その狭さ、独房レベル 有馬温泉の「訳アリ」客室が超人気→なぜこんな部屋が?支配人に聞いた

2021年9月10日(金)18時19分 Jタウンネット

温泉地にある旅館やホテルの客室といえば、ゆったり、広々とした空間を思い浮かべる人が多いだろう。

畳の部屋に、美しい景色を一望できる広い窓、そしてその窓のそばにはテーブルと椅子が置かれた板敷の広縁があって......。

しかし、いまツイッターで話題になっているホテルの一室は、そんなイメージとはかけ離れている。

日本三名泉と名高い、有馬温泉(兵庫県神戸市)の温泉街の中心地にあるにもかかわらず、だ。

これは、ツイッターユーザーのガグビーさん(@gugby_)が2021年9月7日に投稿した写真。いっしょに、

「有馬温泉名物5kで最高品質の温泉を堪能させてくれる変わりに全ての人権を剥奪され2畳の独房に収監される宿」

と、呟いている。

5k......5000円で有馬温泉に入りつつ1泊できるのは破格だが、写真を見る限り、布団を敷いただけでほとんどスペースがなくなるほど狭い部屋だ。

「独房」という表現もうなずけるが......投稿者のガグビーさんに泊まった感想を聞くと、

「温泉の質は勿論、アメニティも充実してて全く文句なしってとこっすね」

とのこと。

部屋の見た目とは裏腹に、満足度は高かったようだ。

しかし、なぜ「2畳」という、ホテルにしては思い切った狭さの部屋を宿泊プランとして提供しているのだろうか。

Jタウンネット記者は9日、ガグビーさんが泊まった「有馬ロイヤルホテル」を取材した。

全2部屋は常に満室

取材に応じた支配人によると、話題になっているのは「寝るだけ一泊食事なし お部屋が狭い訳ありプラン」の部屋。このプラン用の部屋は2部屋あり、5年前から提供しているという。

シングルの布団を敷くとほぼいっぱいになる2畳の和室に、大人1人5500円(税込み、以下同)で泊まることができる(別途、入湯税150円が必要)。食事は付かないが、Wi-Fi完備で、トイレの他、テレビや冷蔵庫、洗面台と必要なものは全てそろっている。

アメニティも基本的に他の部屋と同じものが用意されていて、一人旅には十分なサービスだ。

なぜ、このような究極的にシンプルなプランを提供しているのだろう。

「もともとは、団体客に同伴する添乗員の方のために用意したお部屋でした。しかし、最近では団体のお客様はほとんどいらっしゃらないので、使わなくなったお部屋を一般のお客様にも開放しようということで(同プランを)始めました」
「(有馬)温泉に入れてこの価格で泊まれる部屋は他の宿を見てもないですから、格安で、とにかく温泉だけ楽しみたいという人におすすめです」(支配人)

なお、有馬ロイヤルホテルで食事なしの他のプランには、6畳の和室で1万1440円〜や、スタンダードダブルの洋室で1万1220円〜などがあり、「お部屋が狭い訳ありプラン」の倍以上の価格がほとんど。

部屋代は節約し、その分を外食やお土産代などに使いたいという人にも、訳ありプランは需要がありそうだ。どのくらい人気があるのか尋ねると、支配人からは驚きの回答が返ってきた。

「5年ほど前、一般客向けに開放して以降、全2部屋が平日も含めほとんど常に満室という状態です」

なんと、想像以上に訳ありプランを求める人は多いようだ。

支配人は「もちろん、他のお部屋も素敵なのでぜひそちらもご検討いただければと思います」と、付け加えた。

有馬ロイヤルホテル......「コロナ明けに訪れたいホテル」リストの筆頭に加えておこう。

Jタウンネット

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