「左利きが使ったボールペンは壊れやすい」当事者の叫びに 共感の嵐!→文具メーカーを直撃したものの...
2021年9月3日(金)11時0分 Jタウンネット
博報堂生活総研が2020年に行った「生活定点」調査によると、日本人の5.8%は左利きだ。
右利きの人が何の気なしに使っている道具でも、左利きの人にとっては使いづらい場合がある。
例えば、ハサミ。いわゆる「普通」のハサミは、持ち手の形や2枚の刃の合わせ方が左利きの人にとっては握りにくく、切りにくい形状をしているのだ。
また、左右の縛りが一見なさそうなペンにも、こんな難点があると話題になっている。
「左利き界隈では『左利きが使ったボールペンは壊れやすい』というクソ現象が割とメジャーに起こっていることを認知してほしい。
左→右に書く現代の習慣では、左手で筆記具を持つとボールを押し込む方向に使い続けることになってしまうので陥没などしてすぐインクが出なくなる」
これは、ツイッターユーザーのバンバンドリ(@bangdream_bird)さんが2021年8月20日に投稿した呟き。
共感した人は多いのか、9月2日夜時点で1万3000件ほどの「いいね」が集まっているほか、こんなリプライも寄せられている。
「長年の謎が解けた」
「私も!最後まで使えたものはありません」
「筆圧ゴリラなせいだけじゃなかったのか」
書くときも食事のときも常に左利きだというバンバンドリさんは、uni「パワータンク」というボールペンを18年から使い続けているそうで、「(壊れやすい現象を)回避できているので気に入っています」と、おすすめしている。
他のペンと何か違いがあるのだろうか。Jタウンネット記者は24日、uni「パワータンク」を製造する三菱鉛筆(本社=品川区)を取材した。
「聞いたことがありません」
「左利きが使ったボールペンは壊れやすい」という話は、はたして本当だろうか。
取材に応じた三菱鉛筆の広報担当者は、
「左利きの方では壊れやすい、というのは聞いたことがありません」
と、答えた。
「ただ、(左手でペンを持つと)紙の上で乾く前のインクに手が触れて、インクが伸びてしまうということは起こりやすいかもしれません」
とのこと。
少なくとも、ボールペン自体が壊れやすいという認識はないようだ。
では、uniの「パワータンク」を左利きの人がおすすめしている件はどうだろう。何か他のペンとは違う特徴があるのだろうか?
「パワータンクは、本来はカレンダーなど垂直になった紙に書く際、ペンを上向きにしても書けるよう開発された製品です。
ですが、以前にとあるメディア様で『左利きの人におすすめの文房具』として紹介されたことがあります。公式として、パワータンクを『左利きの人向け』と押し出しているわけではないですが......」(広報担当者)
どうやら、「パワータンク」が書きやすいと感じている左利きの人は一定数いるようだ。
やはり右利きと左利きではペンの使い心地に差があるということだろうか。
そこでもう1社、筆記具メーカーのゼブラ(本社=新宿区)にも聞いてみることに。
やっぱり気のせい...?
ゼブラの広報担当者の回答は、次の通り。
「弊社ではそのような事象(左手でペンを持つとボールを押し込む方向に使い続けることになり、壊れやすい)は把握しておりません」
また、壊れやすいと感じる左利きの人が多い原因については、
「事象を把握していないため、要因がわかりません」
とのことだった。
文具メーカー2社のどちらにも、「左利きの人がボールペンを使うと壊れやすい」というデータなどはないようだ。
しかし、バンバンドリさんのツイートに、多くの左利きのユーザーから共感が寄せられたのも事実。
右利きと左利きの間で、「ボールペンの壊れやすさ」に差はあるのか。ぜひ調査してみてほしい。