シングル女性の老後の家問題。フリーライター、両親の介護で「開店休業」に。会社員より離職は簡単で、仕事復帰は困難。介護離職はしちゃいけない

2024年5月10日(金)12時30分 婦人公論.jp


写真提供◎photoAC

昨年は、モトザワ自身が、老後の家を買えるのか、体当たりの体験ルポを書きました。その連載がこのほど、『老後の家がありません』(中央公論新社)として発売されました!(パチパチ) 57歳(もう58歳になっちゃいましたが)、フリーランス、夫なし、子なし、低収入、という悪条件でも、マンションが買えるのか? ローンはつきそうだ——という話でしたが、では、ほかの同世代の女性たちはどうしているのでしょう。今まで自分で働いて自分の食い扶持を稼いできた独身女性たちは、定年後の住まいをどう考えているのでしょう。それぞれ個別の事情もあるでしょう。「老後の住まい問題」について、1人ずつ聞き取って、ご紹介していきます。

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フリーランスの介護離職


老後の心配もあるけれど、それ以前に、まず、いまの生活が大変、というフリーランスや派遣社員ら非正規雇用の女性も少なくないでしょう。会社員と違って、フリーや非正規の働き方は不安定で、景気の波に影響されやすいです。特にコロナは大打撃でした。それまでの仕事が打ち切られたり、発注が延期になったりして、収入が減ったり、ゼロになったりした人も多いに違いありません。

そこに、老親の介護が重なったら——フリーライターの美佳さん(仮名、58歳)は、そんな一人。介護生活に突入し、4年半も「開店休業」状態です。フリーランスは、会社員より離職は簡単で、仕事復帰は困難です。「しみじみ痛感した。介護離職はしちゃいけないって。特にフリーは絶対、仕事をストップしちゃダメ。ここから立て直せない」。美佳さんはいま、介護生活から抜け出せないでいます。

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毎週、木曜と土曜は、父親(90)はデイサービスだから、午前9時過ぎ〜午後4時までは自分の時間ができる。月曜と水曜は、家事支援でヘルパーが夕食を作ってくれるので、父の食事を心配せずに出掛けられる。父に認知症はなく、勝手に就寝してくれるから、夜遅くなっても平気——老後の家について話を聞きたい、と美佳さんに連絡を取ったら、こんなスケジュールを言われました。モトザワは驚きました。美佳さんは昨秋に84歳の母を看取り、いまは父と2人暮らしで、在宅で面倒を見ています。老後どころか、目の前の生活に追われているようです。

美佳さんは一人っ子です。共働きだった両親と、首都圏のJR駅徒歩4分のマンションで暮らしてきました。美佳さんは大学を卒業後、業界紙の記者を経て、フリーライターになりました。いくつかの編集プロダクションに所属した時期もありますが、厚生年金がない会社もありました。 一人暮らしの経験はなく、ずっと実家住まいです。

コロナの影響で仕事がゼロに。そこに母の病が


美佳さんは主に紙媒体で書いてきました。編プロや関係者からの紹介など、口コミで仕事を受けていました。なんとかつなでいましたが、業界の衰退とともに、仕事の単価と量は右肩下がり。コロナ前でも年収200万円弱と、「家賃がないから暮らしていける」レベルになっていたそうです。そこへコロナです。すべての仕事が止まりました。現場に取材に行けなくなり、予定していた企画は全てキャンセル。ウエブのライターはしていなかったため、仕事がゼロになってしまいました。

その後、母親が体の不調を訴え始めました。背中が痛いと言いますが、かかりつけ医に行っても病気は見つかりません。胆石の手術を以前したので腸に癒着があるせいだろう、との見立てでした。2022年の暮れにはいよいよ具合が悪そうでした。これはおかしいと、総合病院での診察に美佳さんが付き添うことに。大腸内視鏡で見て、どこも悪くないと言う医者に、「CTを取ってください」と強く直談判。CTと、別の病院でPET-CTの検査もしてもらいました。結果、膵臓がんステージⅣと判明しました。2023年春のことです。


