全世界のラム酒が味わえる渋谷のバー『ARIAPITA RUM&PUNCH』で聞いた気鋭の「クラフトラム」8選

2019年12月2日(月)10時50分 食楽web


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 みなさんは職場の近くや自宅の近くに行きつけのバーはありますか? 東京には個性的なバーが星の数ほどありますが、いま渋谷で話題の一軒のバーがあります。それが『ARIAPITA RUM&PUNCH』。こちら、全世界のラム酒を厳選して集結させた、ラムマニアの聖地なのです。

 ラムについておさらいしておくと、カリブ海の西インド諸島が主な生産地で、原料はサトウキビ。大航海時代に、コロンブスがサトウキビの苗を移植したのがきっかけでラム酒が造られるようになりました。その後、西洋から西インド諸島にやってきた移民たちが、自国の蒸留技術を持ち込みました。イギリスのスコッチウイスキー、フランスのコニャック、スペインのシェリー…それらの技術を貪欲に取り込んで、ラム酒は独自の発展を遂げていきます。

 そして400年以上の歴史を経た今、ラムの生産地は拡大の一途を辿っています。今までラムを生産していなかったアジアやアフリカなどでも新たなラムブランドが誕生しており、現在、ラム酒は南極を除くすべての大陸で造られています。その銘柄は世界に4万銘柄以上。

 そんな世界各国のラム酒が一堂に会するバーの魅力を探りに、渋谷に取材に向かいました。

ボトラーズやクラフトラムが一堂に揃うラム専門バー


バーテンダーの高橋彩子さん

『ARIAPITA RUM&PUNCH』は現在250本以上のラム酒が揃っています。現行で販売しているオフィシャルボトルはもちろん、“ボトラーズ”と呼ばれる、瓶詰業者が独自に仕入れたラムの原酒を自らが熟成し、瓶詰したものもあります。ボトラーズ各社はオフィシャルボトルとはまた違った個性を際立たせるため、長期の熟成を行うなどの努力を重ね、唯一無二の味わいを生み出しているのが特徴です。


ラムにオレンジやクローブなどのスパイスを漬け込んだラムパンチを使ったカクテル。「ラムオールドファッションド」1210円

 そんな『ARIAPITA RUM&PUNCH』のオーナーを務めるのは、日本ラム協会の会長でもある海老沢忍さん。そしてバーテンダーとして立つのが、高橋彩子さんです。ラム酒の魅力に取りつかれ、この世界に転職してきたほどラム愛の深い人です。ラムにまつわる興味深い話をどんどん教えてくれます。

「日本のクラフトラムもボトラーズラムも面白いですよ。例えば、サトウキビを作り続けてきた伊江島では、島を訪れた人のみが買える『イエラム 蒸溜所限定ボトル』があったりします」(高橋さん)

 何とも奥深いラム酒の世界ですが、とくに注目のラムを8本、高橋さんに教えていただいたので、ご紹介していきましょう。超絶マニアックなラムセレクションです。

バーボン樽で12年熟成したボトラーズ
「BB&R VENEZUELA」


ショット2860円

 スペイン系ラムのボトラーズ。イギリス最初のボトラーズメーカーが、ベネズエラの甘口ラムをバーボン樽で12年熟成させたもの。

注目度急上昇中の国産ラム
「イエラム サンタマリア伊江島蒸溜限定」


ショット1210円

 伊江島を訪れた人だけが購入できる伊江島蒸溜所限定販売品。加水しておらず、アルコール度数は63度。「東京ウイスキー&スピリッツコンペティションでベストジャパニーズラムとして特別賞も受賞した逸品です」と高橋さん。

ラムの目利きたちがセレクトした逸品
「Stoves Worthy Park」


ショット2200円

 オーナー海老沢忍氏と、世界中の名酒を販売する『SHINANOYA』バイヤーの北梶剛氏、そして『武蔵屋』のラム担当・小林卓也氏がセレクトしたボトルです。

BACARDI ANJO 4


ショット1100円

 日本未発売の4年熟成ものはオーナーからのマイアミ土産。クローブやバニラの香り、そしてココナッツのニュアンスを感じさせます。

RUM NATION MADEIRA AGRICOLE


ショット990円

 マデイラ島で造られたラムは、どこか爽やかな味わいでヨーグルトのような乳酸発酵系の香りが特徴です。

Beach House White Spiced


ショット1100円

 モーリシャスのラムをフランスで瓶詰。ライチやグレープフルーツ、トロピカルスパイスを漬け込んでおり爽やかな味わいです。

CLAIRIN SAJOUSCARONI CASK


ショット1540円

 ハイチで育ったサトウキビを手で刈り取り、サトウキビに存在するナチュラル酵母のみを使用してカロニ─樽で熟成させた1本。

BACARDI VINTAGE BOTTLE


参考商品

 こちらはおまけ。オーナーが所有する6000本ものラムコレクションのうちの一つ。ラベルからキューバ革命以前に作られたラムだと想像できます。

・・・・・・・

 歴史に想いを馳せることができる、めくるめくラムの世界に浸れるバーで、新しいラムとの邂逅を楽しんでみてください。新たな酒の世界の扉が開かれること間違いなしですよ。

(文◎千葉泰江 撮影◎大星直輝)

●SHOP INFO

店名:ARIAPITA RUM&PUNCH

住:東京都渋谷区渋谷2-11-14 ステージ青山B1F
TEL:03-6805-0314
営:18:00〜翌2:00
休:日

※当記事は『食楽』2019年冬号の記事を再構成したものです

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