大学卒業者の進路決定率87.4%、3年連続上昇…旺文社
2024年12月18日(水)11時15分 リセマム
国公私立大学別の進路決定率 (c) 2024 旺文社 教育情報センター
進路決定率は、就職率だけでは把握しきれない卒業後の進路状況を数値化したものである。就職率は「就職者数÷就職希望者数」や「就職者数÷卒業者数」などさまざまな計算式があるが、同調査では大学院などへの進学も進路の1つと考え、進学者と就職者(臨床研修医含む)を進路決定者とし、卒業者に占める割合を進路決定率として算出した。
設置者別にみると、国立大学は進学者の割合が高く、34.5%が進学している。これは理系の学生が多く、進学する傾向が強いためである。公立大学は進路決定率が91.6%ともっとも高く、看護・医療系統の学生が多いことが背景にある。私立大学は就職者の割合が高く、79.1%が就職している。私立大学の学生は国公私全体の8割を占めており、その傾向が全体の数値に反映されている。
男女別では、進路決定率に大きな差はみられないが、男子は進学者の割合が高く、女子は就職者の割合が高い。学部系統別では、医学部や工学部の進路決定率が高く、医師国家試験の合格率や進学者の多さが影響している。
地域別では、北陸・東海の進路決定率が高く、富山県が94.3%で最高であった。地域産業の状況や大学の設置状況が影響していると考えられる。
全体として、進路決定率の上昇は就職者の増加によるものであり、人手不足の影響がうかがえる。進路決定率の上昇は、大学卒業者の進路選択の多様化を示しており、今後も注目される。