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「やっぱりね、って思った。母親も前から膵臓じゃないかって言ってたし。もっと早く、私が付き添っていたら良かった。母親だけだと、医者に強く言えなくて、ちゃんと検査をしてもらえてなかったのよ。医者はきっと、高齢者だと、病気を見つけたくなかったんだな。治療費がかかるし、膵臓がんは治らないし」

そこからは、さすが取材記者です。セカンドオピニオンを取るため、人脈を駆使して、名医を探し、アポを取りました。主治医から告知を受けたその日に紹介状を書いてもらい、1週間後には別の総合病院にセカンドオピニオンを聞きに行きました。「抗がん剤も苦しいから、ボクなら治療しないかも」と言う医者と、何が出来て何は不必要か、母の治療計画を相談しました。

膵臓がんは、余命は長くはありません。母は繊細な人で、生きる気力を失ってしまいそうでした。抗がん剤の種類も限られます。美佳さんが励まして、1クール1カ月半の抗がん剤の通院治療を、5月下旬から始めました。もちろん美佳さんが付き添いました。


『老後の家がありません』(著:元沢賀南子/中央公論新社)

自身も入院手術が必要と医師の診断


ここで思わぬ事態が起きました。6月中旬、美佳さん自身が医師から、入院手術の必要がある、と告げられたのです。母の抗がん剤治療開始の前日、ちょうど美佳さんも総合病院で検査を受けていました。健康診断で要精密検査と出たためです。検査の場で、腸の希少疾患が分かり、ポリープが見つかって組織検査に回しました。その結果がこの日の「がん化の疑いあり」でした。医者からは「このまま放置しておくのは恐いので、なるべく早く、入院して、手術して取ってしまいましょう」と言われました。

「え? 待って、入院?」

焦ったのは美佳さんです。なにしろ、母親は在宅でステージⅣの闘病中で、3週間前から通院治療を始めたばかりです。父親も糖尿病を抱えていて、3カ月に1度の通院は美佳さんが付き添っています。しかも、つい6日前に、父は肋骨を骨折しました。自転車で食材の買い出しに出掛けた帰り、車と接触する交通事故に遭ったのです。帰宅してから胸が痛いと言いだし、救急車で病院へ。入院には至らなかったものの、安静第一です。骨折の後の抜糸や経過観察などで、こちらも通院が必要でした。

そんな2人だけを自宅に残して入院なんて無理です。家族全員が病気だと、美佳さん一人じゃ回せません。困った美佳さんは、自宅近くにある地域包括支援センターに駆け込みました。「とりあえず、私が入院できる態勢を整えたいんです」。それまで、介護保険なんて、ひとごとで、考えたこともありませんでした。


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「まず、介護認定を取りましょう」。言われて初めて、介護サービスを利用する前に、介護認定が必要だと気付きました。それまで両親とも、介護サービスを利用するほど、健康状態が悪くはなかったからです。自分の検査結果が出たその日のうちに、美佳さんは介護認定申請を出しました。

介護サービスを使うには、ケアマネジャーをつける必要があります。家族と施設をつなぐ係で、介護計画を立ててもらう必要があります。ケアマネが介護の肝だとは聞いていました。相性もあります。幸い、母の知人の伝手から辿って、信頼できるケアマネさんに繋がりました。介護認定の申請を出した10日後には、ケアマネさんに相談をできました。

介護認定が下りるまで数カ月かかると言われました。急いでもらい、奇跡的に1カ月で認定が出ました。母は要介護1、父は要支援2でした。ようやく、公的介護サービスが使えます。訪問介護や家事支援を受け始めました。

同居家族が介護する場合の介護サービスの使いにくさ


介護サービスを受け始めたことで、美佳さんが一人で担っていた負担は、少し軽減されました。とはいえ、使い勝手の悪さも痛感しました。たとえば父母それぞれの家事支援ですが、掃除は彼らの個室だけ。風呂もトイレも居間も廊下も、美佳さんが共同で使う場所は支援対象じゃありません。「手が足りないから、掃除を頼みたいのに」。風呂やトイレこそ掃除してほしいところです。

