研究開発者の新卒採用が増加…民間企業の研究活動調査

2022年6月23日(木)18時45分 リセマム

研究開発者の能力向上のための取組み

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文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は2022年6月22日、「民間企業の研究活動に関する調査報告2021」を公表した。研究開発者を新卒採用した企業は顕著に増え、女性研究者の新卒採用も前年度より8.2ポイント上昇した。一方、博士課程修了者は、新卒採用、中途採用ともに低調だった。

 「民間企業の研究活動に関する調査」は、民間企業の研究開発活動に関する基礎データを収集し、科学技術政策の立案・推進に資することを目的に毎年実施している。2021年度調査では、資本金1億円以上かつ社内で研究開発を行っている企業1,891社から回答を収集した。

 研究開発者(新卒)を採用した企業の割合は、2014年度から2017年度まで4年連続で増加した後、2018年度と2019年度は2年連続で減少したが、2020年度は46.5%と、前年度より8ポイントの増加となった。女性研究者(新卒)は、前年度比8.2ポイント増の29.1%だった。

 学歴・属性別にみると、学士号取得者(新卒)と修士号取得者(新卒)は、2018年度と2019年度は2年連続で減少したが、2020年度は顕著な増加となった。一方、博士課程修了者(新卒)は、2017年度に8.3%となった後、3年連続で減少。2020年度は6.0%と、2014年度以降でもっとも小さい割合となった。

 一方、中途採用を行った企業の割合は27.6%と、前年度の32.4%より大幅に減少。博士課程修了者の採用は依然として低調だった。

 今回、研究開発者の能力向上のための取組みについて初めて調査した。社会人大学院生としての大学院通学と、論文博士による博士号取得をサポートしている企業の割合は、いずれも13%台。博士課程修了者を採用した企業の割合(9.6%)より高いことが明らかになった。

 研究開発者として博士課程修了者を採用しない理由については、9年ぶりに調査。「自社と博士課程修了者のマッチングがうまくいかなかったため(応募がない、必要とする専門分野の博士課程修了者が見つからない等)」と、マッチングの問題を指摘する回答が52.6%にのぼった。

 2020年度における新型コロナウイルス感染症流行の影響については、「実施中の社内の研究開発活動の縮小」を実施または決定した企業の割合が35.5%あった。一方で、「新たな研究開発プロジェクトの立ち上げ」を実施または決定した企業の割合も34.8%あり、新たな研究開発活動につながるような影響もあったことがわかった。

 調査の報告書は、NISTEPのWebサイトで公開している。

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