ブームの兆し! 横浜中華街の有名店7軒の焼売を忖度ナシで食べ比べてみた!

2022年10月21日(金)10時51分 食楽web


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 この1〜2年で静かに再評価されつつある焼売。グルメ雑誌や週刊誌の巻頭で特集が組まれるなど、爆発的ブームとは言えないまでもジワジワと再評価が高まっていることがうかがえます。

 そんな「焼売のメッカ」として頭に浮かぶのが横浜です。「シウマイ弁当」の崎陽軒の本拠地であることに加え、日本屈指の中華街を有することから「焼売のメッカ」のイメージが根付いているように思います。


横浜中華街の7店舗の焼売。パッケージもかわいくて魅力!

 そこで今回は、この横浜中華街で、「焼売が旨い!」と評判のお店を7店ピックアップし、各店の焼売をテイクアウト。どこが一番旨いのかを食べ比べます。

 中には古き良き「横浜」をイメージさせるレトロでかわいいパッケージの焼売もあり、いただく前からテンションが上がります。

ハイレベルな技が光る“味・食感”ともに楽しい一品『謝朋酒樓』


『謝朋酒樓』の「猪肉焼売(9個入り)」1300円(税込)

 まずは、四川料理店『謝朋酒樓』の焼売からいただきます。今回ご紹介する7店舗の中では最も若く2008年創業ですが、ハイレベルな味にリーズナブルな価格設定、様々な催しが行われる山下町公園の目の前とい好立地で、根強い支持のあるお店です。

 こちらの焼売は「猪肉焼売(9個入り)」というものですが、中華圏では「猪」と書いても「豚」の肉を指すことが多いため、この焼売もれっきとした豚肉焼売ということになります。


「猪肉焼売」

 やや厚めの皮に包まれた餡は、肉と野菜のバランスが絶妙で、ときどきキャベツのシャキシャキとした食感を楽しめます。味付けそのものは比較的アッサリとしているため、「ご飯のおかず」というより「おつまみ」に向いているように思いました。ただし、全体のバランスは本当に素晴らしく、ハイレベルな料理が多い『謝朋酒樓』の技が、焼売にもバッチリ活かされているように思いました。

●SHOP DATA

店名:謝朋酒樓

住:神奈川県横浜市中区山下町188
営:11:00〜23:00/土・日10:30〜23:00
休:なし

中華街通から支持の厚い“小さな名店の大ぶり焼売”『鳳林』


『鳳林』の「三元豚焼売(10個入り)」1296円(税込)

 続いていただくのは『鳳林』。小さめの店舗ながらメニュー豊富で、味は超一流と中華街通の間で評価の高いお店です。数多くあるメニューの中でも「特に旨い」とネット上で評判なのが「三元豚焼売(10個入り)」(1296円)です。


「三元豚焼売」

 1個ごとのサイズが大きめなのがまず嬉しいですが、味も抜群。餡のミンチ肉が荒めにカットされており、ゴロゴロとした食感とジューシーな肉汁を同時に味わうことができます。そこに、玉ねぎの甘みが加わり、濃厚な旨みが口の中いっぱいに広がっていきます。「おつまみ」としていただく場合はパンチが強いかもしれませんが、「ご飯のおかず」としてはもってこいの一品。焼売の食べ応えを感じたい人にオススメしたい焼売です。

●SHOP DATA

店名:鳳林

住:神奈川県横浜市中区山下町187
営:11:00〜21:00
休:水曜

やっぱり外せない“ザ・横浜の焼売”!『崎陽軒』


『崎陽軒』の「昔シウマイ(12個入り)」530円(税込)

 続いていただくのは、冒頭でも触れた『崎陽軒』。明治時代から続く、言わずもがなの名ブランドで、中華街に『中華街大通り店』『シウマイBAR店』の2店舗があります。

 いずれのお店でも様々なテイクアウト商品を購入できますが、やっぱり主力は焼売。特にその味に慣れ親しんだ人が多い「昔シウマイ」が人気のようで、筆者も迷わずゲットしました。


「昔シウマイ」

 小ぶりな焼売ではあるものの、12個入りで530円という低価格がまず嬉しいです。また、「明治時代の創業以来変わらない」と言われているその味は、豚肉と干帆立貝柱の風合いが印象的で、「やっぱこれだよな〜」と唸らせる一品。弁当にも採用されてきただけあって、冷めても美味しくいただけます。

 味付けは少々濃いめで「ご飯のおかず」としてバクバクいただくのが良いように思います。一口食べただけで、どこかホッとさせてくれるような不変の焼売と言って良いでしょう。

●SHOP DATA

店名:崎陽軒 中華街大通り店

住:神奈川県横浜市中区山下町147
営:10:00〜17:00/土・日・祝10:00〜18:00
休:なし

名店らしい素材の味を活かした品の良さとゴロゴロ食感が魅力『萬珍楼』


『萬珍楼』の「焼売(10個入り)」1380円(税込)

 続いて、この地に創業して120年以上の歴史を持つ名店中の名店『萬珍楼』の焼売をいただきます。明治、大正、昭和、平成、令和と5時代を通して、中華街の代表的レストランとして君臨し続けるだけあり、焼売の味わいも他店にない高級な味を楽しませてくれるのではないかと期待に胸が膨らみます。


