世界最悪の狙撃兵「ホワイト・デス」! ソ連兵700人を1人で殺害、半顔吹き飛び、伝説の死神スナイパー

2023年11月12日(日)12時0分 tocana

“白い死神”と恐れられたスナイパーはソ連軍を恐怖に陥れ、顎を撃たれても生き残った——。


■ソ連兵700人以上を1人で殺害した“白い死神”


 第二次世界大戦中の1939年11月30日、ソ連軍がフィンランドに侵攻。物量と兵力ではソ連軍に圧倒されていたフィンランド軍だったが、それでもすぐさま抗戦し「冬戦争(Winter War)」が勃発した。


 3カ月半ほどで終わった冬戦争であったが、この短い期間に1人で700人以上のソ連兵を殺害した凄腕のスナイパーがいた。


“白い死神(White Death)”と恐れられたフィンランド兵、シモ・ヘイヘは狙撃で500人以上のソ連兵を殺害し、サブマシンガンで200人以上の命を奪ったのだった。


 スキーも得意であったシモ・ヘイヘは白い迷彩服に身を包み気づかれることなく雪上を移動し、銃座を定めてからは雪に埋もれて周囲に同化し、自分の吐く白い息を防ぐために雪を口に含んでいたという。類まれな視力の持ち主であったヘイヘは、レンズの反射が敵に気づかれること嫌ってスコープは使わず、肉眼で数百メートル先の敵兵を狙い百発百中で仕留めたのだった。


 この驚異的な狙撃のテクニックはカモ猟で培われたものといわれている。ヘイヘの狙撃は素早い射撃と精度を両立していたといわれ、狙撃訓練では150mの距離から1分間に16発の的中に成功したという。


 実戦でも300メートル以内ならほぼ確実に敵兵の頭部を狙撃したといわれ、最長で450m以上の距離から敵を狙撃したこともある。ヘイヘは的中を確信してから射撃を行ったため的中率はほぼ百発百中であった。


■被弾後に奇跡の回復を見せる


 ソ連軍側もただ手をこまねいていたわけではない。


 ヘイヘの足取りを追跡して潜んでいそうな場所を砲撃し、カウンタースナイパー(スナイパーを狙撃するスナイパー)を何人も出動させてヘイヘ包囲網を築いた。


 そして遂にカウンタースナイパーの1人が銃を構えていたヘイヘの顔めがけて銃弾を撃ち込んだのだ。


 倒れていたヘイヘを運んだ兵士は彼の顔の半分が吹き飛ばされたと話し、即死ではなかったものの出血もひどく間もなくして死亡したと判断された。激しい戦闘の最中であったこともあり、ヘイヘはほかの戦死者の遺体と同じ場所に置かれていたのだが、戦闘がひと段落つき戦死者の遺体を運ぶ段になって、なんとヘイへがまだ息をしていることがわかったのだった。


 銃撃を受けて1週間後に意識を取り戻したヘイへは奇跡的な回復力を見せ、戦場への復帰を望んだということだが、複数回の手術が必要とされていたため再び戦場へ戻ることはないまま対ソ戦は終わりを迎えた。


 終戦後のヘイへは半ば趣味で猟と農作業に勤しみ、生涯独身のまま2002年に96歳で亡くなった。たった1人でソ連軍を震え上がらせたこのフィンランドの英雄譚はこの先も色褪せることはないのだろう。



参考:「Daily Star」、「Wikipedia」ほか

tocana

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