「生成」って実際どんな色のこと? フランス語では「ecru(エクリュ)」

2022年12月14日(水)10時10分 マイナビ子育て

【生成色(きなりいろ)】とは、黄味がかった自然な白色のことです。日本の伝統色である【生成色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【生成色】とは?

生成色とは、黄味がかった自然な白色です。

色の名前       生 成 色       読み方 きなりいろ kinari-iro 英語 ecru WEBカラーコード #c0afd5 CMYK C=0/M=7/Y=14/K=5 RGB R=247/G=235/B=218

※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【生成色】の意味と由来は?

【生成色】は、漂白する前の木綿や麻のような天然の素材そのままの色のことで、黄味がかった白色の色名です。

「生成り(きなり)」はもともと、染めたり漂白していない生地を指すフランス語の「ecru(エクリュ)」の訳語として使われていました。昭和後期になって、色名としても使われるようになったようです。

日本では、それまでの高度経済成長期(こうどけいざいせいちょうき)に経済を優先し過ぎた結果、そのツケとも言うべき公害問題が深刻化。そんな世の中への反発心からか、自然への回帰(かいき)志向が高まっていました。この流れから生まれたのが「ナチュラルカラー」や「アースカラー」の流行です。

「自然の中にあるそのままの色が本当は一番美しいのでは?」という考えのもと、そのひとつの象徴として【生成色】は多くの人に好まれました。【生成色】は、1970年代の日本を表す色とも言えます。

【生成色】に合う色は?

生成色 きなり いろ  韓 紅 からくれない 

【生成色】は、自然のままの色なので、多くの色と相性がよく、組み合わせる色によってさまざまな雰囲気を作り出すことができる色です。たとえば、紅花で染めた濃い紅赤色の【韓紅(からくれない)】などと合わせると、可愛らしく、小さな子どもにも似合う配色になります。また、同じ赤系でも朝焼けのような淡い黄赤色である【曙色(あけぼのいろ)】との組み合わせなら、やさしく落ち着いた色合いで、大人の女性にも似合う配色です。さらに、緑系の【山藍摺(やまあいずり)】やなどとの組み合わせは、ぐっと渋さも増して、現在でも人気の「アースカラー」でまとめた配色になります。

A traditional Japanese color “生成色 kinari-iro” is…

A traditional Japanese color “生成 Kinari” is the color of natural materials such as cotton and linen before bleaching, and is the name of a yellowish white color.

It was originally used as a translation of the French word “ecru,” which referred to fabric that had not been dyed or bleached, and in the late Showa period (1926-1989), “nari-iro,” was used as a color name.

During the period of rapid economic growth in Japan, too much emphasis was placed on the economy, and the result was a serious pollution problem. Then Japanese people began to return to nature in response. TThis is how “natural colors” and “earth colors” came into vogue.

Many Japanese people at that time thought that the most beautiful colors were those that were found in nature as they were, and they preferred “生成 Kinari” as a symbol. It can be said that the color of the 1970s represented Japan.

まとめ

【生成色】は、日本の色名のなかでは新しく、昭和を象徴する色のひとつです。ただし、伝統色としては近いものが元から存在していて、神様に捧げる白布(にぎて)の白を表す【白和幣(にぎて)】や白馬のたてがみの色を表す【木綿髪(ゆうがみ)】、鶏の卵の殻の色である【鳥の子色(とりのこいろ)】、卯の花の色を模した【卯の花色(うのはないろ)】などがあります。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献・『色名がわかる辞典』(講談社)・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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