「焼売」

 サイズ大きめで、モッチリとした厚めの皮に包まれた具材は、荒めにカットされたもち豚肉のミンチと細かく刻まれた玉ねぎなどが合わさり、食べ応え十分。一方、味付けは極めて上品で、素材の味を活かすような工夫がなされていることもよくわかります。皮・餡ともに素材の味を前面に出した贅沢な味わいで、何個でも飽きずにいただけます。さすが「名店の味」とつい唸ってしまう一品でした。

●SHOP DATA

店名:萬珍楼

住:神奈川県横浜市中区山下町153
営:11:00〜21:30
休:月曜(祝日を除く)

小籠包の名店は焼売の名店でもあった!『鵬天閣』


『鵬天閣』の「豚肉焼売(15個入り)」1328円(税込)

 続いて、中華街大通りに2店舗を構える人気レストラン『鵬天閣』の焼売をいただきます。『鵬天閣』は「小籠包の名店」として有名で、休日は行列ができるほどの人気ですが、ネットなどで隠れた人気として挙がるメニューが焼売です。小籠包も焼売も同じ「点心」カテゴリーですので、この味にまずハズレはないでしょう。


「豚肉焼売」

 サイズ小さめながら15個入りという多めの数量が嬉しいですが、実に手の込んだ焼売。豚肉と玉ねぎに加え、春雨、しいたけ、キャベツなどが入っており、それぞれの味と食感が口の中で複雑に絡み合い、クセになる味です。かと言って、濃い味付けではなく、アッサリ。なので、カロリーが気になる人も調整しながらいただける利点もあります。「小籠包の名店」は噂通り「焼売の名店」でもあることがよくわかる焼売でした。

●SHOP DATA

店名:鵬天閣 新館

住:神奈川県横浜市中区山下町192番地15
営:10:00〜21:00
休:なし

創業当時の味を守り続ける名店『清風楼』


『清風楼』の「シウマイ(12個入り)」1720円(税込)

 続いていただくのは、横浜中華街の焼売を語る際、絶対に外すことができない名店『清風楼』。関帝廟通りにある広東料理のお店で、作家の池波正太郎や草柳大蔵が通った店としてよく知られるお店で、店頭には「『清風楼』のシウマイ」の購入コーナーがあり、お店の看板メニューであることを強く打ち出しています。飾り気のない店構えと創業時から変わらぬ味が人気で、休日には行列ができることもあります。


「シウマイ」

 看板メニューの「シウマイ」は、小ぶりながら餡と皮がギュッと強く握られ一体感を表現したもので、まさに昔ながらの安心の味。このタイプの焼売はどうしても『崎陽軒』と比べてしまいますが、『崎陽軒』が味付け濃い目なのに対し、『清風楼』は、素材を活かすがごとくのサッパリとした味付け。一口いただくと、古き良き横浜中華街の景色が目に浮かんでくるかのようです。テイクアウトでは、他にも「15個入り」「20個入り」「25個入り」と、おおむね5個刻みで包んでもらえます。

●SHOP DATA

店名:清風楼

住:神奈川県横浜市中区山下町190
営:11:45〜19:00/日12:00〜19:00
休:木曜

中華街最大の専門レストランのゴロゴロ焼売『華正樓』


『華正樓』の「焼売(10個入り)」1836円(税込)

 そして最後は中華街最大の宴会場を持つ名店『華正樓』の焼売をいただきます。『華正樓』の点心は、肉まんなども絶品で、以前の「肉まん比較記事」でも中華街イチの美味しさだと紹介しました。肉まんがあれだけ美味しいのだから、焼売ももちろん美味しいはず! といただく前からテンションが上がります。


「焼売」

 いただいてみると、その期待を裏切るどころから予想以上の味わい。焼売1個ずつが大きく、餡がギッシリ詰まっている一方、ゴロゴロとした食感も同時に楽しませてくれます。甘味と塩味、双方を押し出したような濃いめの味付けで食べ応えも十分。大きさだけで言えば『鳳林』の焼売が一番ですが、味のインパクトでは『華正樓』のほうが強いように思いました。「ご飯のおかず」「おつまみ」双方に合う焼売ではありますが、それ以上に「焼売」としての存在感が強いため、ある意味肉まんなどに近い印象も受けましたが、かなり美味しいです。

●SHOP DATA

店名:華正樓 新館

住:神奈川県横浜市中区山下町164
営:10:00〜21:00/土10:00〜22:00
休:なし

注目すべきは、まだ有名店ほどの認知がない『謝朋酒樓』と『鳳林』の焼売!


焼売横浜中華街の各店の焼売を食べ比べた結果は?

 というわけで、「焼売が旨い!」と評判のお店を7店ピックアップし食べ比べをしましたが、各店どの店も味の方向性・サイズ感は多種多様。さすが中華料理のメッカ・横浜中華街だけあり、どの店の焼売もかなり美味しいものばかりでした。

 中でも筆者的に特に注目すべきは、有名店ほどの認知は薄いものの、ハイレベルの焼売を販売している『謝朋酒樓』『鳳林』の2店舗です。

『謝朋酒樓』の「猪肉焼売」は、大型有名店をも凌駕する技術を感じる焼売でしたし、一方の『鳳林』の「三元豚焼売」は、中華街イチ(?)とも思われる大きさの焼売で、これまた人気店を上回るパンチのある味わいでした。読者の皆様はどの焼売が気になりましたか? ぜひあなた好みの焼売を見つけて、「食欲の秋」をしっかり満たしてくださいね。

(撮影・文◎松田義人)

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