ツッコミどころ満載の唯一無二な私鉄路線『山万ユーカリが丘線』に乗ってきた / 「車内にエアコンが無い」「駅名がザックリすぎる」など
2024年8月15日(木)14時0分 ロケットニュース24
本格的に真夏へと突入して、朝から炎天下の日々が続く。毎朝の通勤も家から出て汗だくになりながら、冷房がキンキンに効いた電車に乗ったときの幸福感はハンパない。
しかし、こんな灼熱にもかかわらず、エアコンが無い私鉄路線がある……それが千葉県佐倉市にある「ユーカリが丘線」と呼ばれる『山万ユーカリが丘線』だ。
しかもこの電車、それ以外でも他の路線にはないツッコミどころ満載の内容がズラリ! そんなわけで、不思議な路線の魅力に迫ってみよう!
・ICカードは使えないけど最先端な入場方法
「ユーカリが丘線」は、東京と成田をつなぐ「京成電鉄」の「ユーカリが丘駅」から乗り継ぐことができる。
改札を出て左に進むと、ショッピングモールやタワーマンションが立ち並ぶ、ニュータウンが姿を現す。
そのニュータウンを繋いでいるのが、「ユーカリが丘線」だ。その始発駅でもあり、終着駅が「ユーカリが丘駅」である。
「ユーカリが丘駅」へは、京成線から建物を出ずに出口手前に右に曲がり、直進していく。
そうすると、突き当たりに改札口がある。
しかし、PASMOなどのICカードは一切使えない。なので、券売機から現金で購入するしかない。
乗車券は一律200円。このご時世に切符を現金で購入したのは、何年振りなんだろう?
改めて券売機を見ると、「QR乗車券のご利用方法」なるものが記載してある。
よく読んでみると……
「えっ? 顔認証??」
たしかに自動改札機に、見慣れないタブレットみたいなものが置いてある。
何だろ? これ。よくわからないが、とりあえず切符をかざしてみると……
全然入れない。
そうすると、駅員さんから「自動改札機の側面にある読み取りのところに、QRをかざしてくださ〜い」と声がかかる。言うとおりにやってみると……
あっ、普通に入れた。
えっ、結局顔認証って……後から調べたところ、事前にクレジットカードの登録が必要らしい。なので、ユーカリが丘線を頻繁に使う人向けのサービスのようだ。
・車内にエアコンが無い! しかし…
改札を抜け、「ユーカリが丘駅」のホームに到着。
ホームからの街並みは、都市部を思わせる景観だ。
本数は、1時間に平均3本程度。地方の沿線より本数はあるように感じられる。
待合室は、ガンガンに冷房が効いていて気持ちいい。
ただ涼んでいたら、何やら不思議な張り紙がある。
「冷やしおしぼり はじめました」
どういうことだろう? よく見ると「うちわ」も配布しているらしい。そして、車両が到着。
車内は普通の電車に比べると狭めで、少し古いタイプのようだ。
しばらくすると、ある違和感に気づく。それは……
_人人人人人人人人人人_
> エアコンが無い! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
そう、このユーカリが丘線はエアコンはおろか、扇風機すら無いのだ。その代わりに、上部の窓を全開にして風を取り込んでいる。
ふと上を見上げると、またもや……
「つめたぁ〜い おしぼり あります」
と書かれている。そして……
「おしぼり」と「うちわ」を発見!
ケースを開けてみると……
キンキンに冷えてやがるぜ〜!
氷代わりのペットボトルに、おしぼりが冷やされている。アナログ的ではあるが、何だかほっこりした。おしぼりを取り出して、顔を拭くと冷房にはない清涼感が何とも言えない。
さらに、うちわを顔に向けて扇(あお)ぐと、メチャクチャ気持ちいい。
そして窓から入ってくる風も心地よく、エアコンが無くても十分涼しめる。無機質なエアコンの冷気にはない健康的なクールダウンができるのは、ある意味で特別な体験なのではないだろうか?
