「脳疲労」という言葉を知っていますか?疲労をためないための過ごし方とは

2022年10月22日(土)17時0分 ココカラネクスト

 「あー、疲れた!」が口グセになっている人は多いかもしれない。誰もが疲労は抱えるもの、一方で疲労が蓄積すると病気にもつながりかねないとあって早めに疲れは取っておきたいところ。

 そこで今回は糖尿病、ダイエット、漢方専門医として疲労専門外来も行っている工藤孝文医師のユーチューブチャンネル「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」から疲労にまつわる話題を取り上げます。

 まず工藤医師によれば疲れにも「頭の疲れ(脳疲労)」と「体の疲れ」2種類があるという。見分け方としては体の疲れであれば、休養、食事などに気を配り、睡眠をしっかり取ることである程度、緩和されることが多いという。一方、そういったことに気を配っていても疲れが取れないようであれば、頭の疲れを疑ったほうがいいという。

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最近注目を集める食材

 そして体の疲れを取る場合で気を付けたいのは食事面にもある。疲労回復につながるスーパー食材として最近注目を集めているのが「鶏むね肉」だ。脂質が少なく高タンパク質なことからダイエット食材としても愛用されることが多い食材だが、疲労回復効果や抗酸化作用を持つイミダペプチドを豊富に含んでいることで知られる。

 さらに鶏むね肉には肉のタンパク質に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが精神安定、快眠にもつながるセロトニンを生み出すとあって、日常生活でも上手に活用したいところ。

脳疲労の始まりは

 一方、脳疲労のきっかけはオーバーワークから始まることが多いという。その場合は仕事の容量を意識的に減らすなどの対処が求められる。

 そして気になる脳疲労の初期症状は、まず頭がさえて眠れないなど、睡眠にまつわる事象が起こることが多いという。そこで適切に対処できるのがベストだが、そのまま放置してしまうと、体のバランスを取っている自律神経に不調を及ぼすこともあるという。

 そういった脳を使ったことによる疲れ解消法にはたとえば左手で文字を書く、左手で歯磨きを行うことも有効とされる。脳は左右で異なる機能をつかさどる中、右脳はイメージや情感を中心とした非言語系の情報処理を担っている。仕事やストレスによる考え事で頭がいっぱいになってしまったときには、右脳に刺激を与えることができる左手で作業を行うことにより右脳を活性化させることにつながり、ぐるぐる思考がおさまるといわれているのだ。

スマホ断ちも有効

 ほかにも脳疲労に有効な方法には「デジタルデトックス」もある。現代人の特性ともいえるほどスマホは今や生活には欠かせないものとなっているが、情報量の多さから脳にかかる負担も増大している。そのため、休日などはあえて、スマホをオフにして、「スマホを1日見ない」(工藤医師)のも大事だという。

 体の疲労、脳疲労、いずれも気を付けたいが、特に「頭の疲れ(脳疲労)は気づきにくい」ため、早めの対応が必要とされる。また慢性的な疲労には、病が潜んでいる場合もあるためあまりにも疲れが取れないようならば、かかりつけ医に相談することも大切となる。

 今回の特徴を知った上で、「疲れたな」と思ったら、早めの疲労回復を心がけたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

工藤 孝文(くどう・たかふみ)

福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。
現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を担っている。
糖尿病、東洋医学・漢方治療、ダイエット治療を専門とし、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などメディア出演多数。
日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。

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