「朝から疲れが取れません」 管理栄養士が教える朝食のコツ
2025年5月3日(土)20時45分 All About
【管理栄養士が解説】疲れが取れないときに、無理をして胃腸に負担をかける食事を取るのは逆効果。避けるべき朝食、おすすめの朝食について解説します。
Q. 疲れが取れません。朝食はスタミナのつくものを食べるべき?
Q. 「最近、一日中疲れが取れません。朝から、だるくて食欲もあまりない状態です。朝食は大事と聞きますが、できるだけがっつり食べて、スタミナをつけた方が疲れも回復しやすくなるのでしょうか? 無理をしてでもしっかり食べるべきか、迷っています」A. まずは早めに夕食を済ませ、よく眠る習慣を。朝ごはんはバランスが大切です
起きたときから、食欲がないほど疲れているのは大変ですね。風邪などによる体調不良や病み上がりなど、疲れの原因がはっきりしているときは、無理に食べずに胃腸を休めることも大切です。しかし、病気などではないのに疲れが取れないなら、根本的な生活スタイルを見直し、朝から食欲がわくリズムを作ることが大切です。
具体的な方法をご紹介します。まずはできるだけ早めに夕食を済ませ、早めに眠って体力を回復させることを優先してください。前日の疲れを翌朝まで持ち越さないようにすることで、朝食を食べたくなる生活リズムを目指します。
仕事が忙しく、夕食が遅くなってしまう事情もあるかもしれません。しかし、朝食には午前中の仕事や勉強のパフォーマンスを上げる力があります。夕食と朝食を無理なく食べるリズムを整えることで、結果的に1日の「タイパ」も上がっていきます。
一方で、朝からスタミナをつけようと、肉や揚げ物などのいわゆる「がっつりした」ものを食べる必要はありません。
朝食に限らず、おすすめなのは栄養バランスのよい「定食スタイル」です。主食・主菜・副菜の要素が含まれていることが大切ですが、ポイントをおさえれば定食の形でなくても構いません。
例えば、
・鮭や明太子などのたんぱく源が豊富な具を使ったおにぎり
・野菜やきのこなどの具だくさんの味噌汁
といった、シンプルな組み合わせの朝食でも十分です。
午前中のパフォーマンスが上がれば、1日のタスクも早くに片付き、早めの夕食・就寝につながっていきます。健康的な生活を続けるために、生活リズム全体を見直し、無理のない朝食習慣をつけていってください。
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。(文:平井 千里(管理栄養士))