・ザックリすぎる駅名
駅を出発して、約15分のユーカリが丘線一周の旅が始まる。駅は全部で6駅。
「ユーカリが丘」を出発して、最初に到着するのは「地区センター」。
そこから少し行くと、次の駅は「公園」。
ここには「ユーカリが丘南公園」という大型の公園があるらしいが、駅名は「公園」とだけ表記されている。
この駅から、グルっと反時計回りで周回する。次に到着したのは「女子大」。
ちなみにこの地域に女子大は無く、駅前には和洋女子大のセミナーハウスがあるだけだ。
そして「女子大」の次は、これまたシンプルな駅名の「中学校」。
近くに「井野中学校」という学校があるので、この駅名になったらしい。じゃあ「井野」どこ行った? というと……
次の駅にあった。
これで6駅全てに停車したわけだが、駅名を並べると……
・ユーカリが丘
・地区センター
・公園
・女子大
・中学校
・井野
と、全体的に超ザックリとした感じだ。特に地区センターから中学校までの4駅は、「えっ? 秒で駅名考えた??」と首を傾げてしまうほど。
そして「公園〜地区センター〜ユーカリが丘」と戻り、約15分の旅は終了した。
・唯一無二の路線
これまでのユーカリが丘線のツッコミポイントをまとめてみると……
・ICカードが使えないのに、最先端の顔認証パスを導入している
・エアコンが無い代わりに、おしぼりとうちわが車内に完備されている
・駅名がザックリしすぎ
これがユーカリが丘線、唯一無二の個性でもある。ある意味、この路線自体が「入場料200円で約15分楽しめるアトラクション」といっても、過言ではないのかもしれない。
特に円形の路線に差し掛かると、外側はニュータウンの風景、内側は自然あふれる景色というコントラストが乗車していて楽しくて仕方ない。
そんなわけで、このユーカリが丘線。東京から電車で行く場合は成田空港までの経由地でもあるので、成田から飛行機を利用する人は、途中で立ち寄ってみるもの面白いのかもしれないぞ!
参考リンク:山万ユーカリが丘線
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
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しかし、こんな灼熱にもかかわらず、エアコンが無い私鉄路線がある……それが千葉県佐倉市にある「ユーカリが丘線」と呼ばれる『山万ユーカリが丘線』だ。
しかもこの電車、それ以外でも他の路線にはないツッコミどころ満載の内容がズラリ! そんなわけで、不思議な路線の魅力に迫ってみよう!
・ICカードは使えないけど最先端な入場方法
「ユーカリが丘線」は、東京と成田をつなぐ「京成電鉄」の「ユーカリが丘駅」から乗り継ぐことができる。
改札を出て左に進むと、ショッピングモールやタワーマンションが立ち並ぶ、ニュータウンが姿を現す。
そのニュータウンを繋いでいるのが、「ユーカリが丘線」だ。その始発駅でもあり、終着駅が「ユーカリが丘駅」である。
「ユーカリが丘駅」へは、京成線から建物を出ずに出口手前に右に曲がり、直進していく。
そうすると、突き当たりに改札口がある。
しかし、PASMOなどのICカードは一切使えない。なので、券売機から現金で購入するしかない。
乗車券は一律200円。このご時世に切符を現金で購入したのは、何年振りなんだろう?
