東京のカレーマニアが絶賛する名店『スペキエ』で死ぬほどウマいカレーを食べてきた
2022年12月17日(土)10時51分 食楽web
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●カレーマニアが絶賛する東京・西永福の名カレー店で旨さの秘密を実食調査してきた
都内にはカレーを出す店が星の数ほどありますが、結局、どこに行けば当たりを引けるのか、迷うことはないでしょうか? カレーは店主の主張が強く出るので、評価の高いお店でも「好みに合わなかった」なんて事態が発生しがち。
しかもインド系からタイカレー、昔ながらの欧風カレー、関西系のスパイスカレーなど、ジャンルの幅広さも店選びの難解さに拍車をかけます。たまに、あまりに意識高すぎてよくわからないカレーにぶち当たると、「これを美味しいと思えない自分のセンスが悪いんだろうか」などと思えてくるあたり、カレーは音楽とか洋服に通じるものがあります。
そこで最近、足かけ40年以上、週に5回は都内のカレーを食べ歩いているカレーマニアの知人に相談してみたら、東京・永福町の『スペキエ』という店をオススメされました。いわく「インドとスリランカのハイブリッドで、種類によってはけっこう辛い。超本格的だけど、実は誰もが美味しいと思える味。控えめに言ってめちゃくちゃ旨い」とのこと。
事前に調べてみると、『スペキエ』は、2011年5月にオープンしたお店で、かなりの人気店のようです。さっそく現地に行ってその味を確かめてきました!
スペキエのカレーをいざ実食!
京王井の頭線「西永福」駅から徒歩1分ほどの場所にひっそりとあります。お隣は煮干しラーメンの人気店『西永福の煮干箱』
京王井の頭線「西永福」駅から徒歩1分ほど。細い路地に入ったところに、『スペキエ』はありました。濃紺のひさしと赤い窓枠が印象的で、すでに何ともいえないスパイスの香りが店頭に漂っています。
吸い込まれるように扉を開けると、意外とゆったりした空間が広がっています。カウンター4席、テーブル6席。木の風合いを生かした落ち着く店内です。
のんびりできる落ち着いた店内
店内には、店の外よりもさらに濃いスパイスの香りが充満しています。スパイスが重なり合い、香りの向こうに旨味も感じるような、ものすごく魅力的な匂いなのです。食べる前からすでにただものではない雰囲気です。
着席し、さっそく注文です。メニューは、チキンカレーやキーマカレー、海老カレー、野菜カレーなど単品メニューも充実していますが、初訪店でいろいろ食べたかったので、キーマ、チキン、海老が一度に味わえる「3種のカレー」(1700円)を注文することにしました。
黒板に書かれたメニュー
こちらでは注文が入ってからカレーを作り始めるということで、出てくるまでに15分ほどかかります。その間にサラダが運ばれてくるので、それを食べながら待つわけですね。サラダはシャキシャキのレタスに、さっぱり酸味がよく効いたドレッシングが美味しくて、胃袋にエンジンがかかってくるようです。
その数分後にライスも登場。ツヤツヤ光るライスには大根のアチャールとキャロットラペ風の一品が添えられています。白、黄色、オレンジ。色鮮やかで、これまたそそられます。ちなみに、お米は国産コシヒカリだそうです。
ライスには、大根のアチャールとキャロットラペ的なにんじんが添えられています
そして、いよいよ3種類のカレーが登場しました。直径10cmほどの器が3つ。素朴で温もりを感じる器に、これまた実に美しいナチュラル色のカレーたち。
手前のパクチーが載った黄色いのが海老カレー。左上がキーマカレー、右上がチキンカレー
最初は「海老カレー」から。すくった感じはサラリとしています。口に含んだ途端に海老のダシがガツンと来ました。まるで海老のビスクのような甲殻類の濃厚さが舌に広がります。黄色くてマイルドそうな見た目に反し、かなり辛いです。エビの強烈な味とスパイスの強烈な刺激。ひと口目から、めまいがしそうなほど美味しいです。
続いてキーマカレー。インドの乾燥した香草が載っていて、スプーンですくうと粗めの挽き肉がたっぷり入っていてどろっどろ。口に入れると、クローブやカルダモン、シナモンなどの香りの高いスパイスがキーマからにじみ出るコクと絶妙に絡み合い…これまたかなり辛いのですが、ひと噛みごとに強い旨味がガツン、ガツンと押し寄せてきます。スゴい!
国産牛と豚のひき肉を使った「キーマカレー」
最後は、チキンカレーです。こちらはスプーンですくうと欧風カレーっぽいとろみがあり、中には鶏モモ肉(国産)がゴロゴロと3つ入っています。一見、マイルドそうに見えるチキンカレーも、やっぱり辛い! 辛いながらもカルダモンの強い芳香に癒され、静かに感じる甘みや酸味も手伝って、どんどんスプーンが進む…なんとも複雑で滋味深いカレーなのです。
まとめ
国産鶏モモ肉を使った「チキンカレー」
夢中で完食してしまいました。「美味しい」という言葉だけで表現するのは無理があります。スパイスの使い方が秀逸だとか、食材を活かしているとか、いろいろ言うことはあるのかもしれませんが、そんな陳腐な言葉を超えた何かがありました。
そして表面だけ見ると意識高い系なのに、誰もが美味しいと思える味。となると、やっぱりカレーマニアの言う、“控えめに言ってめちゃくちゃ旨い”という言葉が一番しっくり来るなあと思った次第です。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:スペキエ
住:東京都杉並区永福3-55-3
TEL:03-6379-3150
営:11:30〜14:30(14:15LO)
18:00〜21:00(20:45LO)
休:火曜の夜営業、水曜