世界5大ウイスキーをブレンド!? 大胆かつ個性的なウイスキー「碧Ao」とは?

2019年5月1日(水)10時50分 食楽web


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サントリーが試みた新しい挑戦は世界初!
自社が誇る5大ウイスキーをブレンド

その味わいはチーフブレンダーさえ未知数だったという、世界5大ウイスキーの原酒をブレンドしたウイスキー『碧Ao』。今までにない新しいウイスキーの世界を見せてくれます。

 世界中で若いウイスキーの蒸溜所が増えています。ウイスキーはこうあらねばならないという垣根を越えて、楽しいグルーブがシャンパンの泡のようにプチプチとはじけているようです。

 そんな時代にあっても、偉大な5つのウイスキー産地へのリスペクトはもちろん揺るぎようがありません。スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本。この5か国を合わせて、「世界5大ウイスキー」と言われています。

 それぞれに確立された伝統的な製法を持つ、この5地域のウイスキーを大胆にもブレンドしたウイスキーが誕生しました。それがサントリーから新しく生まれた『碧Ao』。5大ウイスキーの産地に蒸溜所を持つサントリーだからこそ、自社のウイスキーだけを使ったブレンドが可能になったといいます。


サントリーが保有する、世界5大ウイスキーの蒸溜所の原酒をブレンドした『碧Ao』

 2019年4月4日に行われたブランドセミナーでは、ちょっとユニークなテイスティング方法により、『碧Ao』という未知のウイスキーの魅力が紹介されました。テイスティンググラスには『碧Ao』と、それぞれ1つのウイスキーだけを除いてブレンドした5つのグラスが配られました。

 つまりスコッチを抜いたブレンド、アイリッシュを抜いたブレンドという具合です。この手法はブレンダーがブレンドを手掛ける時にも使われるそうで、例えば、スコッチを抜いたブレンドでは、スモーキーさやスパイシーが欠け、少し平坦な味わいになっています。

 そこから、スコッチがスモーキーな香りや味わいに厚みを加えていることが読み取れるといいます。ちなみに、アイリッシュは複雑さをプラスし、バーボンは華やかな香り、カナディアンはしなやかさ、白州とシェリー樽で寝かせた山崎の2つの日本のウイスキーは全体をまとめるという役割を担っているそう。


ブランドセミナーのテイスティンググラス。すべて43度の度数に統一されて比較しやすく提供されました

 “5大ウイスキーをブレンドするとどういうことになるのか”という難題に、「碧Ao」の開発を担当したサントリー・チーフブレンダーの福與伸二(ふくよしんじ)氏も最初はまったく見当がつかなかったといいます。
「絵画でいえば、水彩画、油絵具、クレヨンなど、まったく違うものを一緒に合わせるようなものです。とくに独特な個性を持つバーボンはどうなるのか未知数でした」とその難しさを語ります。


サントリーの5代目チーフブレンダーである福與伸二。ベテランブレンダーにとっても新しい試みであったといいます

 これまではブレンドすることで味わいの調和を図ることが大きな目的だったそうですが、今回の『碧Ao』では、ブレンドでより個性を引き出すというアプローチが試みられました。それぞれの原酒の良さを残しつつまとめ上げることが目的です。試行錯誤を繰り返しつつ熟成段階までこぎつけはしたものの、その後にどう変化するかも大きな賭けのようなところがあったそうです。


『碧Ao』のブレンドに使われた日本のウイスキーのうちの一つ『白州』を蒸溜する蒸溜所


もうひとつの日本のウイスキーは『山崎』。シェリーカスクを使うことで、味わいの中に酸味や甘みを補っている

「後熟(原酒をブレンドしてから数ヵ月間寝かせる工程)させてみると、味わいが想像以上に良い変化を遂げて驚かされました」と福與氏。

 そうして完成した『碧Ao』は、バーボンのように華やかな香りと、スコッチのような深い味わいを持ち、甘さとスモーキーさ、スパイシーでウッディな余韻という、ユニークな個性的を放つウイスキーとなっています。

 まずはストレートで香りを楽しみ、その複雑な味わいから次々に現れる香りの余韻を旅するように楽しめば、5大産地の偉大なウイスキーのDNAを感じつつ、それぞれが響き合うハーモニーを感じることができそうです。

(取材・文◎岡本ジュン)

●DATA

SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」

数量限定で4月16日より発売。
まずは限られた酒販店やバーなどで紹介される予定。

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