金利上昇で注目・定期預金はより高金利の定期に預け替えるべき?

2025年5月15日(木)6時0分 大手小町(読売新聞)

金利が上昇局面にある今、定期預金の金利も上がり、注目されてきています。ネット銀行などでは、諸条件はありますが、1%程度の金利がつく定期預金もあります。となると、低金利時代に預けていた定期預金から高金利の定期預金へと預け替えを考える人もいるでしょう。そこで今回は、定期預金を途中で解約する方法と、解約によって生じるデメリットをお話しします。

定期預金は基本的に満期まで預けることが前提ですが、お金が必要になった場合などは途中で引き出すことができます。

定期預金を解約し、お金を引き出す方法には、主に以下の三つがあります。

<1>中途解約…定期預金が満期を迎える前に解約する方法<2>満期解約…定期預金が満期を迎えたときに解約する方法。定期預金を始める時に「自動解約型」で契約した場合には、定期預金の元本と利息が指定された普通預金に入金されます。<3>解約予約…定期預金を継続しないで解約する方法。定期預金を始める時に「自動継続型」で契約した場合には、満期を迎えた時に同じ条件で定期預金が継続されます。自動継続型で定期預金の解約を考えている場合には、事前に満期日に解約するように予約する必要があります。

定期預金を中途解約できるならば、高金利の定期預金に預け変えようと思う人もいるかもしれません。

解約するときに注意したいのが、預入時の定期預金の金利(約定利率)よりも低い「中途解約利率」が適用されるため、その分もらえる利息が減ってしまうということです。

中途解約利率は、利用している定期預金の預入期間と、解約までの期間によって変わります。「約定利率」は、定期預金にお金を預けた当初の金利です。また、解約までの期間が6か月未満の場合には、普通預金の利率が適用される場合もあります。

たとえば、次のような条件で預けていた定期預金を解約するとします。

◇元本:100万円◇約定利率:年0.4%◇当初預入期間:1年◇中途解約の時期:6か月(180日とします)◇中途解約利率:約定利率×50%

中途解約利率は「0.4%×50%=0.2%」となります。この中途解約利率を預入日から中途解約した日までに適用するので、得られる利息は、「100万円×0.2%×(180日÷365日)=約986円」です。

ただし、定期預金の利息には20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります。この税金が差し引かれた後の金額が実際に受け取れる利息ですので、「986円−(986円×20.315%)=約786円」となります。

この定期預金を1年間解約せずに保有していた場合の利息(税引き後)は約3187円です。途中で解約するのはもったいない気もします。

では、こうしたデメリットを踏まえた上で、定期預金の預け替えは有効なのでしょうか。

上記のように、定期預金を中途解約すると中途解約利率が適用され、もらえる利息が減ってしまいます。また、今が金利上昇局面だとすれば、他の定期預金に乗り換えても、またさらに金利の高い定期預金が出てくる可能性があります。

高金利に目移りして預け替えばかりしていると、いつまでも本来の金利が得られなくなってしまうかもしれません。ですから、今、定期預金を利用しているならば、それが満期になってから次の定期預金にお金を預けるのが良いでしょう。

金利上昇局面では、満期までの期間が短い定期預金を使って、お金を預け替えていくのが良いでしょう。満期になった時に金利が上昇していれば、お金を預け替えた時に金利がアップします。

金利上昇局面の今、定期預金の特徴をよく理解して、上手に活用していきましょう。

(ファイナンシャルプランナー 高山一恵)

大手小町(読売新聞)

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