最上級グレードが700万円を超えるマツダ「CX-80」はコスパ良好?
2024年10月23日(水)11時20分 マイナビニュース
マツダが発売した新型車「CX-80」は、最も安いディーゼルエンジン搭載車が400万円弱、プラグインハイブリッド車(PHEV)の最上級グレードが700万円超と価格幅の広いクルマだ。
700万円となると確実に高級車の範疇で、レクサスや輸入車(いわゆる外車)などとも比べられることになるはず。そういうクルマたちと同じショッピングカートに入った時、CX-80に勝ち目はあるのだろうか。
CX-8に比べどのくらい値上げした?
CX-80には3種類のパワートレイン(クルマを走らせる仕組み)があり、それぞれにいくつかのグレードがある。6人乗りか7人乗りか、2列目シートの形態は何かなど、選べるバリエーションは豊富だ。全体の価格幅は394.35万円〜712.25万円となっている。
ちなみに、CX-80の先代モデルと言えるマツダの3列シートSUV「CX-8」は価格幅が299.42万円〜505.89万円(2022年12月に登場したマイナーチェンジモデル)だった。下限がCX-80よりけっこう安いのは、CX-8にはガソリンエンジン搭載モデル(電動化なし、エントリーグレード的な位置づけ)があったから。上限がCX-80よりだいぶ低いのは、CX-8の最上級グレードが2.5Lのガソリンターボエンジン搭載モデルでMHEVもPHEVもなかったからだ。
純粋に価格だけを比べてしまうと、CX-8に比べCX-80は大幅に値上がりしているように見える。ただ、例えばディーゼルエンジン搭載車(電動化なし、4WD)で比べてみると、CX-8は大体361万〜506万円、CX-80は同394万〜531万円だ。ちなみにCX-8のディーゼルエンジンは排気量が2.2L。排気量が1.1Lも大きくなった割には、値上げ幅はそこまででもないという見方も成り立つのではないだろうか。
高級車には野暮? それでも気になるコスパ
PHEVは自宅や職場などで定期的にクルマを充電できる環境にない限り恩恵を十分に享受できない車種だから、購入できる人はおのずと限られる。実際の話として、多くの人にとってCX-80の最上級グレードは、ディーゼルMHEV(582.45〜632.5万円)ということになるはずだ。
とはいえ、PHEVがある以上、CX-80が「700万円超のクルマだ!」と見られるのは当然の話。日本車で700万円を超えるクルマといえば、「GT-R」や「センチュリー」などをのぞけばかなり限られる。CX-80はメルセデス・ベンツなどの輸入車勢やレクサスなどと比べられても全くおかしくないクルマなのだ。
今までとは違う土俵で戦わなくてはならない局面も出てきそうだが、マツダの考えは? CX-80の開発主査を務める同社商品開発本部の柴田浩平さんに聞いてみたところ、こんな話が聞けた。
「この価格帯で、この走りで、この質感というクルマは、(CX-80以外に)ないのではないかと考えています。例えば欧州車で、3列シートで、こういうパッケージのクルマを買おうとすると『1,500万円の世界』になってくると思います。700万円は輸入車で言えばエントリーの価格。この価格帯で(CX-80のように)6気筒ディーゼルの走りを楽しめたり、PHEVの使い方ができたりするかというと、到底できません」
いきなり700万円と言われると「いい値段だなー」と思ってしまうのだが、700万円を出した見返りに何を得られるのか、どんな性能、装備、質感が手に入るのかを考えると、CX-80はけっこう「お買い得」なクルマなのかもしれない。高級車に対して「コスパ」を持ち出すのは野暮だと思うのだが、それでも、CX-80は高いレベルでコスパの優れたクルマなのだ。