【お悩み相談】わが子に「おばあちゃま」と呼ばせる義母に嫌気
2025年5月21日(水)6時0分 大手小町(読売新聞)
夫の父母と同居している30代で子持ちの会社員女性です。義母が、7歳の長男に自分と義父のことを「おばあちゃま」「おじいちゃま」と呼ぶよう強要してくるのに嫌気がさしています。めちゃくちゃ庶民的な感じの義母と義父なので、「じぃじ」「ばぁば」で十分お似合いだと思うのですが、子どもがそう呼ぶと激怒して、何度でも言い直させるのです。正直、丁寧すぎる呼び名を強制するのはやめてほしいです。長男を人の顔色をうかがってばかりで

私にも子どもがいて、祖父母との間でいろいろ悩むこともあるので、クッキーさんのお気持ちが本当によくわかります。だからこそ答えは一つではなく、沢山あると思います。私自身、いつも子育てでつまずいて、悩んで、ことあるごとに「どうしたらいいのかな?」と、つい考えてしまいます。きっと子育てにおいて、絶対にこれが正しい!という答えはないのだと思っています。
私は映画制作に関わっているので、起きていることのドラマ性に意識がいくことが多く、その時代背景を読み取ることがよくあります。昭和、平成、令和では常識が全く違っていて、人それぞれに育った時代背景があります。時代背景から読み取ると、これが間違いとも正しいとも言えないなと感じます。しかし、これだけは言えるのは、どの時代であっても、“子どもたちにとってのベストな未来”へと流れていっているということ。
その時代の価値観に合わせるということは難しいですし、なかなか出来ないこと。でも、これからの子どもたちの未来へと向きをそろえていくと、それぞれ時代背景が違うとしても、次へ次へと新しい世代にバトンをつなげていくように、「大事な何か」が伝わっていくのではないかと思います。映画制作をする立場としては、常にその「大事な何か」を、感じ取ろうとしています。
祖父母にとっても、母(クッキーさん)にとっても、「子どもがかわいい」と大切に思っている気持ちに違いはないはずです。苦手なところ、ダメなところに焦点を合わせるのではなく、「この子の将来に自分たちは何ができるんだろう?」ということをテーマに一度話し合ってみるとか。そうすることで、きっとそこから色んなドラマが織りなされ、バトンがつながって、きっと祖父、祖母の呼び方も何がいいのか、母にとっても何がベストなのか、それぞれ何をしたらいいのか、立場も明確になってくるのではないでしょうか。
前を向いて歩むという「向き(方向)」に「良いこと」があるのだと思っています。映画やシナリオ制作の観点からすると、今すぐに答えが出なくても、そこを合わせてさえすれば、“お互いに良いこと”が時代を超えて共有することができ、素敵なドラマがスタートします。
その子の素晴らしい未来を開くのは、孫を大事に思う気持ち、子を愛する気持ち。時代や価値観が違っても、向きをそろえ、流れを変えて、昭和、平成、令和、さらにその先へとみんながハッピーで、同じ方向へ進むことができますように。ご家族みなさんの、幸せを願っています。(映画監督 安藤桃子)