【自由研究】分子について考えながらつくってみよう「レジンアクセサリー」
2022年8月8日(月)9時45分 リセマム
筑波大学で、科学に強い関心をもつ小中高校生のための科学教育プログラムを企画・運営しているサイエンスコミュニケーター・尾嶋好美氏の著書「おうちで楽しむ科学実験図鑑」(SBクリエイティブ)より、身近なものから科学への興味がふくらみ、目にも楽しい科学実験を紹介する。
レジンを使って好みの小物をつくろう
100円ショップなどでも見かけるようになった「UVレジン液」。UVは、紫外線(Ultra Violet)のこと、レジン(resin)は樹脂のことです。べっ甲や琥珀なども樹脂ですが、現在、レジンといえば、人工的につくられた合成樹脂のことをさします。
UVレジン液は紫外線をあてると、数秒〜数分で固まります。さまざまな色のUVレジン液や、固めるための型が売られているので、自分が好きな色、好きな形のアクセサリーなどをつくることができます。小さなドライフラワーやラメといった、好きなものを入れることができるのも、レジン細工の楽しさです。オリジナルの作品をつくってみましょう。
UVレジンのいろいろ
UVレジンは、接着剤として、電子部品・光学部品などの精密部品、半導体など、いろいろなものに使用されています。3Dプリンターの中にはUVレジンを「インク」として使っているものもあり、試作品やオーダーメイドのパーツなど、さまざまなものがつくられています。UVレジンは、私たちの暮らしに欠かせないものだったのですね。
レジンアクセサリーをつくる
解説:レジンの正体
液体だったUVレジンが、UVライトをあてると固体に変わりました。これは、液体のときは小さな分子*だったレジンに光があたることで、分子どうしが次々にくっついていき、大きな分子になって固まったからです。このように、光のエネルギーによって液体を固体に変化させることを「光硬化」と呼びます。そして、光硬化をする樹脂のことを光硬化樹脂といいます。
光硬化樹脂は、さまざまなところで使われています。歯医者さんで、虫歯をけずったあと、何かを詰められ、光をあてられたことはないでしょうか? 光をあてるまでは固まらず、光をあてると短時間で固まる光硬化樹脂は、とても便利なのです。つめをラメやライトストーンなどで美しく飾る「ジェルネイル」も、光硬化樹脂を使用したものの1つです。
光硬化樹脂の種類によって、固まるのに必要な光の波長はちがいます。「光をあてても固まらない」という場合は、使った樹脂がどの波長で固まるのかを確認しましょう。そして、自分のもっているライトで固まらなかった場合、太陽光にあてるという方法もあります。太陽光には、さまざまな波長の光がふくまれているためです。固まるまで少し時間がかかることもあるので、ほかの人がさわらないところに置いておきましょう。
*分子は物質を構成する小さなつぶのこと。分子はさらに小さな「原子」でできている
(協力:SBクリエイティブ、写真:香野 寛)