではないが、グランフォンドやセンチュリーライドなど海外ライドイベントにも数多く出場している。 この著者の記事一覧はこちら

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