買い物も食事も、してくれても父母の分だけです。100%被支援者に関わる部分だけ、という決まりだから仕方ありません。でも、買い物なんてついでなのに、食事なんて3人分でも1人分でも作る手間は変わらないのにと、もやもやします。美佳さんは自分の食事は、「お茶漬けでいいか」と軽く済ませがちです。同居家族が介護している場合には、介護サービスは使いにくいと感じます。

さらに、公的支援では対応が難しいこともあります。例えば、病院への付き添い。付き添い自体はメニューにありますが、実際には使えません。診察待ちに何時間かかるか読めないからです。ヘルパーの人材は不足していて、予定が詰まっています。フルで立ち会ってもらうのは無理です。それに、医者の話を聞き、治療方針を決めるのは、結局、家族です。美佳さんが同行しなくてはいけません。

なので、母と父の通院が重なると、大変でした。幸い、同じ総合病院に通えたので、2人のアポを調整しました。美佳さんが2人を連れて出掛け、双方の診察を掛け持ち。診察待ちの待合室に父を置いて、その間に母の診察に付き添ったりと、まさに綱渡りでした。在宅で高齢者2人を見るには、「体が一つじゃ足りない!」。

毎日の食事もあります。「何が食べたい?」食欲のない母のために、美佳さんは毎食、母に希望を聞きました。栄養があって、おいしいものを食べてほしい。母が食べたいものや、食べられそうな食事を用意する必要がありました。以前は、父が料理を作り、母が後片付けをするという役割分担でしたが、母の病気が分かってからは、すべてを美佳さんが担いました。

母のリクエストに沿って、毎食、料理をしました。魚を焼いたり、ピーマンやトマトの肉詰め、ロールキャベツなどを作ったり。野菜のポタージュスープはいつも用意しました。野菜5、6種とキノコ類をコンソメ味で煮て、ミキサーにかけます。手間はかかりますが、「なんとか生きてほしいからさ、食べてもらわないと」。


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在宅で抗がん剤治療に通った3カ月を経て、母は8月下旬に緩和ケア病棟に入院しました。そして、ひと月半後、他界しました。

目下の課題は、仕事


母亡き後、しばらく父は落ち込んでいました。でも、美佳さんはスパルタ式にデイサービスに送り出しました。幸いデイサービスは楽しいらしく、今も週2回、嫌がらずに通ってくれます。事故後は自転車に乗らなくなりましたが、食材の買い出しには行ってくれます。マンションから徒歩5〜3分の店まで、ショッピングカートを引いて往復し、食べたい食材を買ってきます。ほかの時間は、父はテレビを見たり、専用庭をいじったり。

幸い、父はまだ体も動かせますし、頭もしっかりしています。でももし、認知症か寝たきりになったら、お手上げです。そうならない限りは、美佳さんは在宅で世話するつもりです。ただ、「毎日ほぼ、ご飯のことしか考えてない」と、苦笑します。3食用意するので、献立を考えることでいっぱいです。

幸か不幸か、美佳さんの病気はこの間、経過観察が続いています。常用していた漢方薬の影響で、内臓に変色があるため、手術すべき病変の部位が特定できなかったのです。漢方を休薬して内臓の回復を待ってから、CTを撮って病巣を特定し、手術の日程を決めることになりました。今春も検査しましたが、まだ手術日は決まっていません。

美佳さんの目下の課題は、仕事です。介護中心の生活にすっかりなじんでしまいました。「仕事する気力がなかなか沸いてこなくて」と、美佳さんは漏らします。「生活を変える気力がなくて。つくづく、介護離職しちゃダメだと思う。立て直すのが大変だから。最初から、自分の労力をアテにして介護プランを作っちゃいけなかった。老後問題は労働問題。介護があっても働ける仕組みを作らないといけなかった。同居家族は、いったん介護要員として組み込まれちゃうと、そこから抜け出せない」

ライター業を再開しようにも、コロナ以来のブランクが長すぎて、かつての依頼主とのコネクションも絶えてしまいました。父を在宅で看ながらでは、新規に「営業する余裕がない」と言います。しかもウエブのライターだと単価が安く、「ライターは喰っていけない」。

