60代インスタグラマーが提案するオトナ旅の極意「1〜2時間電車に揺られれば立派な日帰り旅」

2025年5月18日(日)9時0分 週刊女性PRIME

梓川の河原で休憩。奥には明神岳が望める『60代 大人旅の愉しみと工夫』(主婦と生活社)より



 5月は旅のベストシーズン!観光疲れがたまったら、ホテルの部屋でゆったりとお弁当を食べたり、夫と分かれて、気ままに一人時間を満喫したり……。60代だからこそ楽しめる、オトナ旅の魅力と楽しみ方をお伝えします。

凝り固まらない観光が大事

 夫の定年退職を機に、6年前から夫婦ふたりでの生活が始まった主婦の小暮涼子さん。自身も17年続けた洋服屋でのパートを退職し、いまでは慎ましくも穏やかなリタイア生活を満喫している。

 そんな小暮さんのささやかな楽しみは、自分のペースでゆったりと観光やホテルでの滞在を楽しむオトナ旅だ。

「気づけば60代も後半。もともと旅行は好きでしたが、やっぱり若いころとは違って体力が落ちてきているので、年齢に合った旅のスタイルに自然と変わってきましたね」(小暮さん、以下同)



 3人の子どもたちも巣立ったいま、時間はたっぷりあるので、焦らず落ち着いた旅行ができると小暮さん。とにかく無理をせず、疲れたらスケジュールを柔軟に変えていくのが、旅を充実させるコツだという。

「例えば京都に行った際は、清水寺に向かうも想像以上の人混みに参拝は諦め、少し離れた八坂神社に向かいました。歩いている途中で“くくり猿”という華やかなお守りが有名な八坂庚申堂を見つけたりと、結果的に素敵な思い出に。予想していなかった出合いも生まれるので、“有名な観光地に行かないとソンする”と凝り固まらないのが大事かなと思います」

 また、現役時代よりも収入はダウンしているため、旅を楽しむ気持ちはそのままに、ちょっとした節約を心がけるのも大切。

「旅館やホテルのおいしい朝ごはんでお腹をいっぱいにして、昼はサンドイッチなどの軽食で費用を抑えるなど。平日やオフシーズンを狙ったり、シニア割を利用して交通費を抑えるのも忘れずに」



 夫婦ふたり旅が中心だという小暮さんだが、別行動をすることもしばしば。

「いつもべったりではなく、それぞれお目当てが異なるときは、いったん“解散”もあり。さらに、疲れたときはお互い我慢せずに言い合うことにして、予定変更の相談ができるようにしておくと気楽です。特別仲がよいともいえない私たち夫婦ですが(笑)、こうしたときの塩梅が同じなのはありがたいことです」

靴下や下着も最低限の量に

 荷物も多すぎると負担になるので、それぞれコンパクトなキャリーケースを準備して、アイテムを厳選。

「衣類はかさばるので靴下や下着も最低限の量に。靴下は初日に手洗いして、帰る日にまたはいたりもしますよ」

 気候もちょうどいいこの時季に、ゆったり充実したオトナの旅に出かけてみては?



・2泊3日旅〜上高地・安曇野・松本〜

 2泊3日のゆとりあるスケジュールでおすすめなのが、自然と芸術を満喫できる長野の高原観光地。一つひとつのエリアが大きいため、1日に予定を詰め込みすぎず2泊以上でプランを立てて。

 緑豊かな自然が楽しめ、気候も安定している初夏に小暮さんがおすすめするのが、長野県松本市の山岳景勝地「上高地」エリア。

「私も昨年の初夏に2泊3日の日程で行きました。標高が高く空気が澄んでいて、新緑のシーズンにぴったり。そのときは、上高地のシンボルともいわれている木製のつり橋、河童橋近くのホテルに荷物を預けてからハイキングを楽しみました。

 途中、美しい湿原や渓流、植物などを愛で、ゴールの明神池の景色を眺めたら、おにぎり弁当の昼食タイム。さらにホテルに戻って一休みして、上高地帝国ホテルにバスで向かい、ロビーラウンジでケーキとお茶を堪能。宿泊ホテルへと戻り、夜はのんびり過ごしました。翌朝は、穂高連峰を望むホテルのテラスで朝食ビュッフェ! その景観もごちそうの一つです」

 翌日は隣の安曇野市へ向かったそう。

「安曇野の碌山美術館に行きました。美術品はもちろんですが、“グズベリーハウス”と命名された休憩室の建物の造りが、窓の形までかわいらしくて感激。その後は午後の早い時間に2泊目の滞在地である松本へ。

 この旅は夫とのふたり旅でしたが、夫はここでいったん休憩。いつもの“解散”をして、私は松本城の城下町として有名な中町通りのお店巡り。翌朝は、まだ薄暗い時間に松本城を見に散歩へ。人の少ない時間に観光地を満喫できるのも、旅の醍醐味ですね」



・日帰り旅〜小田原〜

 気温が上がってきたら、潮風を感じながら散歩を楽しむ海沿いの日帰り旅行もおすすめ。おいしい海の幸を食べて、疲れがたまる前にサッと引き揚げる“潔さ”がオトナ旅を充実させるヒケツ。

1〜2時間電車に揺られれば、立派な日帰り旅行

 少し離れた土地に住む友人を訪ねつつ、日帰り旅行も兼ねて羽を伸ばすのもいい。



「家族のことがあってお互い気軽に誘えなかった友人に声をかけ、1〜2時間電車に揺られて会いに行けば、それも立派な日帰り旅行。私は小田原近くに住む友人をランチに誘い、近くのエリアを散策しました。

 待ち合わせはJR小田原駅直結のショッピングモール『ミナカ小田原』屋上の足湯。海と山を見渡せる素晴らしい眺望で、旅気分も盛り上がります。ランチはプチ贅沢にお寿司を食べて、観光名所の“海への扉”へ。御幸の浜の防潮堤で、トンネルの先に海が見えてとてもドラマチック。

 小田原文学館で友人と別れ、そのあとは一人行動。ずっと気になっていたギャラリーの『うつわ菜の花』に行ったり、小田原城にも足を延ばして疲れる前に帰宅。大満足な日帰り旅でした」

小暮さん流 旅のおすすめアイテム

 移動は公共交通機関を利用するため荷物は最低限に。その中でも「持っていると安心・便利」な物を紹介!



1・フォークやビニール袋のセット

 観光地の人気のお店は混んでいることも多い。テイクアウトしてホテルで食べられるように、使い捨てのフォークとゴミをまとめるビニール袋を持参。

2・パジャマ代わりのTシャツとパンツ

 ホテルの浴衣が苦手なので、部屋着用に持っていく。コンビニにもふらっと行けるので便利。

3・充電器は思い出のポーチに入れて、忘れるのを防止

 長時間外に出ているため携帯できる充電器は必須。ただ、うっかり忘れることもあるので、昔子どものために作ったポーチに必ず入れると決めて持ち歩きます。

取材・文/松家寛子



小暮涼子さん 子ども3人を育て上げ、リタイアした夫と埼玉県にてふたり暮らし。雑貨やおしゃれが好き。何げない日常をつづったインスタグラム(@ryoko_kogu)が人気。近著に『60代 大人旅の愉しみと工夫』(主婦と生活社)。

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