家庭における災害の備え「十分ではない」9割、必要性は認識

2020年8月28日(金)9時15分 リセマム

家庭における災害の備えは十分だと思うか

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20代〜60代の9割以上が「災害に対して、日ごろから備えることは大切」と実感していながら、約9割が家庭における災害の備えが「十分ではない」と感じていることが、旭化成ホームプロダクツが2020年8月27日に発表した調査結果より明らかになった。

 「防災意識と備えに関する調査」は、全国の20代〜60代の男女700名を対象に実施した。調査期間は2020年8月1日〜2日。

 大規模災害の被災経験がある219名に「被災時に困ったこと」を聞いたところ、「電気、ガスが使えない(照明や家電、スマートフォンが利用できない)」56.2%がもっとも多く、「情報が届かない(テレビ、ラジオなどによる)」29.2%、「食料品が足りない」24.2%などが続いた。

 被災経験がない481名に「被災時に困ると思うこと」を聞くと、「飲み水・水が足りない」59.5%が最多。ついで、「電気、ガスが使えない(照明や家電、スマートフォンが利用できない)」57.4%、「衛生状態が悪い」49.7%などとなった。

 災害に対して日ごろから備えることが「大切」と回答した人は95.1%。しかし、88.3%が家庭における災害の備えは「十分でない」と回答している。

 災害への備えとして実際に行っていることは、「食料品、生活用品を備蓄する」50.7%、「自宅の被災可能性を把握する(ハザードマップを見るなど)」43.9%、「自宅周辺の避難場所、避難経路、危険な場所を確認する(地図を確認する、防災散歩をするなど)」40.8%などが多い。災害の備えに費やす時間の年間平均はわずか10.1分であった。

 直近の国内情勢や災害被害状況を踏まえて、防災訓練は「必要性がある」と感じている人は85.8%。しかし、防災訓練を「5年以内に実施・参加していない」人は78.6%で、全国推計で6,112万人にのぼる。

 家庭内で防災対策について「話し合えていない」人は64.9%。防災対策について話し合うために1年あたりに費やす時間は「10分未満」45.7%、「10分〜30分」33.8%で、家庭内で防災対策について話合いができていない実態が明らかになった。

 直近の国内情勢や災害の発生状況を踏まえた災害の捉え方を聞くと、58.6%が「地震など災害が頻発している分、逆に、災害への慣れが生じているのかもしれない」と回答している。また、「自然災害対策に加えて、コロナ対策もあり、現在の災害への備えは複雑になっている」ことについて、77.0%が「そう思う」と回答。75.0%が「職場・学校などと違って、自宅の災害への備えは十分ではないと思う」と回答している。

 自宅にある日用品・キッチン用品を防災に役立てるアイデア・活用法について、「聞いたことはあるが内容は良く知らない」41.3%、「聞いたことがない」33.0%と、認知率は低かった。しかし、日用品・キッチン用品を防災に役立てるアイデア・活用法を「知りたい」と回答した人は74.6%、「家の中でできる防災訓練があったら実施してみたい」と67.6%が回答している。

 調査結果を受けてレスキューストックヤードの常務理事 浦野愛氏は、家族で「在宅防災訓練」に取り組むことを勧めている。在宅防災訓練のやり方は、避難生活を送る場合を想定し、家族がどんなことに困るのかをイメージする。その困りごとを解決するための工夫や、家にある身近な日用品がどの程度役立つのかを考え、防災バッグを準備したりして、実際に試してみると良いという。

 旭化成ホームプロダクツでは、特設Webサイト「#家でも防災訓練してますか もしものときのサランラップ活用術」で、在宅防災訓練で実施してほしいことをまとめた「在宅防災訓練チェックリスト」を公開している。Webサイトでは、災害時に役立つ8種類のサランラップ活用法も紹介している。

リセマム

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