「石けんは使うべき?」「保湿剤はどれがいい?」小児科医に聞いた子供の肌をしっとりさせる洗い方&保湿の仕方

2021年11月5日(金)14時20分 マイナビ子育て

子供の肌って意外とすぐにカサカサになるもの。石けんを使って洗うべきか、保湿剤は何を使うべきか、迷いますよね。そこで小児科医の森戸先生に効果的なケアの仕方を聞きました。

石けんと手でやさしく洗うことが大切

(※画像はイメージです/PhotoAC)

冬から春にかけては気温と湿度が下がるので、大人も子供も肌がカサつくことがありますね。特に子供は大人に比べて皮膚が薄く、皮脂の分泌量も少ないため、乾燥しやすいもの。普段からやさしく洗って、しっかり保湿することが大切です。 まずは洗い方から。赤ちゃんでも、それ以上の年齢の子供でも、タオルやブラシやアカスリなどを使わず、石けんを使って手で洗うのがおすすめです。それで十分に汚れは落ちますから安心してください。 石けんは固形タイプでも液体タイプでも泡タイプでもよく、特に「赤ちゃん専用」の商品でなくても構いません。ただし、商品によっては刺激が強く、肌が赤くなったり、もとからあるトラブルが悪化したりすることもあるので、なるべく色素や香料など不要な添加物の少ないものを選んでください。 そして最大のポイントは、石けんをしっかり泡立ててから肌にのせ、やさしくなでるように洗うこと。ゴシゴシ洗うと、摩擦によって肌が傷ついたり、皮脂を落としすぎたりしてカサカサしてしまうためです。そして、ぬるめのお湯でよく流し、石けんが残らないようにしましょう。 たまに赤ちゃんに石けんが必要かどうかを聞かれますが、生まれて数カ月は特にホルモンの影響で顔などの皮脂分泌が多くなりますから、余分な皮脂を石けんで落としてあげたほうがいいでしょう。顔、足の付け根の関節のしわまで、指の腹を使ってやさしく洗ってくださいね。 ただし、粉をふくほど肌がカサついている場合は、石けんを使わず、ぬるま湯で流すだけにしてもいいと思います。乾燥によって皮膚炎を起こした場合は、石けんを使わないほうがいいこともあるからです。

保湿剤はベタベタするくらいが適量

きれいに洗ったら、次は保湿です。季節を問わず、お子さんの顔や体には保湿剤をしっかり塗ってあげましょう。夏はベタつきのないローションタイプ、春と秋には伸びのよいクリームタイプ、乾燥しやすい冬には伸びは悪いもののワセリンなどの軟膏タイプがいいと思います。

市販されているものでは、保湿効果の高いヘパリン類似物質やセラミドが配合されているローションやクリーム、カバー力の高いワセリン(特に純度の高いプロペト)がおすすめ。ワセリンは、食事前に口のまわりに塗っておけば食品によるかぶれを予防できますし、リップクリームがわりにも使えて便利です。

塗り方のポイントは、お風呂上がりで体が温かいうちに、保湿剤を子供の体に点置きしてから、手のひら全体で広げること。こうすると手早くムラなくきれいに塗ることができると思います。肌が少しベタつくくらいが適量です。

なお、ポットタイプの容器に入った保湿剤は、絶対に手で取らないようにしましょう。手で取ると、容器の中で細菌が繁殖してしまうことがあるためです。スパチュラ(ヘラのようなもの)を使って取り、清潔を保ちましょう。

こうして適切に洗って、保湿剤を1日に1〜2回ほどたっぷり塗っていると、カサついていた肌がしっとりとしてくるはずです。すると、皮膚の隙間からアレルギー物質が入ることによって起こるアトピー性皮膚炎や食物アレルギーのリスクも下がります。いいことだらけですね。

それでも肌がカサついている場合、アトピー性皮膚炎や乳児湿疹などを疑う場合は、ぜひ小児科か皮膚科で相談してください。それぞれに適した保湿剤や薬を処方してもらえます。

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

お話をお聞きしたドクター 小児科専門医/どうかん山こどもクリニック院長森戸やすみ 先生 一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都谷中のどうかん山こどもクリニック院長。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本の発表に意欲的に取り組んでいる。『子育てはだいたいで大丈夫 小児科医ママが今伝えたいこと! 』(内外出版社)、『祖父母手帳』(日本文芸社)など著書、監修多数。どうかん山こどもクリニックTwitter

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この記事の執筆者 大西まお 編集者・ライター。出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。■Twitter

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