ラーメン官僚が絶賛! 煮干しラーメンとイタリアンが融合した「にぼにぼちーの」とは?

2020年9月20日(日)10時50分 食楽web


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 2020年6月19日、東急電鉄旗の台駅から徒歩30秒という好立地に、1軒のラーメン専門店がオープンした。と、それだけであれば、ラーメン好きにとってはごくありふれた情報のひとつ。1年間で最低でも200回以上は耳にする一介の新店開業情報に過ぎなかったのですが、オープンした店について色々と調べていくうちに、その店が提供するラーメンが前代未聞の1杯であることが明らかになってきました。

 なんと! そのお店『煮干しNoodles Nibo Nibo Cino』は、煮干しラーメンとイタリアンをミックスさせた1杯を提供しているというではありませんか。2020年現在、煮干しラーメンを出す店は、全国各地に星の数ほどあります。イタリアンの要素を採り入れたラーメンを提供する店も、それほど珍しくはありません。

 ですが、煮干しラーメンとイタリアンを融合させたラーメンを手掛ける店は、これまで私が訪れたラーメン店の数々を思い起こしてみても、片手で数えられるほどしかありません。

 と、ちょうどその折、店主・吉田氏が、都内を代表する煮干しラーメンの実力店『自家製麺 伊藤銀座店』で店長を務められていた方であるという情報も入手。つまり、それは『煮干しNoodles Nibo Nibo Cino』で提供されるラーメンが、期待できるものである可能性が高いということを意味します。

 こうなったらもう、居ても立ってもいられません。「考えるより、実際に食べてみたほうが早い」というわけで、気が付けば、旗の台駅のホームに降り立っていました。


お店は、旗の台駅東口を出てすぐ。暖簾をくぐれば、ポップな空間がお客さんを待ち受けます。テーブル席もしっかりと用意

 店に近い改札の場所さえ間違えなければ、改札を出てから店の前までの距離は、わずか数十メートル。ほぼ駅前と言っても、差し支えのない場所ですね。

 お店の外観は、丼の絵が描かれた暖簾が垂れ下がっていることを除けば、ラーメン専門店であることさえ分からないほど、オシャレ。どちらかと言えば、イタリアンや洋食屋さんといった趣です。百戦錬磨であるはずの私でさえ、ここが本当に目的の場所であるかどうか、念入りに確認してしまいました。呼吸を整え、いよいよ入店です!

煮干しとイタリアンは今年の最注目株のひとつ!

 券売機に向かうと、何やら見慣れない文字が踊っています。「肉にぼにぼちーの」と「肉にぼにぼなーら」の2品が看板メニュー。券売機に掲載されている商品の画像からも明らかですが、いずれも、いわゆる「スープoff」、ジャンルとしては「汁なしラーメン」にカテゴライズされる1杯となっています(実際にはもちろん、麺を和えるスープは作っているんですけどね)。

「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」はそれぞれ、商品名から推測できるとおり、パスタの「ペペロンチーノ」と「カルボナーラ」をモチーフとした1杯。

「料理の仕事をしていた母親が毎日のように作ってくれていたのがパスタで、母親が作っているパスタを見様見真似で作っているうちに、パスタを作ることが習慣になっていました。中でも特に、ペペロンチーノとカルボナーラは大好物で、得意料理でもありました」と語る、吉田店主。


「にぼにぼちーの」800円

 そんな店主の生活に根ざした経験と、修業先の『自家製麺 伊藤』で培った煮干しラーメンづくりの技術とを総動員して創られたのが、この「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」なのです。 

 お店の雰囲気と券売機に掲げられたメニュー画像、そして、これまでの食べ歩きの経験から、「この店のラーメンは間違いなく当たりだ!」と確信。初めから「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」を両方いただくつもりで、まずは、「にぼにぼちーの」を注文。待つこと数分、「にぼにぼちーの」の完成です!

 提供された同品は、余すところなく引き出された九十九里産高級煮干しのうま味を、昆布や青森シャモロックの分厚い滋味がしっかりと支える、見事としか言いようのない構成。

 煮干しを包み込む青森産にんにくとオリーブオイルの芳香が、鼻腔を心地良くくすぐり、箸を持つ手が止まりません。煮干しの力強い風味を前面へと押し出しながらも「和」に傾き過ぎることなく、イタリアンのテイストも明確に表現された、驚愕の一品です。

 瞬く間に「にぼにぼちーの」の器を空にし、間髪を入れずに「肉にぼにぼなーら」をオーダーします。


「肉にぼにぼなーら」1100円

 提供された「肉にぼにぼなーら」は、煮干しの雄々しいうま味と、生クリームの濃密なうま味とが、口の中でせめぎ合い、舌上でピタリと一体化。これまでのラーメンには存在しなかった、全く新しい味わいを生み出すことに成功しています。

「ラーメンという食べ物がまた、新しい可能性を切り拓いた!」そんな思いに胸をときめかせながら、連食の2杯目だったにもかかわらず、あっと言う間に完食してしまいました。

 現状、東京はもちろん日本全国を探しても、同店以外では味わうことができない「にぼにぼちーの」と「にぼにぼなーら」という傑物。

「自分が作るラーメンで、たくさんの人たちを笑顔にすることができれば」と、笑う店主。

 オープンからまだ日が浅いにもかかわらず、既に、驚異的な数のリピーターを生んでいる同店。2020年東京ラーメンシーンの「台風の目」となることは、もはや疑いようもない事実でしょう。

店主(吉田竜太郎氏)プロフィール

・店主は、東京都出身。
・『中華そば屋 伊藤』と『自家製麺 伊藤』の味に惚れ込み、同店に弟子入り。同『銀座店』の店長として日々、腕をふるい続ける傍ら、食べ手を選ばない「煮干しラーメン」とはどのようなものなのかを命題に探究。
・煮干しを素材とする「和」の味と、イタリアンが持つ「洋」の味とを融合させることこそ、その命題の答えのひとつなのではないかと思い付き、自店『煮干しNiboNiboCino』にて、それを実現。
・これまでになかった発想で紡ぎ出される1杯は、これまで煮干しラーメンを敬遠していた層をも虜にしている。

●SHOP INFO

店名:煮干しNoodles Nibo Nibo Cino(ニボシヌードルズニボニボチーノ)

住:東京都品川区旗の台2-13-14
TEL:03-3788-1270
営:11:00〜14:00、17:00〜21:00、土曜11:00〜14:00
休:日曜

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。

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