年金3万円68歳、八ヶ岳の一人暮らし「麹や手づくり味噌でお金をかけず豊かな食卓に。オススメは簡単に作れて美味しい小豆味噌」【2023編集部セレクション】
2024年5月10日(金)6時30分 婦人公論.jp
なかはらさんは、つつましくも贅沢に暮らすヒントとして「麹をもっと生活に取り入れられれば、豊かな食生活が送れる」と言いますが——(写真:『68歳、つつましくも贅沢な暮らし:年金3万+α、好きな場所で好きに生きる』より)
2023年に配信したヒット記事のなかから、あらためて読み直したい「編集部セレクション」をお届けします。(初公開日:2023年5月9日)。
******昨今、物価やエネルギー価格が上昇して生活費がかさむ中で、なかなか贅沢することができず、お金の不安も尽きませんよね。一方、衣食住について八ヶ岳で「つつましくも贅沢に暮らす」を実践しているのは、織物&染物作家でYouTuberとしても活躍する、なかはらけい子さん。なかはらさんはその一例として「麹を生活に取り入れられれば、豊かな食生活が送れる」と言いますが——。
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麹や手づくり味噌文化で味わい豊かな食卓に
あっさりいただきたいものには、塩麹が良いです。
お肉や焼き魚などの塩代わりに使います。
麹はとてもたくさん使うので、自分でつくっています。
あまりうまくはできないのですが、麹の用途としては使えるので、まあいいかなと思っています。
私はたくさんのものを自分でつくりますが、すごくうまくはできません。そこそこの用途として使えれば良いと割り切っています。
麹と水を混ぜた麹水は化粧水代わりに使います。甘酒は麹とお湯をまぜて、約8時間発酵させます。これは夏バテなどに良いようです。
麹の用途は多様です。一番は味噌づくりです。
豆味噌は米麹を使いません。これは3年くらい前につくったものがまだありますが、そろそろつくっておこうと思います。
今はまっているのは醤(ひしお)
大豆味噌は年1回つくります。一番使います。
小豆味噌は少し甘みがあって美味しいです。
『68歳、つつましくも贅沢な暮らし:年金3万+α、好きな場所で好きに生きる』(著:なかはらけい子/大和出版)
大豆味噌は大豆をつぶすのが割と大変で、小豆はつぶさなくても勝手につぶれる感じです。本当に楽ですので、初めて味噌をつくる方には、小豆味噌がおすすめです。
煮た小豆と麹を混ぜて8時間くらい発酵させると砂糖なしで発酵あんこが出来上がります。小豆味噌の短時間で塩を入れないバージョンみたいな、でも甘い。
今はまっているのは、醤(ひしお)です。
これは醤油や味噌のできる前の日本古来の調味料だそうですけど、豆麹と麦麹と醤油を入れてつくるのが一般的です。
上2つの麹をブレンドしてひしお麹として販売されています。
醤油の原型なのに醤油を入れるってなんでと思うのですが、豆麹と麦麹のブレンドで味が違うらしく、各店で独自のものがあるらしいです。
麦と大豆を混ぜて麹をつくる人もいるようですね。
私は醤油をつくっていたのですが、絞るのが面倒なので、やめて、醤に乗り換えました。
液は醤油のように、沈殿物は味噌のようにも使えます。
和食文化も麹があったからこそ
そうそう、醤油でできる沈殿物、あれは醤油かすといわれて、これで漬物をつくるか、捨てるのでしょう。
プロの方は、本当にカスになるまで絞れるのでしょうが、私は道具もなく、うまく絞れないので、かすも味噌のように使っていました。
すると味噌だらけになるため、醤油はつくるのをやめることにしました。
このあたりのお年寄りが、小さい頃、醤油絞の人が道具をもって、各家を訪れていたといっていました。
そんな人が私の家にも来てくれれば良いのですが、今どきはないですね。
味噌と同じように、醤油も各家でつくっていたのでしょう。
麹菌は日本独自のものだそうで、素晴らしい和食文化も麹があったからこそかもしれません。
私たちも、この文化を少しでも取り入れてもっと各家各自、バラエティーに富んだそれぞれの麹生活を受け継いで伝えていければ良いなあと思います。
美容にも健康にも良くて、美味しい麹をもっと生活に取り入れられれば、豊かな食生活が送れると思います。
小豆味噌の作り方
つくるのがややこしい豆味噌に対して、小豆味噌は簡単につくれるので、ごく簡単につくり方をご紹介いたします(大豆味噌も豆を変えるだけで、ほとんど小豆味噌と同じようにできます)。
分量は以下の通り
(1)400gの小豆を煮る。
(2)柔らかくなった小豆をつぶす。
(3)つぶした小豆に麹500gと塩170gを混ぜたものに、一緒に混ぜる。
(4)(3)を手で固まる大きさに団子にする。
(5)容器に空気が入らないようにしっかり入れる。
重石をして、数か月後、様子を見てできているようなら使用する。
※本稿は、『68歳、つつましくも贅沢な暮らし:年金3万+α、好きな場所で好きに生きる』(大和出版)の一部を再編集したものです。
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