携帯トイレは“1人15~35回分”備蓄を…災害が起きたときの「トイレの備え」について専門家が解説

2024年5月24日(金)19時40分 TOKYO FM+

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25〜8:30)。5月18日(土)の放送では、水ジャーナリストの橋本淳司(はしもと・じゅんじ)さんに「地震で下水道が使えなくなったときに起こること」について伺いました。

※写真はイメージです


今年1月に発生した能登半島地震では、広い範囲で断水が続いたために水洗トイレが使えない状況が続き、改めて災害が起きたときのトイレの備えについて考えるきっかけにもなりました。
地震が起きた後、下水道が復旧するまでどのくらいの時間がかかるのでしょうか? 橋本さん「東日本大震災の被災自治体を例にすると、下水道の仮復旧までに平均34日、最大4ヵ月以上かかっています。また、下水道が敷設されている場所や“液状化してしまって工事ができない”などといった周辺の道路の状況によっても影響を受けます」と説明。
また、水道と下水道の大きな違いとして“菅の太さ”を挙げ、「水道管は大きなものでも直径が大体1メートルぐらいですが、一番大きな下水管になると、2階建ての建物がすっぽり入ってしまうぐらいなんです。つまり(菅が太いほど)復旧までの年数がかかってしまいます。なので、備えとして簡易トイレを準備しておくことが大切になってくると思います」と解説します。
東日本大震災では、発災から3時間以内に3割の方がトイレに行きたくなったというデータがあります。災害用トイレとして真っ先に思いつくのが“仮設トイレ”ですが、避難所にすぐに届くとは限りません。東日本大震災では“3日以内に避難所に仮設トイレが行き渡った”と回答した自治体が3割というデータもあります。
災害時は、携帯トイレ、簡易トイレ、マンホールトイレを使いながら、トイレ環境を確保することが大切です。携帯トイレは、1人につき最低でも15〜35回分は備蓄しておきましょう。マンホールトイレは、避難所のマンホールの上に便器や仕切りを設置するだけで使用できるトイレのことです。実際に東日本大震災や熊本地震では使用されました。
改めて橋本さんは、「簡易トイレを使うにしても、水を流して使ってみるにしても、試しに一度やってみると、いざ被災したときに“こんなふうに使えばいいんだな”というのが分かると思うので、練習しておくのが良いと思います」と言及。
さらには、「トイレというと、ただ単に糞尿が流れていけばいいわけではなく“隔離された空間”がとても重要なんです。女性が“トイレが使いにくい”という理由で食事をセーブしているという話も聞きます。ですから、トイレの役割は衛生を保つためだけでなく“自分たちの尊厳の問題でもあるんだよ”ということを意識して、きちんと準備しておくといいんじゃないかと思います」と話していました。
防災訓練などに参加して、どんな災害用トイレがあるのか、どのように使うのかを考えてみるのもオススメです。
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2024年5月18日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年5月26日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25〜8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

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