遺族間トラブルの半数以上が「兄弟姉妹でもめた」! 「死去後、多額の借金が判明」「遺書の相続内容が不公平」

2022年6月19日(日)18時2分 マイナビ子育て

「コトダマ」を運営するCONNECTは、家族が終活をしておらず遺族間トラブルを経験した人と司法書士、行政書士を対象に「終活と遺族間トラブル」に関する調査を実施しました。

「終活」をしなかったために、思わぬトラブルに発展することも……

「終活」という言葉が世に浸透し始めて長らく経ちますが、実際に終活に取り組んだことのある人はどれくらいいるのでしょうか?

亡くなった人が全く終活をしていなかったことにより、思わぬトラブルや遺族間での争いに発展してしまうケースも少なくありません。実際にどんな遺族間トラブルがあるのでしょうか。

遺族間でのトラブル、最も多いのは【兄弟・姉妹間トラブル】!?

はじめに、どのような遺族間トラブルが多いのか調査したところ、遺族間トラブルを経験した人と、司法書士・行政書士それぞれの回答は以下のようになりました。

遺族間トラブルを経験した人の半数以上が兄弟・姉妹間でのトラブルを経験したと判明しました。

一方で、司法書士・行政書士の回答として、「遺書」に関連する回答が上位を占める結果となりました。

■遺族の間で起こった相続トラブルエピソード・故人が誰にも言わずに多額の借金を残して死去し、その返済で子供同士が揉めた(40代/男性/宮崎県)・遺言書を個人で調べて作成したようだが内容が不十分となり効力がなかった(50代/男性/東京都)・資産(遺産)がどこにどれだけあるのか不明なため相続の可否や手段を決められなかった(50代/男性/長野県)・遺書に記載された相続の不公平で遺族間で争いが起きた(50代/男性/奈良県)

それまで仲の良かった兄弟や姉妹であっても、骨肉の争いになったという回答が多く寄せられました。相続がきっかけで不仲になってしまうようなことは、できるだけ避けたいものですね。

もしトラブルになってしまったら…解決に必要な費用は「50万円」

次に、トラブルが解決に至るまでの時間や費用はどのくらいなのか調査しました。

「トラブルを解決するまでにどれくらいの時間がかかりましたか?」と質問したところ、それぞれの回答は以下のようになりました。

※司法書士、行政書士は、解決までにかかる平均時間を回答

遺族間トラブルを経験した人のおよそ3割が、未だ解決していないと回答。半年から1年かかったという人も約2割いることから、トラブル解決には時間を要することがわかります。

一方、司法書士・行政書士の26%が1ヶ月程度で解決したと回答。一般の人だけで解決するのは、なかなか難しいのが相続問題と言えそうです。

次に、トラブルを解決するためにかかった費用について聞きました。 「トラブルを解決するまでにどれくらいの費用がかかりましたか?」と質問したところ、それぞれの回答は以下のようになりました。

【遺族間トラブルを経験した人】『1万円未満(22.3%)』『6〜10万円程度(16.5%)』『21〜50万円程度(16.0%)』『11〜20万円程度(14.9%)』『1万〜5万円程度(11.1%)』

【司法書士・行政書士】『6〜10万円程度(32.8%)』『11〜20万円程度(26.2%)』『21〜50万円程度(16.5%)』『1万〜5万円程度(13.9%)』『1万円未満(4.8%)』※司法書士、行政書士は、解決までにかかる平均金額を回答

遺族間トラブルを経験した人の約2割が1万円未満で解決できたと回答し、司法書士・行政書士の約3割が6〜10万円程度が平均金額であると回答。プロに依頼した場合とそうでない場合で、金額にも差が出ることがわかりました。

また、21〜50万円と回答した人も少なくないことから、遺族間トラブルの解決には多額の費用がかかる可能性があることも明らかになりました。

個人の終活でトラブルを避けられる?当事者と専門家との間で意見に差も

ここまでの調査で、遺族間トラブルの解決には多額の費用がかかる可能性があることが浮き彫りとなりました。

では、そもそも遺族間トラブルは個人が行った終活の内容だけで充分に解決できるのでしょうか。

「遺族間トラブルは個人の終活だけで解決できると思いますか?」と質問したところ、遺族間トラブルを経験した人、司法書士・行政書士それぞれの回答は以下のようになりました。

遺族間トラブルを経験した人のおよそ6割が、個人の終活だけでトラブルを解決するのは難しいと回答。個人の終活だけに頼っていた結果、遺族間トラブルが起きてしまい後悔している人が多いのではないでしょうか。

そこで、トラブルを未然に防ぐために必要なことは何か聞きました。

■遺族間トラブルを未然に防ぐために取り組むべきこととは?・生前、早い内に遺書を用意する。トラブルになった時の為に、頼れる人を探しておく(30代/女性/埼玉県)・遺書を公正証書として残す。 銀行口座・証券口座などは整理してまとめておく(30代/女性/東京都)・正式な遺言書の作成。相続人にあらかじめ連絡等があれば揉める事も少ないと思う(40代/男性/三重県)・事前に遺言書を正式に法的効力があるものを作成し信頼できる方に預けておく事(50代/男性/長崎県)

正式な遺言書の作成および、財産の管理を徹底するという回答が多く寄せられました。また、事前に相続人にきちんと話をして納得してもらうという回答もありました。

個人の終活が抱えている課題、第1位は「書類の不備」

遺族間トラブルを実際に経験した人は、個人の終活だけでは充分でないと感じている人がおよそ6割いることが明らかになりました。

そこで、個人の終活が抱える課題にはどのようなものがあるのかを、司法書士・行政書士に尋ねました。

「個人の終活が抱えている課題は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「書類に不備がある可能性がある(44.5%)」と回答した人が最多に。

次いで「手間と時間を要する(41.0%)」「専門的な知識が少ない(38.5%)」「家族の協力が必要(33.4%)」「家族の同意が得られない可能性がある(24.6%)」と続きました。

書類の不備が生じている可能性があることや、手間と時間を要する、専門店知識が必要といった回答が上位を占める結果となりました。では、今後どのような点を解消していくべきなのでしょうか。

■個人の終活で、解消すべき問題点とは?・エンディングノート的なものを残しておいてもらう(40代/東京都/女性)・明確な証書(40代/男性/大阪府)・家族間と第三者を交えて決めるべきことはしっかりと決めておき、いざとなったとき言った言わないの根本的トラブルを防ぐことが何よりも重要(40代/男性/埼玉県)・生前から意思疎通をとっておく(60代/女性/東京都)

などの回答が寄せられました。生前から意思確認をし、適切な書類を作成することが重要であることがわかりました。

調査概要

「終活と遺族間トラブル」に関する調査【調査期間】2023年7月8日(土)〜7月14日(金)【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査【調査対象】調査回答時に 家族が終活をしておらず遺族間トラブルを経験した人/司法書士/行政書士 と回答したモニター【調査人数】1,024人【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

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