「フリーランスより、会社に所属した方がいいのは分かってる。就職できるものなら、もう一度、就職して働くか。……でも年も年だし。この年齢で就職活動してもどうかと思って。転職サイトを見ても、タクシー運転手か介護職しか募集はない。介護は適性もあるし、自分にできるとは思えない。じゃあ今さら、何の仕事ができるかと思って」

世間では、リスキリングなどと言われてます。でも、人口のだぶついているアラ還世代が、今から新しいスキルを身につけて、新しい業界や業務に挑戦するなんて、非現実的でしょう。


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美佳さんの母は経理の専門家だったので、特例で70歳まで会社に残って仕事を続けました。そんな専門スキルは、美佳さんにはありません。父は70歳を過ぎたころ、シルバー人材センターの紹介で、スーパーの品出しバイトをしていました。「それくらいかなあ、できるのって」と、美佳さん。

「父の面倒もあるから、在宅でできる仕事が良い。だって、もし通勤するなら、父の食事は、昼と夜、2食用意して出掛けないといけない。それは無理だからヘルパーに作りに来てもらわないといけない。でも介護保険じゃ週に2食だけだから、自費で追加分は頼まないと。それなら、その分も稼がないといけない。悩ましい」。収入を得るために働くはずが、働くにもお金がかかる、ということです。堂々巡りです。

「リバースモーゲージ」が使えるか


「すべてはお金。嫌らしいけれど、結局はお金。お金があれば、問題は片付く。住まいだって買えばいい。ヘルパーだって頼める」

とはいえ、美佳さんは「老後の家については心配してない」とさらり。いま父と二人で住んでいるマンションは、いずれ美佳さんが相続します。住宅ローンは、ずいぶん前に両親が完済しました。すでに室内のリフォームも済んでいます。室内ドアを吊り戸にするなど、フルフラット(段差のない)のバリアフリー仕様になっています。マンション前は坂道なので、電動の車椅子でないと大変かもしれませんが、自宅は1階ですし、老後までずっと暮らせるでしょう。

マンションは一般的に、築年が古くなるほど、維持管理にお金がかかります。大規模修繕の時に修繕積立金が不足して、各戸あたり何百万もの臨時徴収をされることも。美佳さんの自宅は、すでに築40年超。170戸規模の大規模マンションで、エレベーター改修も含め、大規模修繕には資金がかかりそうです。臨時徴収の心配はないのでしょうか。「幸い、駐車場があるんで大丈夫みたい」。古い物件ならでは、敷地に余裕があり、駅近ながら駐車場もかなりの台数分、あります。

つい数年前まで管理人が常駐(住み込み)でした。管理の良さと駅近の立地のおかげでしょう、最近でも売買事例があり、3000万円弱でした。若い世代にも人気らしく、住民も入れ替わっています。

こんな条件の家なので、老後の生活資金としては、「ラッキーなことに、リバースモーゲージが行けると思う」と、美佳さん。リバースモーゲージとは、所有している不動産に住み続けながら、銀行に担保として差し出し、代わりに、死ぬまで毎月、一定額を生活費として受け取る「逆ローン」制度です。銀行は、所有者が亡くなった後に不動産を売却して資金を回収しますから、売れる見込みのある、相当の担保価値のつく物件でないと、この制度の対象になりません。

銀行勤めで担保価値に詳しい親戚に確認したら、築古だけれど資産価値が高いので大丈夫そう、と言われました。美佳さんの受け取れる年金は、厚生年金を入れてもあまり多くありません。でも、リバースモーゲージが使えれば、死ぬまで生活費には困らないと、美佳さんは目論みます。

投資はしてないが「家さえあれば、なんとかなる」


実は、父方の伯母が、リバースモーゲージを使って、死ぬまで一人で暮らしていました。きょうだいや血縁には頼らず、近所の知人に様子を見にきてもらい、死後の整理、葬儀の手配、散骨は弁護士に依頼していました。不動産以外の、余った財産は、指定しておいた団体に遺贈したそうです。この伯母のように、美佳さんも「独身でも、周囲に迷惑を掛けずに一人で死にたい」と言います。