改めて券売機を見ると、「QR乗車券のご利用方法」なるものが記載してある。
よく読んでみると……
「えっ? 顔認証??」
たしかに自動改札機に、見慣れないタブレットみたいなものが置いてある。
何だろ? これ。よくわからないが、とりあえず切符をかざしてみると……
全然入れない。
そうすると、駅員さんから「自動改札機の側面にある読み取りのところに、QRをかざしてくださ〜い」と声がかかる。言うとおりにやってみると……
あっ、普通に入れた。
えっ、結局顔認証って……後から調べたところ、事前にクレジットカードの登録が必要らしい。なので、ユーカリが丘線を頻繁に使う人向けのサービスのようだ。
・車内にエアコンが無い! しかし…
改札を抜け、「ユーカリが丘駅」のホームに到着。
ホームからの街並みは、都市部を思わせる景観だ。
本数は、1時間に平均3本程度。地方の沿線より本数はあるように感じられる。
待合室は、ガンガンに冷房が効いていて気持ちいい。
ただ涼んでいたら、何やら不思議な張り紙がある。
「冷やしおしぼり はじめました」
どういうことだろう? よく見ると「うちわ」も配布しているらしい。そして、車両が到着。
車内は普通の電車に比べると狭めで、少し古いタイプのようだ。
しばらくすると、ある違和感に気づく。それは……
_人人人人人人人人人人_
> エアコンが無い! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
そう、このユーカリが丘線はエアコンはおろか、扇風機すら無いのだ。その代わりに、上部の窓を全開にして風を取り込んでいる。
ふと上を見上げると、またもや……
「つめたぁ〜い おしぼり あります」
と書かれている。そして……
「おしぼり」と「うちわ」を発見!
ケースを開けてみると……
キンキンに冷えてやがるぜ〜!
氷代わりのペットボトルに、おしぼりが冷やされている。アナログ的ではあるが、何だかほっこりした。おしぼりを取り出して、顔を拭くと冷房にはない清涼感が何とも言えない。
さらに、うちわを顔に向けて扇(あお)ぐと、メチャクチャ気持ちいい。
そして窓から入ってくる風も心地よく、エアコンが無くても十分涼しめる。無機質なエアコンの冷気にはない健康的なクールダウンができるのは、ある意味で特別な体験なのではないだろうか?
・ザックリすぎる駅名
駅を出発して、約15分のユーカリが丘線一周の旅が始まる。駅は全部で6駅。
「ユーカリが丘」を出発して、最初に到着するのは「地区センター」。
そこから少し行くと、次の駅は「公園」。
ここには「ユーカリが丘南公園」という大型の公園があるらしいが、駅名は「公園」とだけ表記されている。
この駅から、グルっと反時計回りで周回する。次に到着したのは「女子大」。
ちなみにこの地域に女子大は無く、駅前には和洋女子大のセミナーハウスがあるだけだ。
そして「女子大」の次は、これまたシンプルな駅名の「中学校」。
近くに「井野中学校」という学校があるので、この駅名になったらしい。じゃあ「井野」どこ行った? というと……
次の駅にあった。
これで6駅全てに停車したわけだが、駅名を並べると……
・ユーカリが丘
・地区センター
・公園
・女子大
・中学校
・井野
と、全体的に超ザックリとした感じだ。特に地区センターから中学校までの4駅は、「えっ? 秒で駅名考えた??」と首を傾げてしまうほど。
そして「公園〜地区センター〜ユーカリが丘」と戻り、約15分の旅は終了した。
・唯一無二の路線
これまでのユーカリが丘線のツッコミポイントをまとめてみると……
・ICカードが使えないのに、最先端の顔認証パスを導入している
・エアコンが無い代わりに、おしぼりとうちわが車内に完備されている
・駅名がザックリしすぎ
これがユーカリが丘線、唯一無二の個性でもある。ある意味、この路線自体が「入場料200円で約15分楽しめるアトラクション」といっても、過言ではないのかもしれない。
特に円形の路線に差し掛かると、外側はニュータウンの風景、内側は自然あふれる景色というコントラストが乗車していて楽しくて仕方ない。
そんなわけで、このユーカリが丘線。東京から電車で行く場合は成田空港までの経由地でもあるので、成田から飛行機を利用する人は、途中で立ち寄ってみるもの面白いのかもしれないぞ!
参考リンク:山万ユーカリが丘線
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
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