足元に落ち着きと品位を、エレガントシックな「ブラックスニーカー」5選

2023年8月28日(月)12時0分 JBpress

今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 黒という色に対して、ハズレのない定番・安全牌というイメージを持っている人も多いが、ある時代までファッション、とりわけモード界では死や反抗を意味する色として、タブー視さえされていた。そんな固定観念に風穴を開けたのがヨウジヤマモトであり、コム・デ・ギャルソンである。1982年のパリコレにおいて、全身を黒一色で覆ったコレクションを発表し、激震を走らせた両ブランド。これが世に言う“黒の衝撃”だ。以降、黒はシーンやスタイルを選ばぬ万能色という地位を得る。

 そしてさらに時は進み、現在。未曾有のパンデミックにより人々のライフスタイルが大きく変化したことで、オン・オフ兼用の汎用性がキーワードに浮上。そこに大人の足元にふさわしい落ち着きと品位を与えて誕生したのが、エレガントシックな“ブラックスニーカー”である。革靴ほどのドレス度はなくとも、上質なレザー使いでちょっといいレストランに行けるほど品格を備えている。ましてやスニーカーソールで履き心地の良さも十分。

 ここでは、クラフツマンシップを感じさせる5つのシューズブランドが手掛けるモデルをご覧いただくとしよう。革靴ラバーをも振り向かせる“逸足”揃いだ。

1. J.M. WESTON「CANASTA ELASTIC SNEAKER」


漆黒のレザーとエラスティック構造が洗練されたフォルムを際立たせる

 1891年の創業以来、長年履ける堅牢な靴作りを信条としてきたフランスの老舗シューメーカーといえば、ジェイエムウエストンに他ならない。

 本作においてもフランスブランドらしいエレガントな美意識と、熟練の職人による卓越した技術は健在。オペラパンプスのように上品でミニマルなデザインに、ステッチを表に出さない縫製技法が加わることで、洗練されたフォルムが一層際立つ。

 またエラスティック構造を採用しているので、脱ぎ履きも容易かつストレスフリー。艶感を抑えた上質なレザーとラバーソールのコンビも実にシック。幅広い装いに馴染み、日常を共に歩むパートナーとなり得る一足だ。

2. YOAK「SUEDE SALTY」


シンプルな見た目でコンフォータブルに仕上げられた“特別な日に履く靴”

 東京で半世紀以上営むシューズファクトリーにおいて、熟練の技を持つ職人の手で生み出されるヨークのプロダクトに、黒が持つ汎用性の高さが加わるとどうなるか。その答えがこのニューモデル。

 極力すべてのパーツを省いて構成された内羽根タイプのアッパーには摩擦堅牢性に優れ、汚れにも強く高い撥水性を誇るピッグスウェードを採用。さらにライニングにも豚革を贅沢に使うことで、素材本来の風合いや柔らかさを保ちつつ、足全体を包み込む心地良いフィッティングを叶えている。

 普遍的なものに新たなアプローチを得意とする同ブランドらしく、インソールには低反発メモリーフォームを仕込む気配りも。シンプルな見た目に反してコンフォータブルな仕上がりとなっている。

3. Paraboot「MALIBU」


名作「バース」の遺伝子を受け継いだタウンユースなデッキシューズ

 ベーシックを尊ぶ人々に支持されるパラブーツのデッキシューズの名作「バース」を基に、よりタウンユース指向にアレンジされた「マリブ」が、愛好家たちの熱いラブコールに応えて復刻。

 甲部分を低めに設計したロープロファイルなフォルム、かかと部分にあしらわれたキッカーバック、一枚革のアンラインド仕様といった特徴的なディテールを余すことなく継承しつつ、濡れた甲板上でも防滑性を発揮しつつ足音が出にくいマリンソールへと変更。

 さらにアイレットを5アイレット仕様に改良したことで、軽快かつスニーカーライクに。これにより見た目に変化をもたらしただけでなく着用時のホールド感も向上。優れた履き心地のみならず、レザーであるがゆえ経年変化も楽しめる。

4. Sergio Rossi「SR1 ADDICT」


都会的モノトーン配色と美しい光沢を放つ上質なレザーのマリアージュ

 一流革靴メーカーを数多く輩出するイタリアで、1951年に創設されたセルジオ ロッシ。70年以上の歴史を誇るこのラグジュアリーシューズブランドが生み出すシューズは、マテリアルにこだわり、クリーンで美しいラインと完璧なカットで見る者を魅了する。

 今回のレースアップタイプ「SR1 アディクト」もまた然り。アッパーサイドとヒールにさりげなく添えられたロゴ以外はひたすらシンプルで、一言で表すならばミニマル。厚めのラバーソールとの黄金比、そして都会的なモノトーン配色と美しい光沢を放つ上質なレザー素材によるマリアージュが、元来のエレガントな雰囲気に拍車をかける。白ソールのブラックスニーカーをお探しならば、ぜひ選択肢に加えたい。

5. Santoni「GLORIA 3」


スポーティなシルエットと職人の手作業により生み出される意外性

“トラディション&イノベーション”を掲げ、伝統的なクラフツマンシップとモダンなイタリアンエレガンスが融合したシューズを展開してきたサントーニ。同社は1975年の創業時から変わることなく、職人の手による本物のメイド・イン・イタリーを貫いていることでも知られる。

 本作においても、スポーティなシルエットと非常にソフトで上質な牛革で描かれた立体的なボディの組み合わせに、メゾンの象徴的カラーであるオレンジをサイドステッチとアウトソールに刻まれたロゴに配置することによって、これまでにない新鮮なテイストを創出。あらゆるシーンに対応するのみならず、ワードローブにクラス感を添える抜群の存在感も、まさに革新的一足と呼ぶにふさわしい。

筆者:TOMMY

JBpress

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