雪国には絶対欠かせない! 道路脇にある「壁」の意外な役割とは

2019年12月11日(水)6時0分 Jタウンネット

雪国を車で走っていると、道路わきに「壁」のようなものを見かけたことはないだろうか。冬になると効果を発揮するわけだが、ツイッターではその役割に注目が集まっている。


その様子がこちらだ。


これはツイッターユーザーのtett_k2(@tett_k2)さんが、2019年12月4日に投稿した映像をキャプチャしたもの。降雪時に車を運転した時の様子だ。壁のある所では視界が良好なのに対し、壁のない所では吹雪で視界が遮られ、ほとんど前が見えない状態になっている。


tett_k2さんの投稿に対し、ツイッターでは、


「さんざん見かけたけど吹き払い柵という名称なのは知らなかったな」
「吹雪の日には行ったことがなかったので。一体その壁は何かなっと思ってました」
「北海道に住んでいた当時『スゴいな、これ』と感心してました」



といった声が寄せられている。この壁がなければまともに前が見えず、事故を起こしてしまう可能性があるだろう。


調べたところ、この壁は「吹払式」という防雪柵。1枚の壁のように見えるが複数の防雪板によって構成されており、単に雪や風を遮断するものではないらしい。


Jタウンネットは12月6日、話題になった吹払式防雪柵を製造・販売する東京製綱(本社:東京都中央区)に詳しい話を聞いた。


吹雪を下方向に持っていく


東京製綱で製造する防雪・吹雪誘導柵は、特に札幌や仙台支店での取り扱いが多いとのこと。今回は仙台支店の担当者から話を聞くことができた。


担当者によれば、防雪柵には大きく分けて、吹払式、吹止式、吹溜式、吹上防止式の4種類がある。まずは、ツイッターで話題となった「吹払式」の仕組みを聞いてみる。


「防雪板を斜めに4、5枚ほど付けてまして、横から来た風を下方向に持っていきます。すると道路の下の方に吹雪が行くので、ちょうど運転者が見るところは吹雪が無くなります」



東京製綱の公式サイトによると、吹払式には景観に配慮して夏には上に折りたたまれるものもある。また、比較的安価で求めやすいのも特徴だ。


しかし吹払式には、雪や風を下に持っていくことで「路面が凍結しやすくなる」というデメリットが。特に日陰や水のある場所は敬遠されることが多いといい、担当者によれば「最近はあまり採用されないです」とのこと。しかし安価であることから、地方自治体からの需要がまだあるとのことだ。


そこで注目を浴びているのが「吹止式」。板に穴をあけ、6〜7割の風を通さないようにしている。なかでも上の方に雪を飛ばすような形の、高性能タイプが人気のようだ。


このほか、「吹溜式」は道路から100メートルほど離れた場所に建て柵前後に堆雪させる。周囲に田んぼなどがある場合に使われ、4つの中では1番安価だ。


「吹上防止式」は道路が周囲の土地より高いところにある場合に使われ、下から来る風を防ぐ形になっている。


普段何気なく通り過ぎていたが、防雪柵があるのとないのでは視界が全く異なる。冬のドライブを安全に楽しむためには欠かせない存在だ。

Jタウンネット

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