樹海で自殺者撮影のユーチューバーが「地球平面説は正しい」と主張? 洗脳されるファン出現の危険…南極探検で新たな波紋

2019年4月15日(月)10時0分 tocana

 一昨年末、アメリカから来日したユーチューバーの炎上騒動を覚えているだろうか。ローガン・ポールと弟ジェイクは、富士の樹海で死者を冒涜する動画投稿を行い、世界中からバッシングを受けた。当然だ。しかし、その禊を済ませたらしい彼らは、すでに次のプロジェクトに着手していたのだった——。


■ローガン・ポール「地球は真っ平ら」


 2018年11月、アメリカのコロラド州デンバーでは「地球平面国際会議(Flat Earth International Conference)」という奇妙な集会が催されていた。創設者のロビー・デビッドソン氏が各国のフラット・アーサー(地球平面説を信じている人)たちに声をかけ実現した。会場を埋め尽くす観衆が見守る中、舞台にはあのローガンの姿があった。


 彼は真剣な面持ちで声明を発表したという。「地球は真っ平ら」だと。


 地球が球体であることは常識であり、科学的にも証明されているのだが、ローガンは異議を唱える。「地球は平面である。それをこの目で確かめて科学的に実証する」と息巻く。そのために、あろうことか南極まで遠征しようというのだ。弟のジェイクも「地の果てまで行って、俺がしっかと見届けてやる」と言い出す始末。


 さらに、ローガンは地球温暖化からロズウェル事件、ビッグフットの目撃情報に至るまで、新旧の陰謀説を引き合いに出し、「科学者たちは、真実を覆い隠そうとしています。我々を黙らそうとしている」と糾弾。


 この度肝を抜く宣言は彼らのドキュメンタリー映画『フラットアース:世界の果てまで行って見てくる(The Flat Earth: To The Edge And Back)』のリリースに先駆け行われた。予告編を見ると、まるでデキの悪い“都市伝説”モノの番宣のようだが、実はこの映画、ドキュメンタリーの形をとった茶番劇なのだ。


 とはいえ、どんな荒唐無稽な内容であっても、ポール兄弟級のインフルエンサーの発言に、すっかり洗脳されてしまう観客が出ないとは言い切れない。すでに、科学者たちからは批判の声も上がっているという。


■地球は丸いと考えるミレニアル世代は66%


 英国のリサーチ会社「YouGov」が、アメリカに住む8,215人の成人を対象に行った世論調査では、84%が「地球は丸い」と回答している。だが、18歳〜24歳の、いわゆる「ミレニアル世代」に限定すると、これが66%にまで落ち込んでしまう。これは由々しき事態ではなかろうか。ただ、ひょっとしたら「そんなこと常識だろう」というのは、アタマが固くなった世代のマインドセットなのかもしれない。そんなふうに常識を疑ってみることも確かに大事だ。


 ローガン人気は、すでに陰りを見せている。昨日までのスーパースターが一夜明ければ、見向きもされなくなるのはユーチューバーの宿命だが、彼がこれほど大掛かりな悪ふざけを敢行する理由が、失った栄光や動画のアクセス数を取り戻すためだとしたら、正真正銘、まさに死にものぐるいなんだろう。


「Express」の記事より
 かつて、ローガンの美しい横顔からは無邪気な笑顔がこぼれていた。しかし今の彼には緊張感が漂っている。ジョークを必死に連発しながら、オチがどこにあるか、本人すらわからなくなってしまっているのかもしれない。


文=佐藤Kay

tocana

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