築古マンションの長所ですが、建築当初から住んでいる住人も多いため、マンション内にコミュニティーができています。一人暮らしの高齢者のために、マンション内には「見守り制度」もあります。毎月決まった日に、玄関の外に、決められた印を掲示するのです。印が出ているのは元気な証拠。もし印を出していない家があれば、管理組合の理事らが訪ねて、生存確認をします。孤独死から時間が経ってから発見される、という最悪の事態は避けられそうです。

心配性だった亡き母は、美佳さんの行く末を案じていました。一人っ子で独身だと、将来、天涯孤独になります。「少なくとも、住む家には困らないように」と、このマンションを残してくれました。さらに、「一人の老後が心配」と、老後資金も手当をしておいてくれました。美佳さんの名義で、受け取り時期の異なる個人年金に、何本か入っていたのです。すでに最初の一本は、美佳さんは受け取り始めています。これが、いまの生活費になっています。今後も次々と入る予定です。

堅実で貯金・生命保険派だった母の遺産は、父と2等分しました。父は投資派で、株の売買をしていますが、美佳さん自身は投資をしていません。バブルが崩壊した後、みるみる株価が下落し、紙くず同然になる状況をリアルタイムで見ていたため、恐くて手を出せませんでした。iDeCoもNISAもしていません。

それでも、「家さえあれば、なんとかなる」と、美佳さんは思っています。むしろ、夫も子もいない美佳さんの場合は、亡くなった後に何も残さないことのほうが大事、と言います。いま入っている終身生命保険だって、こののち父が他界したら、受取人になれる法定相続人(3親等以内)はおじ、おばだけ。いとこはいますが、4親等です。自分の死ぬ頃には、たとえ財産が残っても、相続すべき法定相続人はいないでしょう。

やはり、持ち家があるのは大きい


だから、死後に不動産を遺してしまうと、その方が迷惑だと、美佳さんは言います。マンションは全戸の共有物なので、継ぐ人のない物件は、他の区分所有者を困らせるからです。部屋が遺されても、個人の財産なので、他人は処分できません。国が物納を受けても、次の住民が決まらないと、管理費や修繕積立金がストップします。なにより人の住まない空き家は傷みます。

そんな困った“お荷物”を残さないように、伯母を倣って、自分でちゃんとすべての財産を使い切って死ぬのが理想だと、美佳さんは言います。「このマンションは、最後は、売っ払って老人ホームに入る資金にするか、リバースモーゲージで生活資金にするつもり。“負動産”になるようなことはしません」


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美佳さんの話を聞いていると、「老後の状況」は、本当に人それぞれだなあと思います。美佳さんはいま、介護離職してしまって、仕事を再開できずに困っています。でも、親と同居しているため、「喰う寝るところに住むところ」には困りません。病気は心配ですが、資金的には、65歳の年金開始まで持ちこたえれば、死ぬまでなんとかなりそうです。

やはり、持ち家があるのは大きいです。家賃のかからない自宅をいずれ相続できるからこそ、日々の生活費だけ用意すれば済みます。もし、美佳さんの実家が賃貸だったなら、と想像すると、ぞっとします。介護のために仕事をストップしたとたん、生活が立ちゆかなくなっていたでしょう。

自分の仕事や収入、公的年金や個人年金がどうなっているか。親の健康状態はどうか。介護が必要か、施設に入れるのか。親の家は持ち家か賃貸か、持ち家として立地は便利な場所かどうか。家以外に、親から受け継ぐ資産はあるか、負債があるか。きょうだいはいるか、いるとして老後にあてに出来るか、逆に面倒を見なくてはいけないか。そうした自分と親きょうだいの関係次第で、状況は千差万別です。同じように大学を出て就職した同世代の人でも、アラ還ともなれば「人生いろいろ」です。老後の生活シミュレーションはそれぞれにすべきだと、つくづく思うモトザワでした。

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